海底地殻変動観測による宮古・八重山諸島南方沖でのプレート間固着の推定
Project/Area Number |
23K22606
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Project/Area Number (Other) |
22H01335 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17040:Solid earth sciences-related
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
原田 靖 東海大学, 海洋学部, 講師 (00366064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宗林 留美 静岡大学, 理学部, 准教授 (00343195)
佐柳 敬造 東海大学, 海洋研究所, 准教授 (40332308)
生田 領野 静岡大学, 理学部, 准教授 (60377984)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥18,070,000 (Direct Cost: ¥13,900,000、Indirect Cost: ¥4,170,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥13,520,000 (Direct Cost: ¥10,400,000、Indirect Cost: ¥3,120,000)
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Keywords | 海底地殻変動 / GNSS-A / プレート間カップリング / 琉球海溝 / 1771年八重山津波 / えい航ブイ / 音響測距 / GNSS-音響結合方式 / 宮古島 / プレート境界 / 駿河湾 / 宮古深海平坦面 / キネマティックGNSS |
Outline of Research at the Start |
本研究ではGNSSと音響測距を組み合わせたGNSS-A観測システムにより海底の地殻変動を計測し、琉球海溝南端部のプレート間の固着状態の把握を目指すものである。 GNSS-A観測システムとして、高速でえい航でき、軽量コンパクトなえい航体システムを新しく開発する。琉球海溝南端部では1771年に1万人以上の犠牲者を出した巨大な八重山津波が発生しており、琉球海溝のプレート境界型地震はその波源候補の一つである。開発したシステムを用いて宮古諸島沖プレート間固着を調査し、巨大海溝型地震を発生させるプレート間固着があるのかどうかを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度、海底局の宮古島南沖海域への投入を実施し、一回目の測位を行った。 海底局の投入は宮古島南方沖、琉球海溝から約30kmの宮古深海平坦面上に設置した。海底局の一回目の測位を開発したえい航ブイを用いて12時間かけて行い、高品質の音響測距データを得た。この音響測距データをえい航ブイのGNSSデータ、ジャイロコンパスのデータとあわせて解析して海底局位置を得た。今後プレート境界の固着の有無を反映した海底局の移動を監視する上で、最初の基準位置が十分な精度で得られた。 宮古島沖海域への海底局の投入および測位は、民間の漁船をチャーターして行った。現地へのブイの輸送・船に積載しての現場海域への移動・えい航による海底局測位を通して、作成したブイの汎用性と頑健性の高さを確認できた。えい航ブイのえい航性能、得られたデータの品質は申し分なかったが、現状の25kgという重量は揺れる船の上で1-2名で扱うにはまだ重く、「安価でかつ誰が実施しても高品質のデータを取得できるシステム」として、さらなる軽量化、小型化が有効であることを確認した。 宮古島沖の観測と平行し、ブイの改良のために申請者の研究拠点である駿河湾において実海域実験を繰り返した。この結果、25kgだったブイが13kgに軽量化し、より安定した姿勢でえい航できるようになった。更に浮体の材質を検討しなおし、音響信号に混入する雑音を従来比で1/3程度に抑えられた。駿河湾ではプレート境界の上盤側に設置した海底局を、繰り返し9回測位した。この結果、本手法では従来の、船に取り付けたポールに送受信装置を設置した音響測距システムに比べ、1/2程度の観測時間で同等の繰り返し精度で測位ができていることが明らかになった。チャーター船+えい航ブイによる廉価システムにより、船底に送受信装置を取り付けた専用船システムに近い精度の測距が実現できつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度に生じた海底局の納品の遅延により、海底局の海域への投入が先送りになり、この分すべての観測計画が後ろにずれたため。えい航ブイの開発はおおむね順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究はGNSS-音響結合方式による海底地殻変動観測のためのえい航ブイシステムの開発と、宮古島南方沖のプレート境界の固着の有無の観測の両輪からなる。えい航ブイシステムは初回の観測を経ていくつかの要改良点が見つかったため追求し、改善しつつある。それは以下の3点である。1.船上で1-2名で扱うにはブイがやや重かった点、2.曳航時に左右に姿勢が傾きやすかった点、3.ジャイロコンパスへの電源供給が不安定だった点。 宮古島南方沖における観測については、初回の海底局位置が定まったため、この点を基準とし、次年度以降、繰り返し測位を行って位置の変化を調査する。予算の制約上、年1回ずつの観測を行い、事業期間全体で合計3回の海底局測位を行って移動速度を見積もる予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)