Project/Area Number |
23K22393
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Project/Area Number (Other) |
22H01122 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 11020:Geometry-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
納谷 信 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (70222180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄田 敏宏 関西大学, システム理工学部, 教授 (10432957)
成 慶明 福岡大学, 理学部, 教授 (50274577)
近藤 剛史 鹿児島大学, 理工学域理学系, 准教授 (60467446)
井関 裕靖 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (90244409)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥15,990,000 (Direct Cost: ¥12,300,000、Indirect Cost: ¥3,690,000)
Fiscal Year 2026: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
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Keywords | ラプラシアンの第1固有値 / ウェイト付きリーマン幾何 / 等長埋め込み / 半正値計画法 / 双対問題 / 極小曲面 / DPW法 |
Outline of Research at the Start |
ラプラシアンの第1固有値を最大化するリーマン計量を求める問題, およびそのウェイト付きリーマン幾何における類似について研究する. 第1の課題について, まずDPW法によって球面内の種数3の極小閉曲面を構成し, 次にそのラプラシアン第1固有値と面積を求める. 第2の課題については, 最適解の存在を先に確立し, それとNadirashvili型定理から最適値の一致を導く.
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き, 多様体の埋め込みとラプラシアン第1固有値に関する最適化問題について研究を行った. 埋め込み最適化問題の変数として, これまでユークリッド空間(次元は制限なし)への写像のみを考えていたが, 今年度, l^2空間への写像まで考えて問題を定式化し直した. また, 写像の代わりに対応する軟化作用素を変数に取り直すことにより, 問題の目的関数を線形化した. これにより, ラプラシアン第1固有値最大化という凸最適化問題の双対である埋め込み最適化問題を, 凹最適化問題として定式化することができた. これまで, これらの問題が明示的に解ける「非自明」な例は平坦トーラスに限られていた. そこで, 新しい例を求める方向で研究を行い, 3次元球面上のBerger計量(ただしファイバー方向を縮小するもの)に対して両問題の解を求めることができた. 埋め込み問題が明示的に解けたことの帰結として, Berger球面からユークリッド空間への「最も大きな」等長埋め込みが構成できたことになる. やはり昨年度からの継続で, 五明工氏(大阪大学・特任研究員)と共同で, 長さ付き有限グラフのラプラシアン第1固有値の最大化問題について研究を行った. ここでラプラシアンは藤原耕二氏によって定義されたものであり, グラフの全長は1に正規化しておく. 昨年度の研究において, Nadirashvili型定理を証明するとともに, 頂点数の小さいグラフについて最大化問題の解(辺長関数)を数値的に求めた. そこからグラフがサイクルを含むならば第1固有値は発散することが予想されたので, 今年度はその証明に取り組み, 現在も継続している. 一方, グラフがサイクルを含まない, すなわち樹木の場合には, 第1固有値は有界になる(したがって最大化計量が存在する)と予想しており, 今後研究を進める.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多様体の埋め込みとラプラシアン第1固有値に関する最適化問題について, 一般論と具体例の両面において進展があり, 2024年度中に論文を執筆できる目処がたった. 一般論における進展の意義として, 埋め込み最適化問題を半正値計画問題の無限次元板として定式化できたことがある. また, 具体例については, 3次元以上で初めての例であり, しかもBerger球面という興味深いリーマン多様体の最適な等長埋め込みを決定できたことは十分意義があると考えている. 長さ付き有限グラフの藤原ラプラシアンの第1固有値の最大化問題については, グラフがサイクルを含むならば第1固有値は発散するという予想について, その証明に取り組み, 現在最終段階である. こちらも今年度の前半のうちに論文執筆を終えられると見込んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き, 多様体の埋め込みとラプラシアン第1固有値に関する最適化問題について研究を進める. 最適解・最適値の計算例の蓄積についてこれまでに一定の成果を得ているが, 今年度さらに努める. また, 半正値計画法における双対性を利用した最適解追跡のアルゴリズムを, 我々の無限次元の設定に適用して, 最適解の存在証明に迫りたい. その成否にかかわらず, 今年度中にそれまでの進展を論文にまとめるつもりである. 長さ付き有限グラフの藤原ラプラシアンの第1固有値の最大化問題についても研究を継続する. グラフがサイクルを含まない, すなわち樹木であれば, 第1固有値は有界になる(したがって最大化計量が存在する)という予想を肯定的に解決することを目指す.
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