Project/Area Number |
23K22748
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Project/Area Number (Other) |
22H01477 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21010:Power engineering-related
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
野村 新一 明治大学, 理工学部, 専任教授 (90401520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁田 旦三 明治大学, 研究・知財戦略機構, 研究推進員(客員研究員) (40026266)
新冨 孝和 明治大学, 研究・知財戦略機構, 研究推進員(客員研究員) (10016082)
平野 直樹 核融合科学研究所, 研究部, 教授 (60529650)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
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Keywords | 系統安定度 / 固有値 / 超電導磁気エネルギー貯蔵(SMES) / 二ホウ化マグネシウム(MgB2) / 冷凍機冷却 / 超電導磁気エネルギー貯蔵 |
Outline of Research at the Start |
再生可能エネルギーの導入量増大,電力自由化が進む現在,電力変動に対してレジリエンス(復元力)が働き系統が安定して運転できるかどうかの指標である系統安定度が測定できていない問題がある。本研究は,超電導磁気エネルギー貯蔵(SMES)を用いて系統に正弦波状の微小電力変動を与え,系統の振動モード(固有値)を測定する手法を提案し,これまで計算に頼っていた系統安定度(固有値)が直接測定できることの工学的根拠を示す。また,固有値測定を目的としたSMES装置の実現性を冷凍機冷却の超電導導体および巻線モデルの基礎実験を行い検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
再生可能エネルギーの導入量増大、電力自由化が進む現在、電力変動に対してレジリエンス(復元力)が働き系統が安定して運転できるかどうかの指標である系統安定度が測定できていない問題がある。本研究は、超電導磁気エネルギー貯蔵(SMES)を用いて系統に正弦波状の微小電力変動を与えて系統の振動モード(固有値)を直接測定する手法の工学的根拠を示すことを目的とする。実系統で発生する電力動揺(振動)は複雑な振動モードが混在するため、測定場所を変えながら系統安定度を評価できるようにする必要がある。そのため、固有値測定を目的としたSMES装置には可搬性が求められる。これまで、SMES用超電導コイルの概略設計を行い、冷凍機を停止した時の超電導コイルの温度上昇時間(熱時定数)と再冷却時間を概算し郊外の太陽光発電所や風力発電所、都市部の変電所での固有値測定を想定したSMESの運転シナリオを検討してきた。2022年度は主としてSMES用超電導コイルの要素技術開発を行い、超電導導体の候補として二ホウ化マグネシウム(MgB2)素線を用いた多数本撚線導体の設計・開発を進めてきた。また、撚線導体短尺試料やモデルコイルを冷凍機を用いて20 Kないし10 Kで冷却するための実験環境の整備を進め、断熱真空容器と冷却ステージの設計・製作を行い、実験装置の侵入熱および冷凍機の冷凍能力を評価するための予備実験を実施した。加えて本研究では超電導コイルの軽量化を実現するために、電磁力支持材重量を大幅に低減させたヘリカルコイル(電磁力平衡コイル)を提案している。3次元の複雑な巻線形状を有する電磁力平衡コイルの製作技術を検討するため、巻線機の小型試作機開発を進めてきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画では、MgB2線材撚線導体の設計と開発を行い、冷凍機冷却の実験準備を進めMgB2線材撚線導体の特性評価試験を進める予定であった。しかし、当初の想定に反し、MgB2線材撚線導体の開発を依頼する業者から工場繁忙のため納期未定で加工条件によっては希望に添えないとの回答により、独自にMgB2線材撚線導体の加工機を開発する必要が判明した。SMESの実現性を検討する上でMgB2線材撚線導体の開発は不可欠である。本研究では、提案する電磁力平衡コイルの製作可能性を検証することを目的としている。まずは、MgB2線材に印加される機械的ひずみと通電特性の関係を評価するために、ヘリカル巻線形状の一部を想定した撚線導体の短尺試料の製作ができれば十分である。撚線加工を業者に依頼した時の撚線条件の自由度の制限、歩留まり、別途導体の熱処理に必要な手間と時間などを鑑みた場合、研究代表者の研究グループが独自にMgB2線材撚線導体加工機を当初の計画に追加して開発することが最良の策と考え研究計画の見直しを行った。以上の理由により研究の遅延が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
MgB2線材の曲げひずみと通電特性の関係を評価していく。その際にMgB2線材の熱処理も研究代表者の研究機関で実施する。MgB2線材撚線導体の加工機の開発を進め、まずは、MgB2線と同じ剛性を有するステンレス線を用いて撚線および成形加工の精度評価を進めていく。撚線導体短尺試料は数十センチ程度の長さを目標とする。本研究では、電磁力を低減させたヘリカル巻線形状の電磁力平衡コイルの製作可能性を示すことが研究課題となる。複雑なヘリカル巻線形状によって熱処理、撚線加工、コイル巻線のそれぞれの過程でMgB2線材に印加される機械的ひずみ解析を行い、超電導特性を劣化させない撚線のピッチや本数などの検討を進めていく。加えて電磁力平衡コイルの巻線機による機械巻製作の可能性を検証するため、連続巻線動作に対応できるよう開発中の小型試作機の改良を加えていく。本研究では冷凍機冷却によるSMES用超電導コイルの実現を目指している。MgB2線材撚線導体の短尺試料やモデルコイルの冷凍機冷却のための実験環境を整備するため、所定の冷却特性が得られるように引き続き断熱真空容器と冷却ステージの改良を加え予備実験を進めていく。
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