Project/Area Number |
23K22689
|
Project/Area Number (Other) |
22H01418 (2022-2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 19020:Thermal engineering-related
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
田口 良広 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (30433741)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 慎 名古屋大学, 未来社会創造機構, 特任助教 (20847016)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
|
Keywords | 熱物性 / 拡散係数 / 光誘起誘電泳動 / 液滴 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、夾雑物が存在する実在系において、特に夾雑物の種類や割合が異なり、化学反応時間も個々に異なるようなナノバイオ試料の大規模並列分散処理を対象として、光誘起誘電泳動によるナノバイオ試料を内包した極微量液滴のマニピュレーション技術と拡散係数センシング技術を融合し、革新的なLab-in-a-Dropletを創製する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、熱物性工学に基づき、ピコリットルオーダの極微量液滴内において、エクソソームなどのナノバイオ試料の分離・濃縮・混合・分析を小型・安価な樹脂製チップで実現し、Lab-in-a-Droplet(液滴内統合分析システム)を世界に先駆け実現することである。開発する樹脂製マイクロ熱流体デバイスは、光誘起誘電泳動を用いて液滴内ナノバイオ試料および液滴自身を高い自由度でマニピュレーションし、夾雑物の分離とナノバイオ試料の濃縮・混合ならびに拡散係数モニタリングによる構造分析を同時に達成する。2023年度は、液滴内統合分析システムの実用化を目指し、特に「濃縮」に着目して開発を行い、以下の成果を得るに至った。 (1)ナノバイオ試料の濃縮技術の開発:バイオマーカーとなるエクソソームなどのナノバイオ試料は体液中の濃度が薄いため、分析を行うためには濃縮が必要不可欠である。照射する励起光の干渉縞を動的に変化させナノバイオ試料を濃縮する技術を開発した。 (2)液滴内分離技術の開発:前年度に開発したナノ構造アンテナを用いて、液滴内から夾雑物のみを排出させる新しい精製技術を開発した。ナノ構造アンテナをマイクロ流路に高い精度で印刷する技術を開発し、液滴試料への適用性を実験的に明らかにした。ナノ構造アンテナにより液滴内に非常に強い光誘起誘電泳動が励起されていることが観察の結果明らかとなった。 (3)プレ濾過を実現するマイクロ熱流体デバイスの開発:人体から抽出した体液には非常に大きな夾雑物が混在する。Lab-in-a-dropletにおいては、デバイス前段においてこれら巨大な夾雑物を濾過する必要がある。そこでクロスフローによるプレ濾過が可能な樹脂製デバイスを開発した。クロスフロー濾過に必要な多孔膜や光誘起誘電泳動用膜は、本研究で新しく提案するボンディング方法によってデバイス内に内包可能であることを示した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度は、当初計画していた研究実施項目について、全ての目標を達成することができた。さらに、マイクロ流体デバイス開発において新しいボンディング手法を開発することに成功した。特に、従来技術では接合が困難な樹脂基板において、前処理を行うことで高い接合強度でボンディング可能な簡便な手法を考案することができた。また、フェムト秒レーザーを用いたナノ構造アンテナの造形に関して、マイクロ流体デバイス内に非常に高い精度で構築できるアライメント手法は、様々なマイクロ流体デバイスへの応用展開が可能である。以上のことから、当初の計画以上に進展しているといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
液滴内統合分析システムの実用化を目指し、大規模並列分散処理に展開するためには、複数液滴を光誘起誘電泳動によって同時並列にマニピュレートする技術が必要不可欠である。そこで、マイクロ流体デバイスの微小チャネル内に存在するpL液滴を顕微カメラによってリアルタイムモニタリングし、液滴の位置情報を画像解析によって抽出する。また、ガルバノスキャナーを用いた複数レーザーの同時多点照射システムを開発し、大規模並列分散処理が可能な光誘起誘電泳動システムを構築する。妥当性の検証として、複数種のナノ試料が混在する液滴についてシーケンシャル測定を行い、大規模並列分散処理における処理性能や分解能、精度を解析的・実験的に明らかにする。
|