Application of laser-driven circularly polarized femtosecond soft-x-ray pulse to time-resolved x-ray magnetic circular dichroism measurement
Project/Area Number |
23K22468
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Project/Area Number (Other) |
22H01197 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 14010:Fundamental plasma-related
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
三浦 永祐 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, キャリアリサーチャー (10358070)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 淳 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (10436537)
大塚 崇光 宇都宮大学, 工学部, 助教 (30815709)
田中 真人 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 計量標準総合センター, 研究グループ長 (30386643)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,930,000 (Direct Cost: ¥6,100,000、Indirect Cost: ¥1,830,000)
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Keywords | レーザー加速 / 円偏光レーザー / 円偏光フェムト秒軟X線パルス / X線磁気円二色性測定 |
Outline of Research at the Start |
超短パルス高強度レーザーとプラズマの相互作用を利用した電子加速であるレーザー加速で発生する高エネルギー電子線を用いて、磁性体の分析、評価を可能とする光子エネルギーが1 keV近傍の円偏光軟X線パルスを発生する。X線パルス幅測定法を開発し、フェムト秒軟X線パルス発生を実証する。また、この円偏光フェムト秒軟X線パルスを用いて、フェムト秒レーザーによる磁性体の超高速消磁のダイナミクスを観測する。
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Outline of Annual Research Achievements |
超短パルス高強度レーザーとプラズマの相互作用を利用した電子加速であるレーザー加速では、加速電子群はレーザーとの相互作用により振動し、放射光の様に空間指向性の高いX線(ベータトロンX線)が同時に発生する。本研究では、磁性体の分析、評価を可能とする光子エネルギーが1 keV近傍の円偏光軟X線パルスを得るため、円偏光レーザーを用いたレーザー加速により円偏光のベータトロン軟X線パルスを発生する手法を提案し、その実証を目的としている。 ベータトロンX線発生の理論モデルによると1 keV近傍の軟X線発生には、65 MeV以上のエネルギーを持つ電子線が必要である。2022年度は円偏光レーザーを用いたレーザー加速により65 MeV以上の高エネルギー電子線を発生することを目指した。 レーザー電子加速に用いるチタンサファイアレーザーのパルスエネルギーを1 J(パルス幅40 fs)まで増強した。直線偏光のレーザーパルスをガス密度2E19 cm^-3のヘリウムガスジェットに集光照射し、最高エネルギーが 70 MeVで、ボルツマン分布状のエネルギー分布を持つ電子線を発生した。エネルギー分布の指標となる有効温度は15 MeV、50 MeV以上の電子数は1E6個と見積もられた。 電子加速実験と並行して、円偏光軟X線発生を実証するためのX線磁気円二色性(XMCD)測定系の設計を行なった。また、軟X線パルス幅測定手法について検討を行なった。固体にフェムト秒レーザーを照射すると、固体密度を維持したまま電子系の温度だけが数万度の固体とプラズマの中間状態である Warm Dense Matter (WDM)が過渡的に形成され、吸収端のシフトが起こる。フェムト秒の時間スケールで起こる吸収端シフトを利用したX線パルス幅測定法を考案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
レーザー電子加速実験には着手したが、年度途中でプラズマ発生用チャンバーの真空ポンプの故障が発生した。修理が出来なかったため、新規に真空ポンプの調達が必要となった。世界的な半導体不足の影響もあり納品に想定以上の時間を要したため、年度後半の大半は、電子加速実験を行うことができなかった。そのため、2022年度に予定していた円偏光レーザーを用いたレーザー電子加速実験は実施できていない。 一方で、円偏光軟X線パルス発生を実証するためのXMCD測定系の設計を前倒しで完了できた。また、フェムト軟X線パルス幅測定にWDM形成との相互相関を利用する手法を考案できた。この手法は2023年度以降に計画しているXMCD測定と同じ計測系を利用できるため、実験実施上でも利点があると考えている。 当初計画に対して遅れのある課題と前倒しで実施できた課題があり、全体として見れば当初計画に対しておおむね順調に進展していると評価している。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は円偏光フェムト秒軟X線パルス発生を実証することを目指す。円偏光レーザーを用いたレーザー電子加速実験を行い、高エネルギー電子線を発生し、同時に得られるベータトロンX線のエネルギー分布、収量等の特性を評価する。レーザーエネルギー、プラズマの電子密度、ガスジェット長、ガス種により電子線の特性を制御し、強磁性体の鉄、コバルト等の3d遷移金属のL吸収端がある700-900 eV領域のX線収量を増強できる条件を明らかにする。 円偏光レーザーを用いたレーザー電子加速で発生するベータトロン軟X線を用いてコバルト薄膜のXMCD測定を行う。XMCD測定の際にコバルト薄膜に印加する磁場方向を反転することにより、L2、L3吸収端での吸収率の増減が反転するXMCDスペクトルを得、円偏光軟X線発生を実証する。また、銅薄膜にフェムト秒レーザーを照射し、WDM形成がもたらす吸収端シフトに起因するL吸収端(~930 eV)近傍のX線吸収率変化を、X線、レーザーの遅延時間を変化させてポンプ・プローブ法で測定する。吸収率の時間変化からX線パルス幅を評価し、フェムト秒軟X線パルス発生を実証する。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)