疲労時のパフォーマンス・ブーストを可能にする心理学的・神経科学的メカニズム
Project/Area Number |
23K22380
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Project/Area Number (Other) |
22H01109 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10040:Experimental psychology-related
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Research Institution | Nihon University (2024) Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science (2022-2023) |
Principal Investigator |
中山 義久 日本大学, 生産工学部, 助教 (30585906)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 機能的MRI / 疲労 / 運動野 / 縫線核 / モノアミン |
Outline of Research at the Start |
疲労を感じパフォーマンスが低下してきた場合であっても、パフォーマンスのレベルを維持したり、より高めることが必要となる場面がある。本研究では、心理的なエフォートによってパフォーマンスを押し上げる「ブースト」を生み出す心理学的・神経科学的メカニズムを検討する。「中脳のモノアミン神経核が心理的エフォートの程度を表現し、その活動を高めることでパフォーマンス・ブーストを実現する」という仮説をもとに、1) 自発的に心理的エフォートを生み出すメカニズムと、2) 他者や報酬等の外的な要因が心理的エフォートに影響するメカニズムについて、行動実験と脳機能イメージング実験により解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
競走や競泳のラストスパートや仕事の残業など、疲労を感じパフォーマンスが低下してきた場合であっても、パフォーマンスのレベルを維持したり、より高めることが必要とされることがある。このような「疲れていても頑張らないといけない状況」では、頑張り、努力、根性といった心理的なエフォートによってパフォーマンスを押し上げる「ブースト」がなされると考えられるが、このようなパフォーマンスのブースト効果を生み出す心理学的あるいは神経科学的メカニズムについてはわかっていない。本研究では、「中脳のモノアミン神経核が心理的エフォートの程度を表現し、その活動を高めることでパフォーマンス・ブーストを実現する」という仮説を検証する。 2023年度は、本研究全体の土台となる疲労状況からパフォーマンスの低下とブーストを検討できる実験課題を作成し、行動実験を実施した。実験参加者はできるだけ強い力でグリップを握り続けることが求められた。グリップを握っている最中には、参加者の前に置かれたディスプレイに緑色の円を提示し、円の大きさをリアルタイムに変化させることでその時点の握力を示した。半数の試行では視覚刺激による合図に合わせてそれまで維持していた力からさらに強い握力を出すように指示され(ブースト条件)、残りの半数では合図は出ず実験参加者はグリップを引き続き全力で握り続けることが求められた(統制条件)。解析の結果、いずれの条件でもセッションが進むにつれて全ての参加者で発揮される握力の低下が確認された。また、ブースト条件では合図に合わせて握力の上昇(ブースト)が認められた。このブースト効果は、セッションが進んでも生じていた。つまり、疲労を感じ握力が低下した状況であっても、握力をより強く出す「ブースト」の効果が行動実験において確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は行動実験を実施した。研究全体の土台となるパフォーマンスのブースト効果が生じることを、行動実験において確認することに成功した。また、2024年度以降の実験を実施するための機器類のセットアップを行った。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度までに得られた行動実験のデータをもとに、機能的MRI実験を実施するために行動課題を改良し、実験を実施する。さらに、他の生理指標を記録する実験も実施する。これらをあわせて、自発的なパフォーマンス・ブーストを実現できる神経メカニズムの解明を目指す。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)