Project/Area Number |
23K22105
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Project/Area Number (Other) |
22H00834 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07030:Economic statistics-related
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Research Institution | Seijo University |
Principal Investigator |
塚原 英敦 成城大学, 経済学部, 教授 (10282550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 能典 統計数理研究所, 学際統計数理研究系, 教授 (70249910)
清水 泰隆 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70423085)
小池 祐太 東京大学, 大学院数理科学研究科, 准教授 (80745290)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2025: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
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Keywords | 計量ファイナンス / リスク管理 / 統計的機械学習 / 保険数理 / 高頻度データ |
Outline of Research at the Start |
金融・保険分野における様々なリスク(市場リスク,信用リスク,オペレーショナルリスク,システミックリスクなど)を正しく評価することは,リスク管理上非常に重要である。本研究では,これら金融・保険リスクの評価・計測に,大規模化・多様化した現代のデータを生かしていくための新しい統計モデルを提案し,その数理的な検討を行っている。そして,そのモデルに対する理論的に適切かつ最良な統計的分析方法,特に統計的機械学習アプローチを適用した手法を開発している。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,金融情報ビッグデータを,より精緻なリスク評価モデルに基づく定量的リスク管理や新たな金融・保険商品の開発に生かすための統計モデルの提案と,それに対する統計的・機械学習的な分析手法の開発を行っている。 リスク管理においては,バリューアットリスク(VaR)と呼ばれるリスク量を計測する尺度について,その拡張である歪みリスク尺度に関する統計的話題,すなわち推定論とバックテストについて研究成果を上げた。さらに,連続時間の場合への拡張として,予測過程を用いた理論の展開を考えている。 複数のリスク間の相互依存関係を分析するために有用である接合関数については,新たな推定量を提案し,それを用いたリサンプリング法を提唱した。その結果は,接合関数分野で高い評価を得ている。 収益率データにGARCHモデルをあてはめて条件付き分散不均一性をモデル化した後,その標準化残差に一般化パレート分布をあてはめて高分位点を推定する方法は以前より知られているが,裾指数推定の古典的方法として知られるノンパラメトリック推定量にバイアス補正を考慮した手法を提案し,実データにより,特に高分位点における提案手法の優位性を示した。 保険数理においては,人間の死を仮想的な生命エネルギーの消滅時刻と定義することで,エネルギー過程のゼロへの初期到達時刻分布を用いて死亡率を推定するというアイデアを用いて,従来にない全く新しい死亡率予測モデルの開発研究を行った。 高頻度金融データへの応用を念頭に,統計量が確率過程の汎関数として与えられるようなケースへと従来の中心極限理論を拡張した。また,高頻度データを用いた金融市場におけるリード・ラグ関係の多時間スケール解析を進めて,リスク尺度や統計的漸近理論との関係を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
塚原は,リスク尺度に関する統計的話題,すなわち推定論とバックテストについて,これまでの研究成果をも含む包括的展望をまとめた論文を仕上げて,国際学術雑誌に投稿する準備中である。また,接合関数に関するリサンプリング法については,プログラミング言語Pythonでのモジュール実装を検討中である。接合関数を空間計量経済学のモデルに応用するための理論的基礎の拡大に取り組み,理論的な成果を得つつある。 川崎は,極値理論を用いた,金融時系列データによるダイナミックなVaRを推定する際に,バイアスを減らすような方法を提案した。また,その方法による推定をバックテストで比較検証した。 保険数理理論において,清水はランダム・フォレストを用いた確率微分方程式の推定を提案し,金融実務への応用可能性を検討した。また,コホート別死亡率予測に対する死亡率予測の新手法を研究した。 小池は,金融高頻度データにおける先行遅行関係やティックデータの探索的ビッグデータ解析,高次元データに対する正規近似理論において,理論的に優れた結果を得た。
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Strategy for Future Research Activity |
塚原は,リスク尺度に関する統計的話題,すなわち推定論とバックテストについての新たな展開として,逐次予測分析のフレームワークを基礎としつつ,より一般に予測評価の一般理論として定式化した理論を提唱していく所存である。また,接合関数に関するリサンプリング法については,プログラミング言語Pythonでのモジュール実装を進める予定である。それを用いて,接合関数を空間計量経済学のモデルに応用するという着想から,各国の証券・為替市場の空間パネル分析を行う実証分析も実施する。川崎との共同作業としては,実データを使った金融市場のボラティリティ分析,および定量的リスク管理の統計的方法に関する教科書の執筆を継続していく。 さらに,保険数理における統合的リスク管理や市場整合的リスク評価方法を清水と,高頻度データを深層学習的方法で解析し,連続時間のリスクをモニターしようという試みを小池と,それぞれ進めていく。 研究を効率的に進めるため,様々な研究集会(CEQURA Conference on Advances in Financial and Insurance や CMStatisticsなど)で塚原が企画セッションをオーガナイズするなどして,定量的リスク管理分野における様々な話題について議論する。
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