Project/Area Number |
23K22409
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Project/Area Number (Other) |
22H01138 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 12040:Applied mathematics and statistics-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
矢ヶ崎 一幸 京都大学, 情報学研究科, 教授 (40200472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
多羅間 大輔 立命館大学, 理工学部, 准教授 (30722780)
柴山 允瑠 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (40467444)
本永 翔也 立命館大学, 理工学部, 助教 (80962381)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥15,730,000 (Direct Cost: ¥12,100,000、Indirect Cost: ¥3,630,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
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Keywords | 力学系 / 可積分性 / 微分ガロア理論 / 逆散乱法 / ホモクリニック軌道 |
Outline of Research at the Start |
非可積分性判定は,ポアンカレの有名な制限3体問題の研究に見られるように,力学系の分野における古典的かつ重要な問題である.また,無限次元可積分系に関して膨大な研究が行われ,その理論も逆散乱法,広田の直接法,佐藤理論等へと発展している.一方,低次元力学系における非線形現象の理解は進んでいるものの,偏微分方程式系等の無限次元力学系に対しては多くの課題が残されている.本研究では,力学系の非可積分性に関する新たな理論を確立し,天体力学や幾何学的力学等における諸問題へ応用する.さらに,可積分系,特に偏微分方程式系の逆散乱法,また,常微分方程式系におけるホモクリニック軌道の分岐について新たな理論を構築する.
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Outline of Annual Research Achievements |
(i) 力学系の非可積分性 退化した平衡点をもつ3次元および4次元力学系がその平衡点近傍においてBogoyavlenskijの意味で解析的に非可積分であるための十分条件を与え,その結果をレスラー系と連立ファン・デル・ポール系に適用し,それらの退化した平衡点近傍における非可積分性を証明した.さらに,その十分条件を満たさない場合に対しても適用可能な,退化した平衡点近傍においてBogoyavlenskijの意味で有理関数型的に非可積分となるための十分条件を与えた.また,散逸的な2次元系を取りあげ,Bogoyavlenskijの意味で有理関数型的に非可積分となるための十分条件を与え,モース・ポテンシャルをもつ系などに適用し,結果の有用性を明らかにした. (ii) 可積分非線形偏微分方程式の逆散乱法 KdV方程式や非線形シュレディンガー方程式に代表される可積分非線形偏微分方程式を取りあげ,初期条件が有理関数型関数の場合に逆散乱法を適用する際に現れる線形シュレディンガー方程式あるいはZakharov-Shabat系がつねに求積可能であるための十分条件と必要条件を求めた.これらの常微分方程式が求積可能であれば,逆散乱法により偏微分方程式の初期値問題の解が求積的に求められ,逆に求積可能でなければ初期値問題の解は求積的に求めることはできない. (iii) ホモクリニック軌道の分岐 連立非線形シュレディンガー方程式を取りあげ,変分方程式が微分ガロア理論の意味で可積分となる場合とならない場合の相違について,多角的な視点から考察を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
力学系の非可積分性と可積分非線形偏微分方程式の逆散乱法に関しては当初の計画以上に進展した.その一方,ホモクリニック軌道の分岐に関しては,サドル・センター型平衡点に対するホモクリニック軌道の分岐に関する理論を構築するには至っていない.
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Strategy for Future Research Activity |
(i) 力学系の非可積分性に関しては,前年度に引き続き,精度保証数値計算を援用してMorales-Ramis理論により力学系の非可積分性を証明する方法を提案する.また,2重振り子など重要な力学系に対して適用し,その有用性を検証する.さらに,非線形性の弱い場合,連成の弱い2自由度ハミルトン系の摂動系,共鳴度2のBirkhoff標準形の非可積分性について研究を進める.幾何学的力学に関して,前年度に引き続き,Haineの代数的可積分性の研究以来進展のみられていない,等質空間上の測地流の非可積分性について解析を試みる. (ii) 可積分系の逆散乱法に関しては,KdV方程式に代表される空間1次元可積分偏微分方程式に対して,無限区間において無反射ポテンシャルに対して許容される散乱係数の特徴づけ,透過率が零とならないときの可積分偏微分方程式の解法の開発,無限遠点で解析的でないポテンシャルにの場合に求積的に可解であるための必要条件および周期境界条件の場合に求積的に可解であるための十分条件と必要条件を求める.また,有限自由度の可積分ハミルトン系に対して,可積分偏微分方程式に対する逆散乱法と類似な手法を構築する. (iii) ホモクリニック軌道の分岐に関しては,前年度に引き続き,サドル・センター型平衡点に対するホモクリニック軌道の分岐に関する理論の構築を試みる.また,連立非線形シュレディンガー方程式やGray-Scott方程式を取りあげ,精度保証数値計算を援用するなどして,ホモクリニック軌道の分岐について解析を行う.
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