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水の波の数学解析の新展開

Research Project

Project/Area Number 23K22404
Project/Area Number (Other) 22H01133 (2022-2023)
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (B)

Allocation TypeMulti-year Fund (2024)
Single-year Grants (2022-2023)
Section一般
Review Section Basic Section 12020:Mathematical analysis-related
Research InstitutionKeio University

Principal Investigator

井口 達雄  慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (20294879)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2027-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2024)
Budget Amount *help
¥6,630,000 (Direct Cost: ¥5,100,000、Indirect Cost: ¥1,530,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Keywords水の波 / 内部波 / 変分構造 / 浅水波近似 / 流体-構造連成問題 / ハミルトン構造 / 初期値境界値問題 / 適切性 / 柿沼モデル / 進行波 / 極限波
Outline of Research at the Start

本研究は,海岸工学の分野で提唱された,水の波の基礎方程式系の変分構造を利用して導出されたモデル方程式の数学解析,および船舶などの浮体が水面上にある場合の流体-構造連成問題に対するモデル方程式の数学解析という二つの解析を主軸とし,それらに関連する偏微分方程式系の数学解析を行うものである.特に,その初期値問題の適切性や進行波解の族の大域的な構造の解明を目指しており,海岸工学への貢献を念頭においた数学分野の基礎研究である.

Outline of Annual Research Achievements

2023年度は以下の三つの研究を共同研究者と連携して行った.
1.水の波の内部界面波に対する柿沼モデルの研究をレンヌ大学(フランス)の Vincent Duchene 氏と行い,柿沼モデルは基礎方程式系の高次浅水波近似であることを理論的に証明した.特に,基礎方程式系の解と柿沼モデルの解との誤差評価およびそれぞれのハミルトニアンの誤差評価を導いた.この結果により,柿沼モデルは,これまで内部界面波の高次浅水波近似モデルとして知られていた Miyata‐Choi‐Camassa モデルよりも優れていることが保証された.この成果は1編の学術論文としてまとめられ学術雑誌への掲載が決定している.
2.水面上に浮体がある場合の浅水波モデルの初期値問題の研究,特に,浮体は固定されており,かつ浮体の側面が鉛直である場合の研究をボルドー大学(フランス)の David Lannes 氏と共同で行い,初期値が渦なしという物理的に自然な仮定の下,その適切性を証明した.この問題は非線形浅水波方程式に対する初期値境界値問題に帰着されるが,その境界条件は非特性的でなく,かつ境界行列のランクは一定でない.このような困難な状況下での適切性の証明は類を見ない結果である.この成果は1編の学術論文としてまとめられ学術雑誌へ投稿中である.
3.流体‐構造連成問題と関連し,接触線での解の特異性との類似性を鑑みて,重力下で吊り下げられた伸縮性を持たない紐の運動,特に,その初期値問題の研究を慶應義塾大学の高山正宏氏と行った.その運動方程式は双曲型非線形偏微分方程式系に分類されるが,紐の自由端で双曲性が退化しており,また張力の決まり方が非局所的になっているため既存の理論が適用できない.本研究では,重み付きソボレフ空間での解のアプリオリ評価を得ることに成功した.この成果は1編の学術論文としてまとめられ学術雑誌への掲載が決定している.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

ほぼ計画通りに研究は進展している.水の波の内部界面波に対する柿沼モデルの研究に関しては,2022年度の研究によりその適切性やハミルトン構造が解明されており,その成果は学術雑誌に掲載済みである.また,2023年度の研究により柿沼モデルが基礎方程式系の高次浅水波近似になっていること,さらに既存の高次浅水波近似モデルある Miyata‐Choi‐Camassa モデルよりも優位なモデルであることが解明され,その成果は学術雑誌への掲載が決定している.この研究に関しては当初の目的がほぼ達成できたといえる.流体‐構造連成問題に対する浅水波モデルの適切性の研究に関しては,浮体は固定されており,かつ浮体の側面が鉛直である場合に限定されているものの,その適切性が解明され,その成果は学術雑誌に投稿中である.さらに,本研究に付随する形で,重力下で吊り下げられた伸縮性を持たない紐の運動の研究も行い,その初期値問題の適切性の解明ための第1段階として,解のアプリオリ評価を導いた.その成果は学術雑誌への掲載が決定している.このように,着実に研究成果が得られている.一方,水の波の表面波に対する磯部‐柿沼モデルの進行波解の大域構造の研究については,学術論文にまとめるまでには至っていないものの,研究は順調に進んでおり,遅かれ早かれ学術論文にまとめるまでの成果が得られると考えている.

Strategy for Future Research Activity

今後も,水の波の内部界面波に対する柿沼モデルの研究,水の波の表面波に対する磯部‐柿沼モデルの進行波解の大域構造の研究,流体‐構造連成問題に対する浅水波モデルの適切性の研究,重力下で吊り下げられた伸縮性を持たない紐の運動の研究を共同研究者と推進する.
水の波の内部界面波に対する柿沼モデルの研究については,モデル方程式の解と基礎方程式系の解との関係を解明することを目指す.
水の波の表面波に対する磯部‐柿沼モデルの進行波解の族の大域構造の研究に関しては,そのモデルに大域的分岐定理が適用可能なことは既に示している.それにより分岐曲線に沿って進行波解を見ていくと,周期が無限大となり孤立波解に収束するか,周期が零に収束するか,解に特異性が現れるか,定常波解に戻るかのいずれかに分類される.実際には起こらないものを排除していき,周期極限波に収束するか,孤立波解に収束するか,孤立極限波に収束するかのいずれかになることを示すことを目指す.
流体‐構造連成問題に対する浅水波モデルの研究に関しては,浮体の側面が鉛直であり,浮体と水と大気が接する接触線の水平面への射影が剛体運動のみ許容される場合,および浮体の底面が鉛直方向のグラフとして表され,浮体の底面と水面が接触線において横断的であり,接触線の水平面への射影が自由境界になっている場合,それぞれの浅水波モデルを研究対象とし,それらの初期値問題の適切性を解明することを目指す.
重力下で吊り下げられた伸縮性を持たない紐の運動については,その線形化問題に対する初期値問題の適切性を示すことを目指す.
今後も引き続き,電子メールやZoomを用いて進捗状況の報告や研究討論を行い,研究を進めていく予定である.

Report

(2 results)
  • 2023 Annual Research Report
  • 2022 Annual Research Report
  • Research Products

    (7 results)

All 2024 Other

All Int'l Joint Research (4 results) Journal Article (3 results) (of which Int'l Joint Research: 2 results,  Peer Reviewed: 3 results,  Open Access: 1 results)

  • [Int'l Joint Research] レンヌ大学/ボルドー大学/フランス国立科学研究センター(フランス)

    • Related Report
      2023 Annual Research Report
  • [Int'l Joint Research] ルンド大学(スウェーデン)

    • Related Report
      2023 Annual Research Report
  • [Int'l Joint Research] レンヌ大学/ボルドー大学/フランス国立科学研究センター(フランス)

    • Related Report
      2022 Annual Research Report
  • [Int'l Joint Research] ルンド大学(スウェーデン)

    • Related Report
      2022 Annual Research Report
  • [Journal Article] A mathematical analysis of the Kakinuma model for interfacial gravity waves. Part I: Structures and well-posedness2024

    • Author(s)
      Duchene Vincent、Iguchi Tatsuo
    • Journal Title

      Annales de l'Institut Henri Poincare C, Analyse non lineaire

      Volume: 41 Issue: 2 Pages: 257-315

    • DOI

      10.4171/aihpc/82

    • Related Report
      2023 Annual Research Report 2022 Annual Research Report
    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
  • [Journal Article] A mathematical analysis of the Kakinuma model for interfacial gravity waves. Part II: justification as a shallow water approximation2024

    • Author(s)
      Duchene Vincent、Iguchi Tatsuo
    • Journal Title

      Proceedings of the Royal Society of Edinburgh: Section A Mathematics

      Volume: - Pages: 1-72

    • DOI

      10.1017/prm.2024.30

    • Related Report
      2023 Annual Research Report
    • Peer Reviewed / Int'l Joint Research
  • [Journal Article] A priori estimates for solutions to equations of motion of an inextensible hanging string2024

    • Author(s)
      Iguchi Tatsuo、Takayama Masahiro
    • Journal Title

      Mathematische Annalen

      Volume: - Issue: 2 Pages: 1919-1971

    • DOI

      10.1007/s00208-023-02786-5

    • Related Report
      2023 Annual Research Report
    • Peer Reviewed

URL: 

Published: 2022-04-19   Modified: 2024-12-25  

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