Project/Area Number |
23K22391
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Project/Area Number (Other) |
22H01120 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 11020:Geometry-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
河澄 響矢 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (30214646)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥16,900,000 (Direct Cost: ¥13,000,000、Indirect Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2025: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | リーマン面 / ループ演算 / 亜群 / タイヒミュラー空間 / ジョンソン準同型 / トゥラエフ余括弧積 / スピン構造 / フェンチェル-ニールセン座標 / 写像類群 / ねじれ係数コホモロジー / 組紐群 / 基本亜群 / トレミー亜群 |
Outline of Research at the Start |
リーマン面(すなわち複素構造をもつ曲面)の位相幾何学的(トポロジカルな)研究にともなって現れる様々な代数構造を解析し、それらを通じて(曲面上の複素構造を過不足なくパラメトライズする空間である)リーマン面のモジュライ空間の位相構造および(モジュライ空間の位相構造を統制する)写像類群の代数構造の解明を目指す。具体的には、曲面上の高次ループ演算を活用して写像類群のジョンソン準同型を研究する。写像類群のねじれ係数コホモロジーの計算を通して新しい代数構造を見出す。モジュライ空間を組合せ構造を統制するトレミー亜群のコホモロジー的側面の解明や古典/高次タイヒミュラー空間の亜群を用いた具体的な記述を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
前年度の2次ループ演算が0となることがわかり、これまでの構成の最難関である RIII ムーブについて最初から考え直すことになった。その結果、位相的に自然な条件のもとでは、基点付きループの2つの交点を用いるループ演算で自由ループに値をもつものの次元は3であり、そのうち2次元は基点付き Turaev 余括弧積で表されるが、残りはそうではない。この残りは自由ループ上では well-defined ではないが、長い夜が明けたというのが率直な感想である。交点の個数を3以上にすると計算量は膨大になるが、24年度に実施する。 前年度の成果である閉曲面のパンツ分解にともなう胞体分割をもちいた Fenchel-Nielsen 座標の再構成をスピンリーマン面に拡張した。超リーマン面への応用を目指している。 Arthur Soulie との共同研究により、曲面の単位接束のホモロジー群およびその外積に係数をもつ写像類群のねじれ安定コホモロジー群のTor群の計算を行った。我々の限界である5次外積までの計算チェックと論文執筆がようやく終了し、プレプリント arXiv: 2311.01791 として公開した。双変函手係数の具体例の研究を開始した。 共同研究者 Christine Vespa と組紐群のねじれ係数コホモロジーの計算を行った。2次に現れる非自明な関係式の適切な書類が当面の課題である。 国際研究集会「Mapping class groups: pronilpotent and cohomological approaches」をスイス Les Diablerets において共催した。本研究の主題である写像類群のコホモロジーとループ演算について集中的な議論を行うことができた。国内開催の研究集会「リーマン面に関連する位相幾何学」「葉層構造論シンポジウム」「葉層構造の幾何学とその応用」を共催した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高次ループ演算については、点付きトゥラエフ余括弧積と線型独立なループ演算の発見によって、長年の失敗の連続から脱することができたと考えている。また、ねじれ係数コホモロジーの計算は着実に進展している。23年9月にスイスで開催した本研究の中心テーマに関わる国際研究集会は多数の協力のもと成功したと言ってよい。
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Strategy for Future Research Activity |
高次ループ演算の計算を続行する。背後に仄見える代数的構造を摘出することが当面の課題である。ねじれ係数コホモロジーの計算をこれまで通り着実に進める。本研究で発見した Fenchel-Nielsen 座標の再構成の新しい応用を見出すべく高階タイヒミュラー空間や超タイヒミュラー空間に研究を広げる。
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