Cl-に着目した塩味受容メカニズムの解明とそれを起点とした減塩物質の獲得
Project/Area Number |
23K22216
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Project/Area Number (Other) |
22H00945 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08030:Family and consumer sciences, and culture and living-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
朝倉 富子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任研究員 (20259013)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成川 真隆 京都女子大学, 家政学部, 准教授 (50432349)
舟木 淳子 福岡女子大学, 人間環境科学研究科, 教授 (60219079)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥9,490,000 (Direct Cost: ¥7,300,000、Indirect Cost: ¥2,190,000)
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Keywords | 減塩 / 塩味受容体 / 塩化物イオン |
Outline of Research at the Start |
塩分の過剰摂取は高血圧、腎疾患、胃ガンなどと関連があり、減塩の必要性が高まっている。塩味はナトリウムイオンと塩化物イオンの両方のイオンが必要であり、単独のイオンでは塩味は感じない。我々はごく最近、舌上の味蕾に特異的に発現し、これをノックアウトしたマウスでは、味神経応答が抑制される電位依存性クロライドチャネル(TMC4)を発見し、塩味の出現にはクロライドイオンが重要であることを示した。しかし、塩味の詳細なメカニズムは未だ不明な点が多く、本申請研究では、クロライドイオンを介した塩味の受容メカニズムの詳細を明らかにし、TMC4を活性化させる化合物を食品成分から見い出し、減塩食品の創出を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、世界中で食塩の過剰摂取による健康の被害のリスクを低減させることが目的である。WHOが健康的な1日の食塩摂取量として5g/日を推奨している。しかし、日本人の現在の摂取量ははるかに多く、大幅な減塩が求められている。食塩の摂取量を減じるためには、塩味のメカニズムを明らかにすることからスタートし、クロライドイオンを認識する塩味受容分子TMC4を見出した。 TMC4は舌上の奥に存在する葉状乳頭および有郭乳頭に強く発現し、TMC4をKOマウスではNaCl、KCl、NH4Clなど、クロライドイオンを含む化合物に対する応答が低下していた。以上よりTMC4がクロライドイオンに応答し、少なくても塩味の一部に関わる分子であることが明らかになった。TMC4を活性化する分子は塩味を増強する可能性があることから、ホールセルパッチクランプ法を用いて既知の塩味増強剤かTMC4を媒介する電流を増大させるかを検証した。その結果、いくつかの塩味増強物質によってTMC4が媒介する電流は増大した。このことからTMC4を用いた電気生理学的アッセイ方法による塩味増強剤のスクリーニングの可能性が示された。 昨年度は、TMC4を用いたホールセルパッチ法の最適化を行った。本年度は、物理化学的方法としてプロテオリポソームを用いる方法を検討した。ホールセルパッチ法では、細胞に導入されたTMC4について活性を検討するが、イオンチャネルの場合、プロテオリポソームとしてリポソーム内に発現させることによって細胞系を用いなくても、イオンチャネル活性を測定できる可能性があり、これを検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プロテオリポソームの作製には、小麦胚芽無細胞発現系を用いた。本法は、リポソームを作製しつつ、TMC4(膜タンパク質)をリポソーム膜内に発現させる方法である。TMC4のN末端をC末端にタグを挿入し、反応終了後アフォニティー精製する。 タグとしては、FLAGを用いて、検出のためにVenusをC末端に発現させる。FLAG-TMC4とFLAG-TMC4-TEV-Venusの2種類のタンパク質が生成する様に、ベクターを構築した。その結果、アフォニティー精製によりどちらも精度の高いタンパク質約50マイクログラムを取得できた。
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Strategy for Future Research Activity |
TMC4の活性測定の改善を進める。人工脂質膜中に発現させたTMC4をマイクロ流路デバイスに装着し、イオンの移動を解析する。TMC4の立体構造を明らかにし、分子の構造からTMC4のアゴニストを予測するin silico解析を目指す。
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Report
(2 results)
Research Products
(19 results)