Deep Earth evolution constrained by elemental partitioning using first-principles calculations.and tungsten isotope
Project/Area Number |
23K22598
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Project/Area Number (Other) |
22H01327 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17040:Solid earth sciences-related
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
鈴木 勝彦 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海洋機能利用部門(海底資源センター), センター長 (70251329)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 卓久 愛媛大学, 地球深部ダイナミクス研究センター, 教授 (70403863)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
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Keywords | 第一原理計算 / 分配 / 核-マントル相互作用 / タングステン同位体 / 化学進化 / 元素分配 / 強親鉄元素 / 白金族元素濃度 / 深部地球の化学進化 / マグマオーシャン |
Outline of Research at the Start |
核-マントル間での物質的やりとりに関しては,直接的情報を得る方法が限られているために十分な理解が進んでいない。その状況で,親鉄性元素であるタングステン(W)は中心核の情報をマントル上昇流で入手可能な地表まで運ぶことが期待できる数少ない元素である。特にその同位体は,地球の核-マントル間の進化に関する重要な情報を提供する。 本研究では,マントル深部起源の岩石に対し,高精度W同位体比を得て,時代変動を丁寧に追う。一方,ケイ酸塩メルトと液体鉄間でのHf-Wの分配を決めることによって,W同位体を起こすプロセスを明らかにする。2つの知見を総合的に解釈し,判然としない核-マントル相互作用の様態を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
高精度のタングステン同位体比を得るために,化学分離を大幅に改良し,基礎的なデータを得ることに成功し,それを論文として公表した(Kashiwabara et al., 2024)。これまで,多検出器型ICP-MSでの測定の際に妨害元素の原因になる陽イオンを,陽イオン交換樹脂に吸着させることで除去していたが,陰イオン交換樹脂を連続で使うことによって,タングステンを保持したまま,陽イオンを流す出す方法となった。結果として,確実に高い回収率でタングステンの回収が可能となった。 南極大陸の太古代の珪長質岩について,開発した手法を適用したところ,182Wに現代の上部マントルに比べて負の異常値が得られた。これまで珪長質な岩石に関しては,タングステン同位体比の分析結果がほとんど無かったが,本研究で得られた結果を以て,初期地球のタングステン同位体比の変動モデルに新しい知見を加える。 ほかに中国のLarge Igneous Provinceである峨眉山の玄武岩試料について,異常値が現れないことも明らかになった。 本研究の重要な柱である第一原理計算による,地球初期のマグマオーシャンを想定した溶融鉄と溶融岩石との間のハフニウム,タングステンの分配計算結果が得られた。圧力,化学組成にかかわらず,ハフニウムは親石性を,タングステンは親鉄性を示すことがわかった。これによって,地球の岩石の182W同位体の異常値は核-マントル相互作用における分配に制約されることが強く示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記した以下の項目について, ① W同位体分析手法の改良(鈴木)に関しては,上記のように達成され,改良した手法に関しては,Journal of Atomic and Analytical Sciencesに公表された。 ②,③ 試料入手・採取(鈴木)に関して,対象試料は以下の試料は,研究協力者からの入手し,(1),(2),(3)について分析結果が出て,論文セ作成に取りかかっている。(1)38億年~34億年前までのIsua,Komati,Pilbara のコマチアイト,[東北大・掛川教授],(2)中国・東Hebei地域の34.5億年前の最古の鉄質ピクライト[中国地質大Wang博士],(3)33億年前のインドDharwar,Singhbhumのコマチアイト[新潟大Satish-Kumar,Hyderabad 大Jayananda 博士],(4)35億年~24億年前の南極の氷河堆積物(diamictite) [中国地質科学院Wang 博士],(5)27億年~25億年前のLuxi緑色岩帯のコマチアイト,Wutai-Hengshan変成岩[北京大Chen 博士]。試料記載,W同位体分析(鈴木)に関しては,②に記したとおり。W同位体分析を行った。 ④ 第一原理計算によるHf,W 分配制約(土屋)によって,上記岩石処理と並行して,統計力学的手法である熱力学積分法(Kirkwood, 1935)を第一原理分子動力学計算法に組み合わせた独自の手法を高度化した。それによって,ケイ酸塩メルトと液体金属間でのW・Hfの分配特性,またそれらへの温度,圧力,酸化還元状態の効果について高精度計算を実行する。
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Strategy for Future Research Activity |
タングステンの化学分離に関する論文はが公表され,この高くて安定した回収率を実現する方法を対象試料に適用して182W同位体データの充実を図る。 得られた結果を論文としてまとめ,本研究のデータから得られる初期地球の進化モデルの妥当性に関してさらに検討し,モデルを改良する。また,学会での発表によって受けたコメントを振り返り,研究の修正を行っていく。 第一原理計算に関しては,WO2とHfO2の結果が得られた。より岩石中での化学系に近いHfO3についても計算をベースに親石性,親鉄性を議論する。
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Report
(1 results)
Research Products
(18 results)