Project/Area Number |
23K22577
|
Project/Area Number (Other) |
22H01306 (2022-2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17030:Human geosciences-related
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
片岡 香子 新潟大学, 災害・復興科学研究所, 教授 (00378548)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長橋 良隆 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (10292450)
Madhusoodhan SatishKumar (M Satish‐Kumar) 新潟大学, 自然科学系, 教授 (50313929)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥18,200,000 (Direct Cost: ¥14,000,000、Indirect Cost: ¥4,200,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2022: ¥14,040,000 (Direct Cost: ¥10,800,000、Indirect Cost: ¥3,240,000)
|
Keywords | 山体崩壊 / 岩屑なだれ / ラハール / 熱水変質 / 磐梯山 |
Outline of Research at the Start |
火山における大規模な山体崩壊と岩屑なだれ,およびそこから派生したラハール(火山泥流)や津波は,繰り返し甚大な被害をもたらしてきた。本研究課題は,岩屑なだれ堆積物とそれに関わるラハール堆積物の「基質相」に着目し,粘土(変質)鉱物,粘土含有量,全岩化学組成,硫黄・酸素安定同位体の特徴を明らかにすることで,崩壊直前の火山体における熱水変質環境を復元し,また,火山ガラスの有無や火山ガラスの化学組成も検討することで,噴火様式と崩壊との関係も明らかにする。火山体のどの部分が崩壊したのか,どの程度変質作用が進行した部分が崩壊したのかを探り,将来崩壊するとしたらどのような場所が想定されるのか,を検討する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,過去に繰り返し火山体崩壊を起こした福島県磐梯山に注目し,岩屑なだれ堆積物とラハール堆積物の基質部を多面的に分析し,山体崩壊時の山体内部の変質環境を再構築することから,崩壊の要因である山体内部の脆弱性の特徴を明らかにすることを目的とする。 今年度は,対象地域となる磐梯山周辺で野外地質調査を行い,過去約5万年間の岩屑なだれ堆積物とそれに連鎖して発生したラハール堆積物の記載と基質部の採取を行った。また,猪苗代湖で2021年に採取された,過去約4000年間に堆積した湖底コア堆積物中に挟まる岩屑なだれ堆積物の遠方層について,陸上の噴火や岩屑なだれとの対比を試み,その試料も検討した。 岩屑なだれ堆積物とラハール堆積物のそれぞれの基質部について,蛍光X線分析(XRF)により全岩化学組成を,X線回折装置(XRD)により鉱物組成を検討した。その結果,磐梯山における翁島岩屑なだれ堆積物,琵琶沢岩屑なだれ堆積物,1888年岩屑なだれ堆積物は,近接する火山である安達太良山のラハール堆積物にくらべ,硫黄含有量が低く,一部の試料でAl2O3含有量が高い。また,1888年岩屑なだれ堆積物は,北側に分布するものと南東側に分布するものとで,全岩化学組成と鉱物組成において若干異なることが明らかとなった。猪苗代湖底堆積物に挟まる1888年イベント層との比較から,北側に流下した岩屑なだれがラハール化したのち,湖底まで流入したことが考察された。さらに,岩屑なだれ堆積物やラハール堆積物の基質部から検出された火山ガラスの化学組成についても検討を行った。硫黄安定同位体分析については,硫黄含有量の低い磐梯山の試料ではなく,含有量の高い安達太良山の試料を先に扱うこととし,検討を進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度予定していた野外調査と試料採取および分析がほぼ実施できた。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は,磐梯山周辺に分布する岩屑なだれ堆積物とラハール堆積物に関して,再度試料採取が必要な地点について,調査と試料採取を行う。また,安達太良山や他の火山の堆積物との比較を試みる。XRF分析とXRD分析により特徴的な化学組成の検討と,粘土鉱物・変質鉱物の解析を,それぞれ行う。既に分析済みの安達太良山の噴出物やラハール堆積物については,硫黄安定同位体データの解析を進める。
|