Project/Area Number |
23K22202
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Project/Area Number (Other) |
22H00931 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08020:Social welfare-related
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
田中 きよむ 高知県立大学, 社会福祉学部, 教授 (00253328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉里 恵美子 高知大学, 教育研究部総合科学系地域協働教育学部門, 教授 (40268165)
霜田 博史 高知大学, 教育研究部人文社会科学系人文社会科学部門, 教授 (50437703)
中川 善典 上智大学, 地球環境学研究科, 教授 (90401140)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | 地方のホームレス / 見えにくい貧困 / 生活困窮者支援 / 地域共生社会 / SDGs / DV被害者 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、「地方におけるホームレスの実態把握と支援方法の研究」をテーマとして、 ホームレスの実態把握を正確に行い、支援方法を実証的に解明する。ホームレスは特定の場所を故なく起居の場とする者とされているが、それを固定的に捉えて解釈すれば、定住型のホームレスのみを狭く捉えてしまう。特に地方では、分散・移動型のホームレスが見られる。また、厚生労働省のホームレス調査では、個別の具体的な生活状況の聞き取り調査は都市部でしか実施されておらず、地方では目視調査しか実施されていない。そこで、ホームレスやDV被害者に対する支援活動をふまえ、聞き取り調査に基づく正確な実態把握と個別状況に応じた支援方法を提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、「地方におけるホームレスの実態把握と支援方法の研究」をテーマとして、 地方におけるホームレスの実態把握を正確におこない、支援方法を実証的に明らかにすることを目的とした。ホームレスは、定義上、特定の場所を故なく起居の場とする者とされているが(ホームレス自立支援法)、それを固定的に捉えて解釈すれば、定住型のホームレスのみを狭く捉えてしまうことになる。とくに地方においては、分散・移動型のホームレスが見られる。また、厚生労働省のホームレス調査においては、個別の具体的な生活状況の聞き取り調査は都市部でしかおこなわれたことがなく、地方では目視調査しかおこなわれていない。そこで、ホームレスやDV被害者に対する支援活動や先進地調査もふまえ、聞き取り調査に基づく正確な実態把握と、個別状況に応じた支援方法を検証した。 その結果、ホームレスの新たな定義として、「家庭、職場、地域等における人間関係が損なわれた結果、自分らしく居られる心の拠り所としてのホームを喪失し、探し求めている人」と提唱したが、その実態が裏付けられることが明らかになった。すなわち、実家や家族がいる場合も含めて夫婦関係や親子関係が損なわれることにより自分の心の居場所を喪失したり、職場の人間関係がパワハラ等によって損なわれたり、障害に伴う行動等により地域の中で孤立化し、自分の心の居場所を喪う人々を広くホームレスとして捉え直しながら、それぞれの状況に想いを寄せつつ、その人に合った居場所づくりを人間関係の再構築として捉え直す視点が求められる。それは、ホームレスの方々をどう支援するか、という以前に、彼らと共にどう生きるかという姿勢であり、単なる経済的支援だけでもない関係性の再構築と言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ホームレスの新たな定義として、「家庭、職場、地域等における人間関係が損なわれた結果、自分らしく居られる心の拠り所としてのホームを喪失し、探し求めている人」と提唱したが、その定義に即した実態が裏付けられることが明らかになるなど、研究目的の達成に近づいてきている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度においては、ホームレス・DV被害者支援団体(NPO法人「こうちネットホップ」、代表 田中きよむ)としての10年以上の経験をふまえ、あらためて個別の聞き取り調査をおこなう。また、本支援団体独自のシェルター(「ステップハウス」)を2部屋確保し、2022年1月より運営を開始したので、その利用者に対する聞き取り調査を並行して実施する。 具体的には、ホームレスが調査対象となる場合、①年齢と出身地、②ホームレス歴、③ホームレスに至る生活歴、④家族構成と現在に至る家族関係、⑤現在の生活状況(住民登録状況、就寝場所、体調、就労状況、収入、日常生活の概況、生活手段の確保方法、人づきあい等)、⑥生活上の困りごとや不安、⑦今後の暮らしの希望と支援課題、等を確認する。 そのうえで、アセスメント(課題分析)をおこない、課題解決に向けて、フオーマルなサービスとインフオーマルな支援の両面から、行政や社会福祉協議会、医療機関、相談支援機関、市民活動団体等との協議をふまえ、連携に基づく支援モデルを構築するための支援方法を考察する。併せて、先進地調査を継続し、居住、生活、医療、就労、文化活動などの総合的な支援方法を明らかにする。その成果については、論文発表や学会発表を通じて公表する。
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