| Project/Area Number |
23K22507
|
| Project/Area Number (Other) |
22H01236 (2022-2023)
|
| Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
| Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
| Section | 一般 |
| Review Section |
Basic Section 15020:Experimental studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
|
| Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
川崎 真介 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 准教授 (20712235)
|
| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今城 想平 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 研究員 (10796486)
北口 雅暁 名古屋大学, 素粒子宇宙起源研究所, 准教授 (90397571)
樋口 嵩 京都大学, 複合原子力科学研究所, 助教 (90843772)
|
| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2026-03-31
|
| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
| Budget Amount *help |
¥16,900,000 (Direct Cost: ¥13,000,000、Indirect Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,630,000 (Direct Cost: ¥5,100,000、Indirect Cost: ¥1,530,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
|
| Keywords | 超冷中性子 / スピン偏極 / 中性子基礎物理 / 対称性 / 時間反転対称性 / スピン制御 |
| Outline of Research at the Start |
超冷中性子を用いた中性子電気双極子モーメント探索に用いるための偏極解析器を開発する。超冷中性子の偏極解析は磁気飽和した鉄薄膜が作る磁気ポテンシャルによるスピン依存透過率を用いて行われる。スピンフリッパーと組み合わせることにより、異なるスピン状態の超冷中性子数を計測することのできる検出器を製作する。製作したスピン解析器はTUCAN実験に用いられる。
|
| Outline of Annual Research Achievements |
中性子電気双極子モーメント(EDM)探索は、電磁場中に置かれた中性子のスピン歳差運動周期を高精度に測定することで行われる。この測定には、運動エネルギーが300 neV未満の超冷中性子(UCN: Ultra-Cold Neutron)が使用される。UCNのスピン偏極および偏極解析には磁場ポテンシャルが利用される。中性子は磁気モーメントを持ち、磁場から60 neV/Tの磁気ポテンシャルを受ける。たとえば、磁気飽和した鉄は約2 Tの内部磁化を有し、210 neVの物質ポテンシャルも持つため、UCNはスピンの向きによって90 neVまたは330 neVのポテンシャルを感じることになる。 そのため、鉄薄膜に入射するUCNの運動エネルギーを90~330 neVに調整することで、スピンの一方向成分は鉄薄膜で反射され、他方は透過する。この鉄薄膜とAdiabatic Fast Passage法によるスピン反転器を用いることで、透過させるスピン成分を制御可能である。 本研究では、電磁石による鉄薄膜磁化装置やスピン反転器の開発を行い、さらに鉄薄膜の最適化にも取り組んだ。鉄薄膜はアルミニウム箔やシリコン基板上に形成し、冷中性子やUCNを用いた偏極解析能の試験を実施した。その結果、偏極解析能とUCNの透過率のバランスを考慮した最適な膜厚として、90 nmが最適であることを見出した。また、鉄薄膜を磁気飽和させるために必要な外部磁場の強度についても、偏極解析能の違いから最適条件を決定した。 本研究で開発された偏極解析器およびスピン反転器は、UCNのスピン解析を高精度に行うことを可能にする。これらの成果は、TRIUMFにて進行中のTUCAN実験における中性子EDM探索に貢献するものである。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、スピン偏極解析器に必要な鉄磁化薄膜について、最適な膜厚および十分な偏極解析能を得るために必要な外部磁場の下限値を明らかにすることに成功した。また、Adiabatic Fast Passage法を用いたスピン反転器を2台製作し、その性能評価も完了している。これらの成果により、TRIUMFで進行中のTUCAN実験における中性子EDM探索に用いる超冷中性子(UCN)用スピン解析器の整備が完了した。UCN源の建設は当初計画より遅れEDM測定開始に至っていないものの、本研究の目的であったスピン解析の準備は整っている。
|
| Strategy for Future Research Activity |
カナダ・TRIUMF研究所で進められているTUCAN実験では、超冷中性子(UCN)を用いた中性子電気双極子モーメント(EDM)の高感度探索が行われており、本研究で開発したUCN用偏極解析器が本実験に使用される予定である。TRIUMFでは、2025年度中にUCN源の稼働が予定されており、2026年の加速器シャットダウン期間中に、UCN用偏極解析器のインストールを行い、EDM測定に向けた準備を整える。
|