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静電型イオンビームトラップによる精密分光の新展開:励起分子イオンの新奇蛍光の解明

Research Project

Project/Area Number 23K22465
Project/Area Number (Other) 22H01194 (2022-2023)
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (B)

Allocation TypeMulti-year Fund (2024)
Single-year Grants (2022-2023)
Section一般
Review Section Basic Section 14010:Fundamental plasma-related
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

斉藤 学  京都大学, 工学研究科, 教授 (60235075)

Project Period (FY) 2022-04-01 – 2025-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2024)
Budget Amount *help
¥13,260,000 (Direct Cost: ¥10,200,000、Indirect Cost: ¥3,060,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2022: ¥9,490,000 (Direct Cost: ¥7,300,000、Indirect Cost: ¥2,190,000)
Keywords再帰蛍光 / イオンビームトラップ / レーザー励起 / 分光計測
Outline of Research at the Start

励起分子や分子イオンの新たな脱励起過程として再帰蛍光放出が提案されている。これまでに申請者らは、静電型イオンビームトラップを用いた蛍光分光法によって、ナフタレンイオンから放出される再帰蛍光の検出に初めて成功した。
本研究では、他の分子イオンに研究の対象を広げ、再帰蛍光が分子イオン共通に生じる脱励起過程なのかを実験的に明らかにする。さらに、レーザー励起を用いた新たな測定法を導入し、再帰蛍光のメカニズムをより正確に表すモデルを構築する。

Outline of Annual Research Achievements

本年度の研究では、(i)静電型イオンビームトラップに蓄積したアントラセンカチオンからの再帰蛍光を測定すること、および(ii)トラップ内でレーザー励起したナフタレンカチオンからの再帰蛍光を測定し、その結果から再帰蛍光の時定数と内部エネルギーの関係を導出すること、を目指した。

(i)に関しては、アントラセンカチオンから放出される再帰蛍光の測定に成功した。測定した時間スペクトルから蛍光が10ミリ秒程度まで続くことを確認し、また、波長スペクトルから蛍光が775 nm付近にピークを持つことがわかった。1マイクロ秒以下の自然蛍光寿命よりもかなり遅い蛍光であること、およびピーク波長がアントラセンカチオンの第2励起準位から基底準位への蛍光波長に非常に近いことから、測定した蛍光がアントラセンカチオンの再帰蛍光であると結論できた。

(ii)に関しては、レーザーの迷光や反射光から生じるバックグラウンドを抑えきれず、前年度と同様に検出限界以上の再帰蛍光を観測することができなかった。そこで、レーザー励起したナフタレンカチオンからの熱解離中性粒子を測定し、その結果から内部エネルギー量を決定する実験を行った。その結果、トラップに蓄積しているナフタレンカチオンの内部エネルギーがトラップ蓄積4ミリ秒後で4.6 eVであると決定した。また、蓄積をさらに続けた後の20ミリ秒後にはナフタレンカチオンの内部エネルギーが4.3 eVまで冷却していることがわかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の目標であった、「複数種の分子イオンからの再帰蛍光放出を系統的に調べ、再帰蛍光が分子イオン共通に生じる脱励起過程なのかを実験的に検証する」に関しては、本年度はアントラセンカチオンから放出される再帰蛍光の測定に成功し、国際学会で発表することができている。また、もう一つの目標である「レーザー励起されたナフタレンカチオンの内部エネルギーと再帰蛍光時定数の決定」に関しては、内部エネルギーの決定まで研究を進めることができ、この結果も国内学会で発表している。おおむね計画通り研究が進んでいる。

Strategy for Future Research Activity

(i)のテーマに関しては、今年度まで、代表的な多環芳香族炭化水素(PAH)イオン(ベンゼン、ナフタレン、アントラセン)からの再帰蛍光を系統的に調べ、再帰蛍光が少なくともPAHイオン共通に生じる脱励起過程であることをほぼ検証してきた。今後、これらPAHイオンの置換体や異性体に研究対象を広げ、内部構造等の違いによる再帰蛍光の変化を調べていくことで、構築してきた再帰蛍光のメカニズムに関するモデルをより詳細に検討していく。

(ii)のテーマに関しては、レーザー励起によって同じ内部エネルギーに励起した場合に、通常の分子イオンとその置換分子イオンや異性体分子イオンで再帰蛍光放出に与える影響に違いがあるかどうかを探っていく。具体的には、ナフタレンカチオンとシアノナフタレンカチオンからのレーザー誘起による再帰蛍光放出を測定し、理論モデルから予想される再帰蛍光放出量の相違に関する研究を進めていく。

Report

(2 results)
  • 2023 Annual Research Report
  • 2022 Annual Research Report
  • Research Products

    (4 results)

All 2024 2023 2022

All Presentation (4 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results)

  • [Presentation] 静電型イオンビームトラップ内に蓄積したナフタレンカチオンの内部エネルギーの研究2024

    • Author(s)
      福崎利仁, 渡辺祐大, 間嶋拓也, 土田秀次, 斉藤学
    • Organizer
      日本物理学会2024年春季大会
    • Related Report
      2023 Annual Research Report
  • [Presentation] Detection of recurrent fluorescence from anthracene using an electrostatic ion beam trap2023

    • Author(s)
      J. Kusuda, R. Fukuzaki, T. Majima, H. Tsuchida and M. Saito
    • Organizer
      The 26th International Conference on Ion Beam Analysis and the 18th International Conference on Particle Induced X-ray Emission (IBA&PIXE2023)
    • Related Report
      2023 Annual Research Report
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] 静電型イオンビームトラップに蓄積した分子イオンの再帰蛍光の観測2022

    • Author(s)
      楠田淳之介
    • Organizer
      フォーラム21「イオンビームを用いた物理とその応用」研究会(第26回)
    • Related Report
      2022 Annual Research Report
  • [Presentation] 静電型イオンビームトラップを用いたアントラセンカチオンからの蛍光観測2022

    • Author(s)
      楠田淳之介,福崎利仁,間嶋拓也,土田秀次,斉藤学
    • Organizer
      日本物理学会2022年秋季大会
    • Related Report
      2022 Annual Research Report

URL: 

Published: 2022-04-19   Modified: 2024-12-25  

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