Project/Area Number |
23K22789
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Project/Area Number (Other) |
22H01519 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21050:Electric and electronic materials-related
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Research Institution | Institute of Science Tokyo |
Principal Investigator |
間中 孝彰 東京工業大学, 工学院, 教授 (20323800)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 大 東京工業大学, 工学院, 准教授 (00531873)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,030,000 (Direct Cost: ¥13,100,000、Indirect Cost: ¥3,930,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
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Keywords | 有機デバイス / 素子劣化 / 分光計測 / 有機エレクトロニクス / 光第二次高調波発生 / 光第二次高調波 / SHG測定 |
Outline of Research at the Start |
素子の「劣化」は本質的に防ぐことはできないが、封止などの対策により進行を遅くすることはできる。一方、これらの対策は経験則に基づいており、学術的に定着しているとはいえない。本研究では、「劣化」のサイエンスとして確立するため、動作下にあるデバイスを対象としたオペランド測定と、申請者が独自開発した電界イメージング技術を組み合わせ、多角的かつ系統的に議論を進める。特に、超高速電界イメージングによって劣化が生じる前の前駆現象を捉え、劣化の進行をその場観察によってモニターし、その上で劣化によって生じた変化を化学的に評価するといった一連の検討から、「劣化とは何か?」という学術的「問い」に対して答えていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、様々な光学的手法を用いて電界を可視化するという独自技術を用い、劣化の前駆段階における微小な変化を捉えつつ、前駆現象から素子破壊まで、劣化現象を連続的・系統的に捉えることを目的としている。本年度は、昨年度構築した、LBIC測定と、結合状態や結晶性を評価できるラマン分光を同時測定できるシステムを用いて、デバイスの光電流値及びラマンシグナルの面内分布から劣化評価を試みた。LBIC測定用光源及びラマン励起光には波長532 nmのDPSSレーザーを用いた。Au/PEDOT:PSS/P3HT:PCBM(BHJ)/ITO構造の太陽電池を作製し、擬似太陽光照射及び熱印加によって劣化させ、その前後での光電流値とラマンシグナルの面内分布評価に成功した。ラマンスペクトルではP3HTのチオフェン環C=C伸縮振動に起因するメインピークが確認される波数範囲1400cm-1から1500 cm-1に着目し、面内ピーク強度分布をプロットした。光照射による劣化では、変換効率は30分照射後に一旦2倍以上増加し、そこから照射時間とともに低下することを確認した。また、光電流値とラマンシグナルも同様に増減していることを確認した。これはライトソーキング効果によって新たな結合状態が形成された可能性や、分子の分極率変化を示唆している。熱印加による劣化においても変換効率は1サイクル目終了後に増加し、そこからサイクル数が増えると緩やかに低下することがわかった。光照射による劣化と同様に、変換効率にともなってLBICの光電流値やラマンシグナルが増減していることが確認された。この変化もまた、分極率や結合状態の変化が反映されたと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
一昨年度に前倒し使用を申請して準備を行ったラマン測定を実施し、光電流の減少(デバイス劣化)とラマン信号の変化との対応を取ることができた。ラマン測定については、進展があったと言えるが、現在SHGによる劣化評価とラマン測定の結果との関連性を検討している。これにより、有機太陽電池の劣化原因についての議論を進めることができる。また、同じく分光学的な手法である、ゲート変調分光法による評価も試みた。ゲート変調分光では、主にキャリア注入による変調(CMS)と電場による変調(EMS)が観測される。キャリア挙動を議論する上では、CMSが重要であり、そのためEMS成分との分離が必要となる。様々な電圧印加条件で、変調スペクトルを評価することで、変調スペクトルの形状と変調強度の電圧依存性から、それぞれを分離する手法を確立した。今後は、この変調分光法も活用しながら、デバイス劣化原因の検討を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
SHGによる劣化イメージングと、ラマンイメージングは本研究での中核となる技術であるため、今後も評価を継続していく。一方、現状では、LBICとラマン、LBICとSHGについてはそれぞれ同時測定(LBICとSHGは厳密には同時測定ではなく、光源の切り替えによりサンプルの置き換え等が必要のない測定ができる状態)ができているので、ラマンとSHGについても同一のセットアップで測定できるように順次改良を施す計画である。これにより、それぞれの劣化イメージングを正確に比較することが可能となる。また、昨年度検討を始めたCMS測定による劣化評価についても、劣化に対する特徴的なスペクトルを得られるかどうかについて、検討を進めていく。併せて、劣化が始まった箇所と未劣化箇所を比較してキャリア挙動や励起子分離挙動の違いを評価するとともに、PLイメージングによるキャリア寿命評価を行う。
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