鉱物クラスターを触媒とした惑星系形成環境でのC1化学
Project/Area Number |
23K22559
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Project/Area Number (Other) |
22H01288 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17010:Space and planetary sciences-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
荒川 雅 九州大学, 理学研究院, 准教授 (10610264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 順司 九州大学, 理学研究院, 教授 (60378536)
寺嵜 亨 九州大学, 理学研究院, 教授 (60222147)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2022: ¥9,750,000 (Direct Cost: ¥7,500,000、Indirect Cost: ¥2,250,000)
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Keywords | C1化学 / 反応素過程 / 鉱物クラスター / 惑星系形成領域 / メタン活性化 / 原始惑星系円盤 / 活性化エネルギー / 火星大気 / 脱水素 / イオン-分子反応 / 反応機構 |
Outline of Research at the Start |
惑星系形成領域の観測で様々な有機分子が発見され、その生成と進化過程の解明は星間化学研究の大きな課題の一つである。この問題に対し、工業化学や触媒研究で重要な、炭素数が1の化合物を原料に様々な化合物を相互に変換て創出するC1化学の知見を活用することを着想した。鉱物微粒子やクラスターを触媒としたC1化学が重要な役割を担ったのではないかとの仮説を立て、真空中に生成した酸化鉄、アルミナ、珪酸塩クラスターの反応観測に基づいて、その検証を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
惑星系形成領域での化学過程に加え、火星大気中での化学過程、特にメタンの急速な消失過程の解明を目的とし、C1化学の中でも酸化鉄クラスター正イオンとメタン分子との反応に着目して、特に室温での反応を観測した。通常のメタン分子CH4に加えて、重水素置換体CD4でも実験を行った 。ここで、生成・サイズを選別した酸化鉄クラスターFenOm^+には、微量のアルゴン付加クラスターFe(n-1)O(m+1)Ar^+が含まれていた。反応性が低かったため、生成物の計測感度を高める様々な工夫を施すことにより、生成物を観測した。精密な分析から、主に、メタン分子の吸着が起こり、それに引き続いて脱水素反応が進行することを観測した。クラスターのサイズ・組成に依存した反応性の変化を捉え、メタン吸着および脱水素反応の速度を見積もった。ここで、クラスターに他の分子を予め吸着させておくことで、メタンの吸着と脱水素反応が促進されることを見出した。探査車による火星大気中での観測結果と照らし合わせ、メタンの急速な消失過程における酸化鉄微粒子・クラスターの役割を検討している。また、反応のメカニズムを調べるため、量子化学計算を用い、酸化鉄クラスターとメタン吸着物の構造最適化計算を進めている。 さらに、酸化鉄クラスターだけでなく、珪酸塩クラスターやアルミナクラスターの生成とサイズ・組成分析を行うとともに、反応の活性化エネルギーを測定するための装置の改良の準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
酸化鉄クラスター正イオンとメタン分子との反応実験を推進し、火星大気中での化学過程に迫る成果を得た。また、装置改良の準備も順調に進んでいるため。
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Strategy for Future Research Activity |
メタンの吸着および脱水素反応の速度のサイズ・組成依存性を詳しく解析し、火星大気中メタンの急速な消失を説明し得るかを検討する。また、改良を行った装置を用い、酸化鉄を含め、様々な鉱物クラスターを触媒としたC1化学を推進する。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)