Project/Area Number |
23K22376
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Project/Area Number (Other) |
22H01105 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10040:Experimental psychology-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小澤 貴明 大阪大学, 蛋白質研究所, 助教 (90625352)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
兎田 幸司 慶應義塾大学, 文学部(三田), 准教授 (60794948)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2022: ¥8,840,000 (Direct Cost: ¥6,800,000、Indirect Cost: ¥2,040,000)
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Keywords | 情動 / 味覚 / 神経回路 / 報酬系 |
Outline of Research at the Start |
五感の一つである味覚は、生命の維持に直結する食行動を左右する感覚である。これまで、多くの生理心理学研究によって、舌で受容された味覚情報が脳へ伝達される経路が明らかにされてきた。しかし、味覚がどのように感情的体験を引き起こすのか、その多くは不明である。本研究は、行動解析と最先端の神経科学的手法を用いて、感覚情報としての味覚を統合し、感情変化を引き起こす神経回路の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
五感の一つである味覚は、生命の維持に直結する食行動を左右する感覚である。これまで、多くの生理心理学研究によって、舌で受容された味覚情報が脳へ伝達される経路が明らかにされてきた。しかし、味覚がどのように感情的体験を引き起こすのか、その多くは不明である。本研究は、モデル動物であるマウスを対象として、感覚情報としての味覚を統合し、感情変化を引き起こす神経回路の解明を目指す。本年度の研究により、以下の成果が得られた。 (1)給餌チューブから与えらえた液体味覚刺激に対してマウスが示す舐め行動(リッキング行動)解析し、その際に脳内報酬系を構成する脳領域におけるドーパミン変化量のリアルタイム計測を行った。その結果、甘味の濃度依存的にリッキング反応数および脳内ドーパミンレベルも増加した。また、塩味報酬に対しうま味を添加することでもリッキング反応が増加し、さらに脳内ドーパミンレベルも増加することが明らかになった。この結果から、報酬性の味覚とその相乗効果に対する脳内報酬系の関与が示唆された。 (2)神経活動マーカーであるcfosのプロモーターを利用した蛍光タンパクの発現を解析することにより、単一味覚および複合味覚の提示が引き起こす、脳内神経活動の変化について調べた。その結果、特定の味覚に反応する神経細胞に加えて、複数の味覚に対して反応する神経細胞の存在が明らかになった。 (3)DREADDs法を用いた神経活動の抑制実験を通して、マウスが示す、単一味覚あるいは複合味覚への希求行動を、機能的に制御する脳領域について調べた。その結果、味覚の神経回路に加えて脳内報酬系として知られる脳領域の重要性も示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
神経活動・神経伝達物質の計測と操作を行う実験を通して、単一および複合味覚への希求行動に関与する脳領域の一部を特定することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究で得られた結果を基に、味覚神経回路と脳内報酬系の関連性について、神経操作実験と神経活動あるいは神経伝達物質の記録実験を組み合わせて調べる。これにより、感覚情報としての味覚を統合し、感情変化を引き起こす神経回路の解明を目指す。
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