Project/Area Number |
23K22597
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Project/Area Number (Other) |
22H01326 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17040:Solid earth sciences-related
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
春山 純一 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 助教 (40373443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
庄司 大悟 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 招聘研究員 (10831109)
藤本 圭一郎 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 研究開発員 (20446602)
野口 里奈 新潟大学, 自然科学系, 助教 (30792965)
下司 信夫 九州大学, 理学研究院, 教授 (70356955)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥7,670,000 (Direct Cost: ¥5,900,000、Indirect Cost: ¥1,770,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
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Keywords | 露頭 / 火山 / 地質調査 / 画像認識 / 特徴量抽出 / 自動認識 / 岩相 / 特徴量 / 野外調査 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、属人的な知識と経験および人力踏査に頼っていた露頭の記載・層序分類に対して、岩相の特徴量自動認識と可視化を行い、効率的なその場調査手法の開発を目指す。具体的には、1)聞き取りやワークショップにより、専門家の火山性露頭での岩相判断プロセスや基準を整理分類、それをもとに2)岩相の特徴的な地質テクスチャを認識、分類する岩相の特徴量自動認識アルゴリズムを開発、3)開発されたアルゴリズムを国内の露頭調査に適用検証し改良を行う。このアルゴリズムを可搬型計算機に搭載し、計算機上で岩相判断を行うことで、野外調査における岩相判断のための情報取得の効率化(迅速化、高精度化、自動化)を図ることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
地質学専門家らが露頭の見かけの特徴からその構造や構成物をどのように認識しているかを明らかにするために、代表的な火山性露頭の写真を提示して、その特性の判断傾向を調査した。調査は選択肢型の設問とし、22名の地質学専門家から回答を得た。その結果、露頭表面の色調とテクスチャに注目して岩相を判断していること、似たような色調・テクスチャが分布する領域の境界に注目していることが判明した。また、多くの地質学専門家の回答が同一傾向を示すことから、専門家による露頭認識には一定のパターンが確立されていることが推測された。これらの結果を、地質判断フロー図の改訂に役立てた。 一方、野外調査において取得した露頭画像に対して、画像解析によるテクスチャ特徴量の分類、地層境界線の強調表示のためのアルゴリズムを検討・開発し、実際に伊豆大島地層大切断面の野外調査において柱状図作成作業の効率化に繋がることを実証した。 露頭構成物質の野外での観察および議論により、地層判断基準・フローを明確化・言語化を進めた。これにより、アルゴリズム作成・改良で必要となる地質学研究者と情報科学研究者の認識が共有できた。野外では並行して、画像解析アルゴリズムが実装されたWebシステムの試験運用や生成された地層境界線およびテクスチャ分類の評価を試行した。以上により、アルゴリズム妥当性の検証および改良点探索の下地が整った。 昨年度(2022)の成果は、国内学会JpGUにて発表された。また、今年度の成果についても、JpGUにて発表すると共に、論文化の準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
地質学専門家らが露頭の見かけの特徴からその構造や構成物をどのように認識しているかといった岩相の特徴量抽出プロセスの調査を実施し、昨年度作成していた露頭地質判断のフローの適用性の確認は順調に進んだ。 平行して、露頭特徴量抽出のアルゴリズムの改良が順調に進んだ。具体的には、野外調査で得られた画像データについて、岩石や地層写真のセグメンテーション、セグメントごとの色やテクスチャ情報(GLCM等)算出、それをもとにしたクラスタリングによる岩石や地層の分類、加えて層間境界線の画像認識についての基本アルゴリズムの開発とロバスト性向上のための改良を行った。さらに複数人の野外調査者が個別に撮影した画像の特徴認識を効率的におこなうためのWebシステムを構築した。それを用いて、伊豆大島地層大切断面における野外調査に適用し、柱状図作成作業の簡易化や効率化に繋がることを実証するに至った。 また、伊豆大島の地層大切断面およびトウシキ遊泳場において露頭構成物質を観察し、粒度や級化構造、色調など視覚情報に基づいた判断基準を作成し、昨年に引き続いて地層判断の明確化・言語化を進めた。並行して、画像解析アルゴリズムが実装されたWebシステムの野外での使用や、生成された地層境界線およびテクスチャ分類の評価も試行した。これにより、アルゴリズム妥当性検証・改良への下地が整った状況に至っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、 1)火山地域に出現し得る様々な岩相に対応した岩相認識のための露頭観察のフローチャートを完成させるとともに、実際の地質学専門家の野外調査における岩相識別作業との比較検討を行い、岩相認識において着目すべき特徴量や識別の思考順序等を整理する。この整理をもとに、また平行して、 2)これまで改良を重ねてきた特徴量抽出処理の基本アルゴリズムが様々な溶岩や地層に対してロバストに適用できることを把握し、課題が生じたら解決することで、岩相の特徴認識アルゴリズムの適用範囲を拡大する。また、湾曲や不整合が見られない比較的単純な地層に対しては、画像認識アルゴリズムで定量的な根拠に基づいて描いた層間境界線を元に層厚分布を算出する等の、定量的根拠に基づいた統計量を大量の画像に対して算出できることなどの価値を見出すことで、従来法ではできなかった野外調査手法の提案に繋げる。 3)開発したアルゴリズムを可搬型計算機に搭載し、野外調査のその場での適用を行う。 以上のように、本研究で開発を進める野外調査法を、実際の野外調査のその場で適用したうえで、その実用性と有効性を、確認していく作業を行う。特に今年度は、画像解析を単純から複雑なケースへと適用できるように画像選別・整理を行い、地層断面の見取り図作成を自動的に行う一連のアルゴリズム(プログラム)改良に資する。また、本研究成果を、学会において発表し議論に付すと共に、論文として発表する。
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