Project/Area Number |
23K22398
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Project/Area Number (Other) |
22H01127 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12010:Basic analysis-related
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Research Institution | Kyoto University (2022, 2024) The University of Tokyo (2023) |
Principal Investigator |
緒方 芳子 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (80507955)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥15,730,000 (Direct Cost: ¥12,100,000、Indirect Cost: ¥3,630,000)
Fiscal Year 2026: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
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Keywords | トポロジカル相 / 量子統計力学 / 作用素環 / 量子スピン系 / 基底状態 / フェルミオン系 |
Outline of Research at the Start |
対称性を満たし,基底状態にスペクトルギャップを持ったハミルトニアンたちを考える.二つのハミルトニアンは, スペクトルギャップを保ちかつ対称性を保ちながら移り合う時,同値であると考える.SET相(symmetry enriched topological order)はこの分類における同値類のことである.本研究では空間次元二次元、三次元におけるSET相の分類問題を作用素環論の枠組みで解決する.さらに,異なる相の間にgapped domain wallと呼ばれるものがある状況の数学的構造を解明する.
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Outline of Annual Research Achievements |
Kitaev のquantum double modelと呼ばれるある可解模型のクラスは、トポロジカル相の基本的なモデルとなっている。トポロジカル相のエニオンと呼ばれる励起はsuperselection sectorと呼ばれる数学的対象によって記述でき、これはトポロジカル相の分類の不変量となっている。superselection sectorはalgebraic quantum field theoryにおいて古くから知られる概念であり、上記エニオンの導出もalgebraic quantum field theoryにならっている。algebraic quantum field theoryにおいてlocal algebra は常にtype IIIとなることから、一部の研究者は同じことをトポロジカル相について予想していた。しかし上記quantum double model についてはtype IIであることを示した。この論文を発表した。 2次元のフェルミオンのSPT相と呼ばれるものの分類の一般論を以前の論文で証明した。その際、不変量について場の理論から予想される結果に比べてある種の二重化が起きていることがわかった。一方で、場の理論においてはCRT対称性と呼ばれる対称性が自動的に成り立っているのに対して、統計力学モデルにおいてはそのような対称性はない。そこで、統計力学モデルにおいてCRT対称性をさらに仮定する、ということを行なってみたところ、得られた不変量が場の理論で予想されたものに帰着した。この論文を発表した。 二次元トポロジカル相においてKitevとKongによって予想されていたbulk-edge 対応を一般的な設定で厳密に示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Kitaev-Kongのバルクエッジ対応を一般的な設定で数学的に厳密かつ物理的に妥当な条件のもと示すことができた。さらに一般のgapped domain wallについてこの結果を拡張する必要があるが、これまでに得られた知見と観点を応用すれば可能であると考えられる。さらに、対称性を持つ場合のトポロジカル相(Symmety Enriched topological phase)の分類についても部分的にではあるが一般的な結果が得られている。Chiral central charge と呼ばれる不変量の導出についてはまだ手がかりが得られてはいないが、Kitaevによる提案のポイント(論文からだけではあまり明らかではない)を理解することはできた。
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Strategy for Future Research Activity |
2次元量子スピン系について以下を行う:1.Gapped boundary について得られた結果をGapped domain wallに拡張する.Gapped domain wallについてはさまざまな数学的構造があると予想されており, 圏論の知識を深めながらそれを行う. 2.エニオンは低エネルギー励起であるが,(場の理論による対応する状況から)それが有限種類のみである場合はより深い数学的理解が可能であると想像される.この状況の解析を行う.また,どのような時エニオンが有限個となるのか理解を深めたい.3.Stable gapped boundaryはirreducible moduleによって与えられると信じられているが,実際に対応するミクロな設定からこれら二つを結びつける結果は得られていない.これを我々のsuperselection sectorの枠組みの中で示す.4.symmetry enriched topological orderと呼ばれるトポロジカル相に対称性を課したものの分類問題を考える. 対称性によって,エニオンのpermutationが起こり、さらにfractionalizationと呼ばれる現象が起こると言われている.これまでの研究である設定の下ではpermutationは起こらず,fractionalizationのみが起こることはわかった.これをpermutationがある場合に拡張する. 5. PEPSとよばれるtensor networkのモデル群で一般にsuperselection sectorを導出する枠組みを開発する.6. Chiral central charge をgapped ground stateから導出する.
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