Non-destructive tritium measurement for solid materials in fusion reactor by beta-ray induced X-ray spectrometry
Project/Area Number |
23K22470
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Project/Area Number (Other) |
22H01199 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 14020:Nuclear fusion-related
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
原 正憲 富山大学, 学術研究部理学系, 准教授 (00334714)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤丸 悟士 富山大学, 学術研究部理学系, 助教 (10420324)
阿蘇 司 富山高等専門学校, その他部局等, 教授 (30290737)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥15,080,000 (Direct Cost: ¥11,600,000、Indirect Cost: ¥3,480,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
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Keywords | トリチウム / 材料 / 定量測定 / X線スペクトル / ベータ線 / β線誘起X線 / 定量分析 |
Outline of Research at the Start |
固体中のトリチウムの定量測定はトリチウムを含む放射性物質の管理の観点から重要である。しかし,固体中のトリチウムを非破壊かつ非接触に定量測定する手法はない。本研究では固体中のトリチウムを非破壊かつ非接触に定量する手法の構築を目指す。 現在,固体中のトリチウムを非破壊かつ非接触に測定できる手法はベータ線誘起X線分光法のみである。この手法は固体中のトリチウムから放出されたベータ線が固体中の原子と相互作用することで発生するX線のスペクトルからトリチウムを定性的に分析する。本研究ではこの手法に対してシミュレーションを併用することで発展進化させ,固体中のトリチウム定量分析法として確立させることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
トリチウムにより汚染された装置を安全に管理するためには装置を構成する材料中のトリチウムを定量する必要がある。しかし,現時点では非破壊で固体中のトリチウムを定量測定する方法はない。β線は物質を構成する原子と相互作用をすることにより,X線を発生させる。X線は透過力が強いため,X線の測定により固体中のトリチウムを間接的に測定できる。この方法はβ線誘起X線分光法(BIXS)と呼ばれている。BIXSは現状では固体中トリチウムの定性分析にとどまっている。β線誘起X線スペクトル(BIXスペクトル)の形状は,固体中のトリチウム分布により変化する。BIXスペクトルを高精度に計算することにより,固体中のトリチウム分布を求めることができると考えられる。固体中のトリチウム分布が分かれば,シミュレーションにより装置の計数効率が計算できる。実測の計数率と計算により求めた計数効率より固体中のトリチウムが定量できる。 今年度の研究実績を述べる。トリチウム分布を変化させたときに観測されるBIXスペクトルを計算することで,トリチウムの検出できる深さがどの程度であるかを検討した。その結果,発生する特性X線の強度より50μm程度の深さまでに存在するトリチウムを検出できることが示された。この検出できるトリチウムの深さはトリチウムが存在する固体を構成する元素に依存し,原子番号が大きくなるに従い浅くなることが分かった。また,深さ方向の分解能は,固体を構成する元素の種類が多いほど高いことが分かった。深さ方向の分解能の向上を目指し,シミュレーションプログラムの修正を行った。この中には,計算体系の検出器に不感層による吸収を入れ,不感層の厚さを最適化することも含まれた。これにより,計算スペクトルは実測スペクトルをよく再現することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに,高精度でBIXスペクトルをシミュレーションできるプログラムとBIXを測定する装置を構築することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに,トリチウムのβ線により誘起され発生するBIXスペクトルのシミュレーションを広く行った。その結果,(1)深さ方向のトリチウム分布の分解能に対する固体元素の影響の知見を得ることができ,(2)X線吸収体として不感層の導入により高精度のスペクトルシミュレーションができるようになった。 今後の予定は,トリチウム含有試料からのBIXスペクトルの取得を進める。トリチウムは固体中を拡散することから,定期的にBIXスペクトルを測定してトリチウム濃度分布の変化に伴うBIXスペクトルの変化を確認する。変化が見られなくなった際のトリチウム分布は,測定範囲内の深さで濃度が一定と考えられる。拡散による濃度プロファイルを仮定し,BIXスペクトルの計算による再現を進める。 シミュレーション上での固体中のトリチウム分布の再現は,トリチウム分布のプロファイルをある厚さで区切りトリチウム濃度のヒストグラムを作り,ヒストグラムのビンごとにスペクトルを計算し結合することで行う予定である。各ビン毎のスペクトルに重み付けをして和をとることで任意のトリチウム分布をもつBIXスペクトルが計算できると考えている。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)