野生生物に係る課題を有する地域で取り組まれている環境教育のフレーミング
Project/Area Number |
23K22287
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Project/Area Number (Other) |
22H01016 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 09040:Education on school subjects and primary/secondary education-related
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Research Institution | Taisho University |
Principal Investigator |
高橋 正弘 大正大学, 社会共生学部, 教授 (10360786)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本田 裕子 大正大学, 社会共生学部, 教授 (00583816)
福島 真司 大正大学, 地域創生学部, 教授 (50249570)
谷田 林士 大正大学, 心理社会学部, 教授 (50534583)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥8,320,000 (Direct Cost: ¥6,400,000、Indirect Cost: ¥1,920,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | 環境教育 / ESD / 野生生物 / 住民意識 / 希少種保護 / 野生生物保護 / 希少種 / フレーミング / SDGs |
Outline of Research at the Start |
本研究は「野生生物に係る課題を有する地域で取り組まれている環境教育のフレーミン グ」のバリエーションを探ることを目指す。希少種保護に取り組んでいる自治体において、環境教育が企画実施される際には行政や地元住民といった当事者と周辺・周縁にいる人々の意向によって方向性が定まることになるが、その際環境教育としてどのような点が強調されメッセージ化されるか、という点について正確に把握することにある。そのため当該研究の場は、保全される野生生物と住民との共生が課題となっている地域・自治体であり、そのような場や空間で環境教育が実際にどう経営されるかのプロセスやその方向性を明らかにする作業を行うものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の本研究の研究実績の概要については、以下のとおりである。 野生生物との共生が課題になっている地域・自治体で取り組まれている環境教育のフレーミングのバリエーションを探る目的から、複数の事例を調査し、得られた結果から知見を整理していくことを通じて、地域における野生生物との共生に係る環境教育の確立プロセスと振興の課題を明らかにする作業を行った。この作業のために、日本国内の複数の自治体を調査し、さらに海外の自治体の調査を行い、情報を加味した。 2023年度の調査においては、当初計画で予定していた通り、住民意識を把握するためのアンケート調査として、埼玉県鴻巣市と栃木県小山市で実施した。加えて、自治体ヒヤリング調査として、長崎県対馬市、新潟県佐渡市、鹿児島県奄美市を訪問し、行政関係者に対する聞き取りを実施した。またアンケート調査の結果についての行政との対話も長崎県対馬市で行った。海外渡航ができるようになったため、ネパール国カトマンズおよびタイ国バンコク市において、現地の野生生物に係る関係者の聞き取り調査や現地訪問などの調査を行った。 これらの調査によって、複数の学術論文を執筆し発表を行った。特に野生生物保護をめぐる環境教育の「フレーミング」に係る基本的な考え方の整理を行うことができた。 併せて2023年度に、希少野生生物である「トキ」の標本を入手することができ、保全が課題となっている地域の外でも環境教育を実施する可能性を検討する素材として位置付けることができた。これについては今後も引き続きアプローチしていくことになる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
採択されてから2年度目となった2023年度までに、当初予定していた自治体での住民へのアンケート調査および該当自治体への訪問調査は、順番が当初予定より多少前後したものの、対象としていた自治体および事例についてはほぼ予定通り遂行することができた。特に2023年度に2件の海外調査を実施できたことで情報収集が進捗した。予定している一部の海外調査(インドネシア等)については、引き続き実施の可否について情勢を見ながら、場合によっては代替地の検討について2024年度以降判断していきたい。 2023年度は本研究課題の中心的なキーワードである「フレーミング」についての理論的な整理を刊行することにも成功した。今後この整理を最終年度までの一連の分析に活かすことができる。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度においては、希少種保護の環境教育の観点からは新潟県佐渡市(トキ)と千葉県野田市(コウノトリ)でそれぞれ住民1000人を対象としたアンケート調査を実施していく予定である。それに加えて希少種ではないが野生生物と住民との軋轢が課題となっている北海道札幌市(ヒグマ)でも市民を対象としたWEBアンケートも行い、これまで実施してきたアンケート調査の結果を踏まえて事例間の差異から環境教育のフレーミングについての詳細な検討を行っていくこととする。これらの調査に加えて、2024年度は自治体の現状について職員への聞き取り調査を実施する予定である(長崎県対馬市・沖縄県与那国町)。また環境教育の素材としての希少種の標本の入手についても、他の種での可能性について引き続き努力していく。
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Report
(2 results)
Research Products
(17 results)