Project/Area Number |
23K22713
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Project/Area Number (Other) |
22H01442 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 20020:Robotics and intelligent system-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
寒川 雅之 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (70403128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
月山 陽介 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (00533639)
神田 健介 兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (20446735)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2022: ¥8,060,000 (Direct Cost: ¥6,200,000、Indirect Cost: ¥1,860,000)
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Keywords | 触覚センサ / 振動覚センサ / 温冷覚センサ / マイクロヒータ / 圧電センサ / ひずみゲージ / 荷重分布計測 / MEMS / 二酸化バナジウム |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、ヒトの触覚と同様に多様な感覚を包含する触感の検出が可能で、汎用的なマイクロ触覚センサチップの実現と有用性実証である。ヒトの触覚受容器における複数の周波数特性と空間特性を再現した検知素子の開発と、接触面から検知素子に伝搬する経路における振動・熱の分析により、よりヒトに近く高感度な検出が可能なセンサを実現する。そのため、検知素子感度の周波数特性および空間特性を制御する技術の開発と、封止エラストマの構造・サイズや材質による振動・伝熱特性や接触面の特性解明とそれによる最適設計を行う。さらに開発したセンサの出力とヒトが評価した触感の相関性を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
前年度に確認されたひずみ抵抗・圧電素子複合センサの実装時の断線について、さらなる設計の改良を行い作製精度を向上した。改良した素子を用いて、過渡応答特性を調べたところ、圧電素子の応答は入力荷重の変化速度が速いほど大きくなった。周波数応答では、ひずみ抵抗と圧電素子の応答に位相差が生じることが確認できた。これらは圧電効果の理論式から導かれる現象とも一致し、電気的過渡特性に起因するものである。また、接触部の材質が周波数特性に与える影響について調べ、材質の硬度によっても出力に位相ずれが生じることが分かり、機械的な粘弾性も出力の位相に影響していると考えられる。 感度の空間特性については、封止部の硬度や多層構造による影響を調べ、これらは感度の大きさには影響するが空間的な広がりにはあまり影響しないこと、また、多層構造において接触面に近い方の層の硬度を高くすることで感度が増大することが分かった。また、2次元的な感度の広がりについて、検知素子の横たわみの影響を詳細に調査し、縦たわみとの組み合わせにより単素子による2次元的な荷重分布計測アルゴリズムを考案した(特許出願予定)。 広範囲荷重検知素子については、封止樹脂に導電性材料を分散させることで感圧導電性を持たせたものを試作した。導電性粒子としてはカーボンナノファイバを用い、分散条件や濃度を調整することで印加荷重に対して抵抗が減少することを確認した。 接触面の分析に関しては、指紋様表面形状を付したセンサを周期的凹凸を持つ対象物に接触・なぞり動作をさせた時の応答を調べ、指紋様形状が凹凸に対する応答を大幅に増幅させることが確認できた。さらに接触面を広視野レーザ顕微鏡で観察した結果、なぞり時のせん断による接触面の変化が指紋様形状の有無で大きく異なり、さらに指紋に対するなぞり方向により応答に差が生じることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
検知素子については作成歩留まりが改善し、ひずみ抵抗と圧電素子の時間応答性の違いを再現性良く実証することができている。また、封止樹脂や接触部樹脂の機械的特性が周波数特性や空間特性に与える影響の評価も進み、これらのセンサ設計への還元の可能性も見えてきた。また、荷重空間分布の推定アルゴリズムについては、当初予期していなかった単素子による荷重の2次元分布計測の可能性が示され、計画以上の進展が示されたと言える。 接触面の分析については、接触面観察の測定系構築が完了し、接触面の挙動とセンサ応答の相関性について明らかにでき、前年度の進捗遅れをリカバーできた。ただし、温冷感計測における熱的挙動の分析は、測定系への伝熱や測定環境の熱対流の影響が大きく、明確な結果は得られていないため、今後の測定手法の改善が必要な状況である。これらを総合して、計画の一部に遅れはあるものの、計画以上に進展している部分もあり、おおむね順調に進展しているものと判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
封止樹脂の材料や接触部形状による応答特性をフィードバックした設計により、広範囲検知素子・高感度温冷感検知素子を集積化した触覚センサの試作評価を行い、接触面の再現評価や応答の時間・空間特性評価を実施する。 接触面や封止樹脂の伝熱特性が触覚センサの温冷感応答に与える影響の分析については、進捗状況にも述べたように、測定系や環境への伝熱の影響が排除しきれておらず、測定・分析手法の改良を行うとともに、それが完了した後に温冷感検出アルゴリズムの開発を行う。荷重空間分布計測のアルゴリズムについては、原理的な検証を行った段階であり、今後、荷重印加位置や面積の変化に対する有効性を検証し、計測精度の改良に取り組む。 令和6年度後半には、上記で試作したセンサを用いて、様々な材質・形状の対象物の触感計測を行い、データを収集する。それと並行して、触覚センサによるデータとの相関性分析のための感性評価の計画・予備実験を実施し、準備ができれば人を用いた試験に着手する。
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