巨大惑星の衛星系形成における初期条件と材料物質混合過程の解明
Project/Area Number |
23K22557
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Project/Area Number (Other) |
22H01286 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17010:Space and planetary sciences-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
大槻 圭史 神戸大学, 理学研究科, 教授 (00250910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末次 竜 大島商船高等専門学校, 一般科目, 准教授 (40737334)
田中 秀和 東北大学, 理学研究科, 教授 (00282814)
寺居 剛 国立天文台, ハワイ観測所, RCUH職員 (20624018)
吉田 二美 産業医科大学, 医学部, 准教授 (20399306)
杉浦 圭祐 東京工業大学, 地球生命研究所, JSPS特別研究員 (70846344)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
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Keywords | 衛星形成 / 巨大ガス惑星 / 巨大惑星 / トロヤ群小惑星 |
Outline of Research at the Start |
木星のガリレオ衛星など巨大ガス惑星の主要衛星は、惑星の形成段階で惑星周囲に形成される、周惑星円盤と呼ばれるガス円盤の中で、固体粒子が衝突合体を繰り返して形成されたと考えられている。固体粒子は太陽の周りを回る原始惑星円盤から周惑星円盤に供給されたと考えられるが、その過程の詳細は明らかでない。本研究は、複数のシミュレーション手法を用いた理論的研究により衛星材料物質の供給・輸送過程を調べ、探査機や望遠鏡による観測データと整合的な衛星形成過程を明らかにすることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、巨大惑星周囲のガス流からの抵抗を受けつつ周惑星円盤に降着する固体粒子の軌道数値計算により衛星材料物質の供給・輸送過程を明らかにすることである。今年度はまず、原始惑星系円盤から巨大惑星周囲に流れ込むガス流の解析を進め、周惑星円盤へのガス降着における諸量の惑星質量に対する依存性に着目して詳しく調べた。手法としては、我々が先行研究で用いたのと同様の流体シミュレーションコードを用い、惑星質量を幅広い範囲で変えてその依存性を明らかにした。その結果、ガス降着帯の動径方向の幅は惑星質量とともに増加すること、惑星質量依存性は惑星質量が小さい場合と大きい場合によって異なること等が明らかになった。本研究で得られたガス降着帯幅の結果をもとに、周惑星円盤へのガスの質量降着率の準解析解を導出した。この準解析式は今後の惑星形成モデルの構築において有用となり得る。以上の内容は査読付き論文として投稿、出版された。
また、木星衛星系への材料物質供給とも関連して重要である木星トロヤ群小惑星の起源に制約を与えることを目的として、そのサイズ分布データ解析研究を実施した。手法として、すばる望遠鏡の超広視野カメラHyper Suprime-Camで取得された木星L5トロヤ群の微小小惑星のサイズ分布を解析し、同様の方法で得られていた木星L4トロヤ群の微小小惑星のサイズ分布と比較した。その結果、サイズ分布のべき指数は誤差の範囲で一致し、これらが共通のメカニズムを経て捕獲されたという理論モデルと矛盾しないことが明らかになった。これは、現在木星に向かっているNASAの木星トロヤ群小惑星探査機Lucyによる探査に備えて、重要な知見となる。以上の内容は査読付き論文として投稿、出版された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
原始惑星系円盤から巨大惑星周囲に流れ込むガス流の解析に関する研究は、予定通りに進めることができ、査読付き論文として投稿、出版された。また、木星衛星系への材料物質供給とも関連して重要である木星トロヤ群小惑星の起源解明を目的として、そのサイズ分布データ解析研究を実施し、成果を査読付き論文として投稿、出版された。このほか、巨大惑星のリングおよび小惑星からの微粒子放出に関する査読付き論文に共著者として貢献し、論文が出版された。以上により、当初の予定以上に進展していると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、上で得られたガス流から受けるガス抵抗を考慮した固体粒子軌道数値計算を実施し、衛星材料物質の供給・輸送過程と、供給される固体粒子の周惑星円盤内での総質量等を明らかにする。また小惑星の観測研究についても国際共同観測提案が採択され観測が進んでおり、引き続き取り組んでいく。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)