Constraints on the Earth's water budget by hydration and dehydration reactions in island arc mantle materials
Project/Area Number |
23K22603
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Project/Area Number (Other) |
22H01332 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17040:Solid earth sciences-related
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
森下 知晃 金沢大学, 地球社会基盤学系, 教授 (80334746)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 亮 京都大学, 理学研究科, 准教授 (10324609)
牛久保 孝行 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(高知コア研究所), 主任研究員 (10722837)
清水 健二 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(高知コア研究所), 主任研究員 (30420491)
水上 知行 金沢大学, 地球社会基盤学系, 助教 (80396811)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
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Keywords | プレートテクトニクス / 島弧マントル / カンラン岩 / 鉱物の脱水ー加水 / 地球の水循環 / 含水量 / 島弧 / 流体包有物 / 海洋プレート変質 / 無水鉱物 / 鉱物の加水ー脱水 |
Outline of Research at the Start |
地球が他の太陽系の惑星と比較して固有の特徴を持つ理由は地球表層における液体水の存在が考えられるが,地球の水循環に大きな影響を及ぼしているテクトニクスの一つにプレートの沈み込みが上げられる。プレート沈み込みの水循環に関しては,島孤火山活動によるアウトプットの研究例は多いが,地下深部,特にマントル中の水存在形態や含水量については実測データがない状況である。そこで,本研究の目的は,プレート沈み込みにおける水循環を理解するために,島孤火山に捕獲されたマントル由来カンラン岩捕獲岩の水存在形態,含水量を測定し,地球の水循環プロセスにおいて物質科学的データから制約を与えることである。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的:プレート沈み込み直上の島弧深部のマントルでの水循環について物質科学的にアプローチするために、本研究では島弧マグマに捕獲されたマントル由来岩石に着目し、流体包有物や無水鉱物中の含水量の測定などを進めている。研究対象試料は、台湾―フィリピンに南北に分布するルソン火山弧を中心に、オフィオライトなどの物質も比較対象のために解析を進めている。 マントル由来捕獲岩岩中の流体包有物:これまで我々の研究によって台湾東部に分布する火山岩中のカンラン岩捕獲岩の流体包有物には含水メルトや水成分を主体とする流体が存在することが明らかとなった。今年度は、フィリピンのピナツボ火山に捕獲されたカンラン岩について検討を行った。その結果、従来報告されていたような塩素を含む流体は研究対象とした3つの試料全てから確認され、その普遍性が明らかとなった。流体包有物の頻度は台湾の試料と比較して圧倒的に多い。 マントル由来捕獲岩中の無水鉱物(カンラン石)の含水量測定:全ての研究対象試料に普遍的に含まれている最も多い鉱物がカンラン石である。そこで、カンラン石について、台湾、フィリピン・ピナツボ火山の捕獲岩について測定を行った。その結果、含水量に関しては、ほぼ均質で、10ppm以下程度の極めて低い濃度であることがわかった。これは、流体包有物の絶対量の違いにも関わらず同じであることから、捕獲岩として採取された温度・圧力条件での水―カンラン石の分配に支配され、低い濃度であることを実証したことになる。これらの成果は、マントル中に流体が供給された場合、含水鉱物の形成条件よりも高い温度である場合、流体はマントル中にほとんど含まれず移動することを意味すると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでの我々の分析によって、ルソン島弧深部下のマントル起源物質中のカンラン石中に含まれる含水量が極めて低いことがわかった。そのため、地球の上部マントルにおいても、最も含水量が少ないと思われる海洋プレート下で部分溶融を受けたと思われるマントル物質との比較が必要となった。そこで、2024年度にインド洋で海洋プレート由来物質が採取される可能性が高い航海に参加し、これらの試料を同様の方法で測定し、比較検討することとなった。そのため、新たな試料を得て、解析を行う期間が必要となった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで、台湾―フィリピンにかけて南北に分布するルソン火山弧中のマントル由来捕獲岩の研究を続けている。台湾とフィリピン・ピナツボ火山岩中に捕獲されているマントル由来岩石は、流体包有物の種類には同一性があるが、その絶対量に大きな違いがあることがわかった。しかしながら、無水鉱物であるカンラン石の含水量はいずれも極めて低い値であった。これらの結果を含めて、以下の点を行なっていく。 より島弧深部由来と思われる流体の影響を強く受けているフィリピン・イラヤ火山岩中の捕獲岩について流体包有物の測定とその頻度の検討、および、カンラン石中の含水量の測定。これらの結果とこれまでの結果を比較することで、ルソン火山弧下の流体移動とそれらとの反応についての一般性と多様性を比較することができる。 カンラン石中の極微小結晶相の特徴と意義について、これらの島弧下由来マントル起源捕獲岩には、カンラン石中に微小なスピネルとそれらに伴うナノスケールの微小結晶相が含まれている可能性が指摘できる。そこで、透過型電子顕微鏡を用いてこれらの相の決定と、結晶包囲の関係を明らかにすることで、これらの微小相の形成メカニズムと、元々の流体成分の分布などに与える影響について検討する。 海洋プレート下由来マントル起源物質中の流体包有物・含水量測定を行う。今年度はインド洋において海洋底試料採取を行う調査航海に参加することとなった。そのため、これらのマントル由来物質について同様の分析を行うことで、島弧深部由来の物質と比較を行い、マントルの含水量について定量的に検討を行う。 上記のデータを総合的に検証し、ルソン火山弧下で起きているプレート沈み込み流体の影響によるマントル物質中での水移動・水成分貯蔵について検討する。
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Report
(1 results)
Research Products
(15 results)