エネルギー条件に立脚した自己同期現象の原理解明と振動機械の合理的設計法の構築
Project/Area Number |
23K22703
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Project/Area Number (Other) |
22H01432 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 20010:Mechanics and mechatronics-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森 博輝 九州大学, 工学研究院, 准教授 (50451737)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末田 美和 埼玉大学, 理工学研究科, 助教 (40981577)
宗和 伸行 九州大学, 工学研究院, 助教 (40304753)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥13,390,000 (Direct Cost: ¥10,300,000、Indirect Cost: ¥3,090,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,540,000 (Direct Cost: ¥5,800,000、Indirect Cost: ¥1,740,000)
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Keywords | 自己同期現象 / 非線形振動 / 自励振動 / エネルギー / 安定性 |
Outline of Research at the Start |
非線形自励系で生じる回転型振動子の自己同期現象については,現象の特性と系パラメータの関係の把握に適した解析手法の整備が十分には進んでおらず,その発生原理の解明や効率的な応用には困難をともなう. 本研究課題の予備検討において,基本的な回転型振動子の自己同期現象に対するエネルギー条件の導出とそれに基づく解析を試みたところ,同期状態の振動特性を解析的に把握しつつ効率的に系を設計できることが示された.本研究課題では,この解析手法を拡張するとともに振動機械の設計に適用して有効性を検証する.これが達成されれば,物理的見地に基づく自己同期現象の原理解明と振動機械への応用を同時に実現できる可能性が高い.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題の目的は,散逸エネルギー条件と自己同期エネルギー条件を記述する2本のエネルギー的な条件式に立脚した解析により,2個の不釣り合いロータ(回転型振動子)に生じる自己同期現象の原理を解明するとともに,この現象を用いた振動機械の合理的な設計手法を構築することである.これまでに,振動搬送機に相当する3自由度系,不釣り合いロータを搭載する剛体が直交する2方向に並進自由度を有する4自由度系,および剛体が直交方向の並進自由度に加えて回転自由度も有する5自由度系に対して,以下の検討を行った. まず,3自由度系については実験装置を作製し,被搬送物を載せていない基本的な状態に関する実験と解析を実施した.その結果,実験結果と解析結果はよく一致しており,実際の振動機械に近い構造を有する系においても,上述の2本のエネルギー条件式を用いてパラメータが自己同期現象の特性に及ぼす影響を見通しよく把握できることが示された.その過程では,本研究課題で整備を進めている解析手法を用いることによって,自己同期現象発生時の振動数だけでなく系の振幅についても見通しよく把握できる可能性が高いことが新たにわかった. 4自由度系については,円運動するシェーカー等の振動機械に対応する実験装置の作製を進めるとともに,それと並行して解析手法の拡張(エネルギー条件式の導出ならびにそれを用いた解析の定式化)に関する予備検討を実施した.これらはいずれも順調に進捗しており,4自由度系に対する本格的な検討に取りかかる準備が完了しつつある. 5自由度系については,解析面における検討を先に進めた.その結果,この系に対してもエネルギー条件に基づく解析手法を問題なく拡張できることを確認できている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
振動搬送機に相当する3自由度系については,実験装置の作製および解析手法の定式化のいずれについても比較的順調に進んでいるが,被搬送物の影響を考慮した検討にまでは至っていない.一方,より高い自由度を有する4自由度系および5自由度系に関する予備検討は当初の予定よりも進めることができた.これらの事実を総合して,本研究が順調に進展していると判断できる.
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Strategy for Future Research Activity |
予備検討が完了しつつある4自由度系では,3自由度系とは異なり「回転型振動子の相対的な回転方向」と「剛体の直交2方向の並進自由度に関する振動特性の異方性」が自己同期現象の特性に対して重要な影響を与える.この事実は自己同期現象のメカニズム解明および振動機械への応用のいずれにおいても重要であることから,以下のような検討を行う. 解析面では,本研究で整備を行っている2本のエネルギー条件式を活用した解析を実施する.この解析で得られる結果に基づいて,4自由度系で発生する自己同期現象が示す特性に対して解析的かつ物理的な見地から説明を与えることを試みる.実験面では,4自由度系の装置を完成させ,解析モデルおよび解析手法の妥当性に関する検証実験を実施する.これらが順調に完了すれば,従来の網羅的な数値計算に基づくパラメータスタディに頼らずとも一定のクラスの振動機械で発生する自己同期現象に関する予測が可能となり,得られる知見は振動機械の設計指針の構築に役立つ可能性が高い. さらに,上記の4自由度系に関する実験と解析に目処が立った段階で,さらに剛体に対して回転自由度を付与した5自由度系の実験装置の作製に取りかかる.既に進めている解析的な予備検討から得られている結果も考慮しながら,実験と解析の本格的な比較に順調な形で推移できるように引き続き準備を進める.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)