Project/Area Number |
23K22224
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Project/Area Number (Other) |
22H00953 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 08030:Family and consumer sciences, and culture and living-related
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Research Institution | Osaka Metropolitan University |
Principal Investigator |
神谷 重樹 大阪公立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (60379089)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀井 保博 基礎生物学研究所, 超階層生物学センター, RMC教授 (70372563)
立花 太郎 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 教授 (80311752)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2022: ¥8,190,000 (Direct Cost: ¥6,300,000、Indirect Cost: ¥1,890,000)
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Keywords | 生活習慣病モデルメダカ / 歯周病 / NASH / 骨粗しょう症 / 食品成分 / 生活習慣病 / メダカ / 糖尿病 |
Outline of Research at the Start |
本研究の概要は,生活習慣病モデルメダカを用い,歯周病原細菌そのものまたはその病原因子を作用させることにより,生活習慣病の病態悪化すなわち合併症モデルを確立する。さらにこのモデルを用いて,疾患の予防や抑制に効果のある食品由来物質を探索する研究である。本研究では次の3つのステップで研究を実施する。1)生活習慣病モデルメダカ作製,2)歯周病原細菌感染・細菌由来物質投与による生活習慣病と歯周病の合併症モデルメダカにおける増悪化の評価,3)生活習慣病と歯周病の合併症モデルメダカにおける増悪化を予防・抑制する食品由来物質の探索。以上の研究により,食栄養学分野における哺乳類に変わる新たな方法論を提供する。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に確立した非アルコール性脂肪肝炎(NASH),骨粗しょう症の疾患モデルを用いて,慢性歯周病の原因細菌であるP. gingivalis (Pg)の死菌を混餌することにより病態に与える影響を調べた。NASHモデルメダカについては,3ヶ月齢の標準系統cab標準食(ND)と高脂肪食(HFD)にそれぞれPg死菌の凍結乾燥試料を餌重量の5%添加の有無の4群で12週間給餌した。給餌終了後,肝臓の形態学的観察および組織切片の病理染色(HE 染色および Oil Red O 染色)を行った。また,16SrRNAアンプリコン解析を行い,腸内細菌叢構造を解析した。形態学的にはHFD給餌ではPg死菌混餌の有無に関わらず肝臓の肥大化,脂肪蓄積が観察されたがPg死菌混餌による差は認められず,肝臓重量や肝臓重量体重比についても同様であった。肝臓組織切片のHE染色ではHFD給餌でPg死菌の混餌により炎症性細胞の浸潤や風船様変性の増加が確認された。また,Oil Red O染色ではHFD給餌で脂肪蓄積が認められたが,Pg死菌混餌の有無で大きな違いは認められなかった。一方,腸内細菌叢の構造はこれら4群で大きく異なっており,HFD給餌でdysbiosisが起こっており,Pg死菌混餌でさらに腸内細菌叢構造が変化していた。セロトニンの合成酵素遺伝子欠損(tph2-/-)による骨粗しょう症モデルメダカについても,同様の方法でPg死菌の病態への影響を調べた。2ヶ月齢のtph2+/+メダカとtph2-/-を用い,4週間死菌混餌の有無で飼育した。飼育終了後,3次元X線画像による形態学的変化,骨湾曲度の解析,骨カルシウム含量の定量を行った。3次元X線画像からtph2-/-メダカでは,Pg死菌投与の有無によって湾曲度の分布に大きな違いが認められ,骨の湾曲部位や角度に差があることが示唆された。骨のカルシウム含量については有意な差は認められなかったが,Pg死菌投与によりtph2-/-メダカの骨の湾曲に何らかの変化を及ぼしたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在まで当初計画していた3つの生活習慣病モデルのうち2つのモデルを確立し,歯周病原細菌混餌による病態の悪化の評価もできつつある。一方,糖尿病モデルメダカについては,先行研究の実験方法を取り入れて確立しようとしているが今のところ確立できていない。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,NASHモデルメダカについては上記の実験で得られたサンプルのうち,まだ解析が出来ていない肝臓の脂肪酸量や組成についてガスクロマトグラフィー質量分析による分析を行う。また現在,開発中であるメダカマクロファージを検出できるモノクローナル抗体を用いて,近年NASH病態の指標である肝臓組織へのマクロファージの浸潤を免疫組織染色にて解析する。さらにNASHから肝細胞ガンに進行しやすいと言われているメラノコルチン4型受容体(mc4r)の遺伝子欠損マウスと同様にmc4r遺伝子を欠損したメダカを用いてPg死菌混餌でのさらなる病態悪化モデルを作製する。その上で,γオリザノールなどの食品成分を投与した場合での病態抑制効果を検討する。骨粗しょう症モデルメダカについては,今回のPg死菌混餌モデルおよび,昨年度確立したブラインシュリンプをベクターとして用いるPg菌投与でのγオリザノールなどの食品成分投与による改善効果を検討する。またレプチン受容体ノックアウトメダカ(LepR-KO)を使い,ブラインシュリンプを餌として28週間飽食給餌することにより,糖尿病モデルメダカの確立を試みる。評価は28週後に体重,血中グルコース濃度,血中インスリンレベルを測定する。本モデルでは網膜症を合併するため,メダカ眼組織の組織切片のHE染色により組織像を評価して病態を判定する。さらにこれら3つの生活習慣病モデルについて,イメージングにより病態を解析できるように病態特異的な遺伝子のプロモーターの下流に蛍光タンパクを発現するトランスジェニックメダカ(NASH:肝線維化マーカータンパクのα-SMA遺伝子,骨粗しょう症:骨吸収マーカータンパクの酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ遺伝子,糖尿病:網膜症の発症・進展に重要な役割を持つ血管内皮増殖因子の遺伝子)を作製または入手する。
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