Project/Area Number |
23K22561
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Project/Area Number (Other) |
22H01290 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17010:Space and planetary sciences-related
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
臼井 寛裕 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (60636471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 亮一 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(高知コア研究所), 主任研究員 (50726958)
小池 みずほ 広島大学, 先進理工系科学研究科(理), 助教 (60836154)
黒川 宏之 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80713643)
上野 雄一郎 東京工業大学, 理学院, 教授 (90422542)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2024: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | 火星水環境 / 炭酸塩 / 硫黄化学種 / 揮発性元素同位体 / 火星アナログ物質 / XAFS分析 / 揮発性元素同位体組成 |
Outline of Research at the Start |
過去に液体の水(海)を保持していた火星は、表層水の消失と共に寒冷化・乾燥化していったことが明らかとなっている。本研究では、表層圏(水・大気)の記録媒体である炭酸塩に着目し、火星隕石および火星アナログ試料の炭酸塩に含まれる水素・炭素・酸素同位体比測定および酸化還元敏感元素である硫黄の化学種同定を行う。得られた化学データを申請者らにより開発された大気・表層水散逸モデルに適用することで、惑星表層環境・水環境システムを記述するうえで必須な指標である表層水量と表層酸化程度(大気酸素分圧など)の変遷を定量化する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画は、炭酸塩の地球化学的解析に基づき、火星表層に存在した流体の「【計画1】化学組成: Eh・pH・溶存イオン濃度(HCO3-, SO42-など)」、「【計画2】同位体組成:水素(D/H)・炭素(13C/12C)・酸素(17,18O/16O)」および、これら地球化学データを組み込んだ表層水・大気散逸計算に基づき、「【計画3】表層水の消失量と表層酸化(大気酸素分圧)との関連性」を明らかにする。 2022年度は、研究計画調書に記載の『研究計画1:局所XAFS(μ-XAFS)分析による火星表層成分の硫黄化学種同定』を進めた。一方、『研究計画2:SIMS・IR-MS分析に基づく表層水のD/H・13C/12C・17,18O/16Oの決定』に関しては、海外出張を含む計画の為、コロナ下での実施は見送った。 実施した研究計画1では、火星アナログ物質(スバールバル諸島、Bockfjord volcanic complex)に含まれる炭酸塩の硫黄XAFS分析データの解釈を進めた。結果、硫黄が、有機硫黄および大部分が硫酸イオンとして炭酸塩の炭酸イオンを構造的に置換した形で存在していることが明らかとなった。本研究結果は、国際学会LPSCにおいて発表した(Wang et al. 2023 LPSC)。 本研究成果の波及効果として、NASA・ESAが進める火星サンプルリターン計画への参画が挙げられる。代表者は国際公募により16名のMSR参加研究者に選定され、MSR計画の策定に従事した。その結果は、7本の査読付き国際誌(Astrobiology)に掲載された(Tait et al. 2022; Haltigin et al. 2022; Velbel et al. 2022; Grady et al. 2022; Tosca et al. 2022; Carrier et al. 2022; Maeyer et al. 2022)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
XAFS分析のための放射光施設(SPring-8)での分析時間を確保し、分析が予定通り行えたため。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度前半は、計画1に従い2022年度に取得したSPring-8でのXAFSデータ解析および論文の執筆に集中し、年度後半より計画2の準備を遂行する。
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