Design and Operation of Safe and Secure IoT Devices Through EMC Designing and Security Monitoring
Project/Area Number |
23K22743
|
Project/Area Number (Other) |
22H01472 (2022-2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21010:Power engineering-related
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
豊田 啓孝 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (20311798)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥15,990,000 (Direct Cost: ¥12,300,000、Indirect Cost: ¥3,690,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,800,000 (Direct Cost: ¥6,000,000、Indirect Cost: ¥1,800,000)
|
Keywords | モード変換 / EMC設計 / セキュア監視 / ノイズ発生メカニズム / 電磁波セキュリティ / EMC設計 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,①『平衡度不整合』に起因するモード変換発生モデルと②『M系列変調TDR』によるインピーダンス変化検出により,IoT機器のEMC設計,並びに,電源・通信併用ネットワークのセキュア監視の実証を試みる。それにより,製品やネットワークシステムの安全・安心な設計,運用の実現を図る。①は,現場設計者にすら十分理解されていないノイズ発生メカニズムが可視化でき,実際の設計に有効,かつ,教育的効果もある。一方,暗号生成時に生じる電磁ノイズは秘匿情報を含み,統計的手法による解読が可能である。この脅威は電磁ノイズ抑制だけでは不十分で,②の常時監視の併用により現実的な電磁波セキュリティ強化が実現する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
①『平衡度不整合』に起因するモード変換発生モデルと②『M系列変調TDR』によるインピーダンス変化検出を2本柱として,IoT機器のEMC設計,並びに,情報漏えいが懸念される電源・通信併用ネットワークにおけるセキュア監視の実証を試みることで,製品やネットワークシステムの安全・安心な設計,運用の実現を図ることを目標としている。2023年度の検討は以下のとおりである。 ①に関しては,導体数が異なる場合に拡張した新たな等価回路モデルを提案するため,時間微分を含む多線条線路の電信方程式に立ち返り,時間応答に着目したモデルの構築を検討した。また,モデルの有効性評価のための準備として,モデルの検証に用いる導体数が同数の場合の解を用いて環境構築を行った。さらに,ケーブルにたるみがある場合のモード変換発生について検討を行った。平行2本線路がシステムグラウンドに対して垂直配置の場合にその距離によって平衡度が変わりモード変換が生じることを確認した。さらに,Ansys HFSSが持つ3次元電磁界シミュレーションと回路シミュレーションの連成解析機能を活用することでモード変換の発生度合いを評価し,状況によってたるみ部分で生じるモード変換が支配的になることを明らかにした。 ②に関して,M系列変調TDRによりバス型ネットワークにおける異常検出を行う場合,分岐の向こう側に存在する異常からの反射波の振幅が分岐部からの反射波に比べて相対的に小さくなることで,異常検出の感度低下が生じる。これを改善するため,異常部に達するまでに分岐部から送端に戻ってくる反射波が異常の有無に関わらず同じであることに着目し,正常時,異常時の反射波の時間波形の差分を取ることで分岐部からの反射波の影響を除去することを試み,異常検出の感度向上を実現した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①『平衡度不整合』に起因するモード変換発生モデルと②『M系列変調TDR』によるインピーダンス変化検出のそれぞれにおいて検討項目をおおむね達成することができた。 平行2本線路にたるみがある場合を対象にモード変換発生モデルを評価した。平行2本線路をシステムグラウンドに対して垂直に配置した場合,システムグラウンドとの距離に依存し平衡度は増減する。一方,平行に配置した場合は0.5のまま変わらない。これは,平行2本線路を垂直に配置すると,そのたるみ部でモード変換が生じることを示唆している。実際,電流プローブでコモンモード(CM)を注入し,終端抵抗両端のディファレンシャルモード(DM)電圧を電磁界シミュレーションにより評価したところ,垂直配置と水平配置で違いが観測された。 平衡度の不連続部におけるモード変換の有無を確かめるため,平衡度不整合モデルをANSYS Electronic Desktop上で連成解析を利用した評価を行ったところ,たるみの有無にかかわらず3次元解析モデルとよく一致した。垂直配置でたるみがあると,たるみ部で平衡度差が連続的に変化する。この連続的な変化を階段近似することで3次元解析モデルとよく一致したことから,階段近似表現が有効であることが分かった。 一方,バス型ネットワークにおける『M系列変調TDR』では,分岐の向こう側に存在する異常からの反射波の振幅が分岐部からの反射波に比べて相対的に小さくなるため,ノイズによる異常検出の感度低下が生じる。異常検出の感度向上のため,正常時,異常時の反射波の時間波形の差分を取ることで分岐部からの反射波の影響を除去することを試みた。実際,送端から2つ目の分岐の向こう側に存在する異常検出の感度が,この手法により0.10から0.53まで改善した。 その他の項目についても当初想定した点までおおむね到達することができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
①-1 モード変換(電磁ノイズ)が生じる平衡度変化(不整合)のある接続部において,線路の導体数が異なる場合に拡張した新たな等価回路モデルの構築を前年度に引き続き検討する。モデル検証は導体数が同数の場合の解を利用して行い,得られたモデルの有効性評価は3次元電磁界シミュレーションと実測により行う。 ①-2 Ansys HFSSが持つ3次元電磁界シミュレーションと回路シミュレーションの連成解析機能を活用し,今年度は筐体にスリットがある場合など,より現実的な構造を対象として,回路基板の配置やコネクタ位置,ケーブルの引き回しにより決まるノイズ源(モード変換励振源)の位置と不要電磁放射の因果関係を調べる。 ②-1 セキュア監視システム構築のため,M系列変調TDRにおける系列長,パルス幅,符号化方式などの最適条件の決定法の確立のための検討を引き続き行う。さらに,Raspberry Piのような小型マイコンを用いた監視システムのプロトタイプの設計を検討する。 ②-2 インピーダンス変化と平衡度の関係を考慮することにより,コネクタの平衡度の高精度測定法を検討する。提案手法の有効性評価では,3Dプリンタなどを用いて作成した模擬コネクタを用いて測定法の確立を目指す。
|
Report
(2 results)
Research Products
(1 results)