Project/Area Number |
23K22217
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Project/Area Number (Other) |
22H00946 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08030:Family and consumer sciences, and culture and living-related
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
藤原 葉子 お茶の水女子大学, 名誉教授 (50293105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
市 育代 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 准教授 (50403316)
石川 朋子 聖徳大学, 人間栄養学部, 教授 (70212850)
豊島 由香 宇都宮大学, 農学部, 准教授 (70516070)
池田 彩子 名古屋学芸大学, 管理栄養学部, 教授 (80308808)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
Fiscal Year 2022: ¥8,320,000 (Direct Cost: ¥6,400,000、Indirect Cost: ¥1,920,000)
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Keywords | エストロゲン欠乏 / 肥満 / 骨粗鬆症 / インスリンシグナル / 必須脂肪酸 / インスリン / 必須脂肪酸欠乏 / 高脂肪食 / 雌雄差 / PFC比 / 炎症 |
Outline of Research at the Start |
閉経後の女性はエストロゲン欠乏による骨粗鬆や肥満になりやすく、肥満に起因する生活習慣病リスクが高くなるが、これまでの栄養学的な基礎研究には雄の実験動物が用いられてきたため、適切な食事摂取の男女差についての知見や科学的根拠は乏しい。閉経後女性の健康維持に適切な食事組成を提案するための基盤研究として、雌雄差や女性ホルモンの有無による肥満および骨に対する影響を、インスリンシグナル、および必須脂肪酸代謝の欠損動物を用いて検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
閉経後の女性は肥満になりやすく、男性や若い女性と比較して血中コレステロールの増加や、II型糖尿病の発症、乳がんなどのリスクも高くなることが知られている。近年、男女間の生体内反応や薬物代謝の違いから、疾病治療においても女性は男性と同じ投薬や治療法では不適切であることが指摘されている一方で、食事指導に関する科学的根拠は十分ではない。栄養学における基礎研究の多くは雄のラットを用いて行われてきたため、「健康を維持するために、何をどのように食べればよいか」という基礎科学的な知見は、ライフステージによって変化する女性には適していない可能性がある。本研究では、閉経後女性の健康にとって重要な問題である肥満と骨粗鬆症について、女性が陥りがちな高脂肪・低タンパク質食摂取時のようなインスリンシグナルの乱れや、必須脂肪酸欠乏の骨や肥満に対する作用とその機序を明らかにするため、卵巣摘出手術(OVX)を施したエストロゲン欠乏モデルを用いて検討する。 昨年はインスリン受容体基質(IRS)欠損ラットの対照実験として、同系のWistar野生型ラットの卵巣摘出モデルを使い、通常食と高脂肪・低タンパク質食を与えた違いを検討したが、今年度はこの野生型ラットの雄と、雌にOVXと儀手術(Sham)を施した群に10週間高脂肪・低タンパク質食を与えて飼育し、肥満や骨に対する高脂肪食の影響が、雌雄差やエストロゲンの有無で異なるのかを検討した。 IRS-KOを使った実験では、雌性IRS-2KOと野生型ラットにそれぞれ、OVXとShamを施し、通常食による飼育で同様に比較した。必須脂肪酸欠乏モデルであるFads2欠損マウスを用いた研究は、脂肪組織の表現型の解析を行い、必須脂肪酸欠乏状態では、OVXを施しでも白色脂肪組織が減少することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
IRS-KOの対照となる野生型ラットの実験については、初年度はOVXのみで行ったため、2年目研究計画では雄と雌の差や雌の性周期による違いを再度精査することとし、高脂肪・低タンパク質食による雌雄差とOVXとshamの比較を行った。摂食量を正確に測定するため、ラットを個別ケージで飼育する必要があり、動物実験飼育施設の整っている分担研究者を加えて協力を仰ぐことで、順調に飼育を終了した。解剖時の基礎データの他、採尿も行い、現在までに血中脂質マーカー、肝臓脂質、肝臓の組織化学的評価、大腿骨のX線CTスキャンデータが得られている。X線装置の不調により時間を取られたが、骨構造解析とその他の測定項目は次年度前半までには終了予定である。 また、これまでの実験結果から、脂肪蓄積や骨代謝に影響を与えるのは2種のIRSのうちIRS-2であることが分かったため、この個体数を確保して、まず通常食で実験を行った。脂肪蓄積と血中インスリンレベルに、OVXによる違いが認められ、エストロゲンとインスリン分泌についての新たな知見が得られた。骨密度と海綿骨構造の解析も全体の約半数が終了した。最終年度までに骨の解析、その他の追加項目の測定を終えることが可能である。IRS-2が骨代謝に影響を与えることが分かったため、IRS-2KOラットから骨髄を採取し、骨芽細胞や破骨細胞への分化についても検討する。必須脂肪酸欠乏モデルの研究においても、脂肪組織への蓄積についてのメカニズム検討を行っており、おおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
当該年度の野生型ラットの研究は、現在得られているX線解析データから、さらに海綿骨構造の解析を進め、血中の骨形成マーカー、尿中の骨吸収マーカーの測定、エストロゲン濃度の測定を行い、高脂肪食摂取時のエストロゲン欠乏が、ラットの骨に対する影響と、その作用機序を明らかにする。IRS-2欠損ラットを使った研究については、まず通常食におけるIRSと骨代謝の関係を明らかにすることを優先する。現在得られたサンプルで、上記測定項目についての解析を進めるとともに、IRS-2KOラットの脛骨から得た骨髄由来細胞から、骨芽細胞や破骨細胞への分化を検討し、論文の執筆と投稿を目指す。必須脂肪酸欠乏モデルであるFads2欠損マウスの研究は、脂肪細胞を増殖マーカーであるKi67による免疫染色などを中心に調べ、エストロゲン欠乏状態における必須脂肪酸の必要性と、脂肪や肝臓おけるメカニズムを明らかにする。
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