Research Project
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
核融合炉の炉心を構成する材料(タングステン)は、水素のプラズマにさらされると同時に、核融合反応で発生する高エネルギー中性子の照射を受けます。中性子の照射を受けると、結晶格子中の本来原子があるべき位置に原子が存在しない「空孔」やその集合体等の「格子欠陥」が導入され、徐々に性能が劣化していく恐れがあります。また、プラズマからタングステン中に溶け込んだ水素は、これら照射欠陥と結合することがわかっています。本研究では、世界で初めて水素が存在する環境下で中性子照射したタングステン中の格子欠陥の密度や大きさ、および水素蓄積量を詳細に調べ、核融合炉環境下での照射欠陥の蓄積に及ぼす水素の影響を明らかにします。