Mechanism of linear stationary convective systems and hierarchical structure of atmospheric disturbances that provide an environment favorable for these systems
Project/Area Number |
23K22566
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Project/Area Number (Other) |
22H01295 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17020:Atmospheric and hydrospheric sciences-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新野 宏 東京大学, 大気海洋研究所, 名誉教授 (90272525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 純至 東北大学, 理学研究科, 准教授 (00726193)
栃本 英伍 気象庁気象研究所, 台風・災害気象研究部, 研究官 (40749917)
廣川 康隆 気象庁気象研究所, 台風・災害気象研究部, 主任研究官 (90845885)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
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Keywords | 線状降水帯 / 積乱雲 / 梅雨前線 / 温帯低気圧 / 集中豪雨 / 梅雨 / 梅雨低気圧 |
Outline of Research at the Start |
しばしば集中豪雨をもたらす線状降水帯の停滞・維持メカニズムは、気象学上・防災上の重要性にもかかわらず依然未解明で残されている。本 研究では、長期間の気象庁解析雨量データから抽出した線状降水帯事例と客観解析データをもとにしたコンポジット解析により、線状降水帯を 生ずる総観規模擾乱の環境場と構造、線状降水帯に至る階層構造並びに線状降水帯のメソスケール環境場を解明する。さらに、コンポジット解 析で得られた総観場を初期値・境界値とした数値実験や感度実験・アンサンブル実験による感度解析、理想化数値実験など、多様な数値実験を 通して線状降水帯の停滞・維持メカニズムを解明し、予報可能性の検討を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、互いに密接に関連する3つのサブ課題、(1)線状降水帯の特性とメソスケール環境場、(2)線状降水帯を伴う低気圧・前線の構造とその環境場、(3)線状降水帯の停滞・維持メカニズムとその環境場に関する数値実験、で構成して各課題間の連携を図りつつ推進している。 (1)「線状降水帯の特性とメソスケール環境場」では、気象庁の解析雨量に関して、従来から広く使われてきた2006年以降の水平解像度1kmのデータに加えて、独自に1989-2001年の水平解像度5km,2001-2006年の水平解像度2.5kmのデータについても品質管理を行い利用可能とし、この長期間のデータを使って、3時間積算解析雨量の時空間連続性にもとづいて客観的に線状降水帯を抽出し、その妥当性や出現頻度の特徴を調べた。線状降水帯の出現頻度には長期的な増加傾向が見られたが、解析雨量の特性変化も考慮する必要があり、より詳細な検討が必要であることがわかった。また、日本領域再解析RRJ-Convによって表現された線状降水帯について統計解析に着手した。 (2)「線状降水帯を伴う低気圧・前線の構造とその環境場」では、このようにして抽出した線状降水帯事例について、長期の客観解析気象データから、1989年-2020年までの6、7月における、線状降水帯を起こす梅雨前線上の低気圧(以下梅雨低気圧)を客観的に抽出した。また同様に、線状降水帯を起こさない梅雨低気圧の抽出も行い、線状降水帯を起こす低気圧と起こさない低気圧の比較のための準備を整えた。 (3)「線状降水帯の停滞・維持メカニズムとその環境場に関する数値実験」では、2013年8月の秋田・岩手の線状降水帯事例の再現シミュレーションを行った。再現結果を解析し、この線状降水帯事例では、地形によるトリガーが重要であったことや降水帯のバックアンドサイドビルディング型の気流構造を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、上述のように3つのサブ課題で構成し、各課題間の連携を図りつつ推進してきている。 (1)「線状降水帯の特性とメソスケール環境場」では、当初の計画通り、従来から整備されている2006年以降の気象庁の水平解像度1kmの解析雨量データに加えて、独自に1989-2001年の水平解像度5km,2001-2006年の水平解像度2.5kmのデータについても品質管理を行って利用可能とし、この長期間のデータにもとづき、線状降水帯の出現頻度の経年変化を調べることができた。また、最近、整備された水平解像度5kmの日本領域再解析データRRJ-Convで解析された線状降水帯に関する統計解析の比較も行った。 (2)「線状降水帯を伴う低気圧・前線の構造とその環境場」では、当初の計画通り、線状降水帯を伴う梅雨低気圧と伴わなわない梅雨低気圧とを客観解析データから抽出し、両者の構造や環境場の違いを調べる準備を整えた。 (3)「線状降水帯の停滞・維持メカニズムとその環境場に関する数値実験」では、2013年8月の秋田・岩手の線状降水帯事例をシミュレーションで再現することに成功し、この線状降水帯が地形による励起されて停滞していたことやバックアンドサイドビルディング型の気流構造していたことを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)「線状降水帯の特性とメソスケール環境場」では、1989-2022年の期間で発生した線状降水帯が整備されたので、抽出された線状降水帯の構造を調べると共に,再解析データを用いて線状降水帯の環境場の特徴についても調べる.特に梅雨期に九州で生じる線状降水帯に着目して,その発生・発達に寄与する環境場の解明を目指す。 (2)「線状降水帯を伴う低気圧・前線の構造とその環境場」では、(1)で抽出した線状降水帯事例について、昨年度行った線状降水帯を生ずる梅雨低気圧のコンポジット解析によって得られた大気場を初期値・境界値として数値シミュレーションを行い、梅雨低気圧から線状降水帯に至る階層構造を明らかにする。また、同様のコンポジット解析を他の季節の温帯低気圧にも拡張する。 (3)「線状降水帯の停滞・維持メカニズムとその環境場に関する数値実験」では、昨年度より実施している線状降水帯の実事例の計算の解析を進めるともに、アンサンブルデータ同化手法を用いた領域再解析データにもとづく線状降水帯およびそのメソスケール環境場の抽出、さらにコンポジット場を用いた理想化実験を実施する。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)