Project/Area Number |
23K22797
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Project/Area Number (Other) |
22H01527 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21050:Electric and electronic materials-related
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
西中 浩之 京都工芸繊維大学, 電気電子工学系, 准教授 (70754399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池永 訓昭 金沢工業大学, 工学部, 准教授 (30512371)
蓮池 紀幸 京都工芸繊維大学, 電気電子工学系, 助教 (40452370)
上田 修 明治大学, 研究・知財戦略機構(生田), 研究推進員(客員研究員) (50418076)
宮戸 祐治 龍谷大学, 先端理工学部, 准教授 (80512780)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥9,100,000 (Direct Cost: ¥7,000,000、Indirect Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 酸化ガリウム / ミストCVD法 / 強誘電体 / 混晶 / 結晶成長 / ミストCVD / 高移動度トランジスタ / 単一ドメイン |
Outline of Research at the Start |
本研究は超低消費電力の高周波スイッチングデバイスの確立に向けて、酸化ガリウムの結晶多形の一つであるκ型の開拓を行う。このκ型は酸化ガリウムの中で唯一強誘電性を持ち、大きな自発分極を有する。この強誘電性を利用した新構造の低消費スイッチングデバイスの検討をする。本研究期間で大きな自発分極を利用した高濃度の二次元電子ガスの形成の実証と、強誘電性を利用したノーマリーオフ型のヘテロ接合型のデバイスの実証を行う。また、このκ型の酸化ガリウムの基礎物性を解明して、デバイス/材料の両面から半導体材料としての可能性を開拓する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、酸化ガリウム(Ga2O3)の中で唯一分極をもつ強誘電体のκ-Ga2O3の高電子移動度トランジスタ(HEMT)を形成して、GaNを超える高周波デバイスが実現できるかどうかを明らかにする。その検討では、GaNを超える大きな分極を利用した高濃度の二次元電子ガスの実証、その二次元電子ガスを用いたHEMT動作の実証、強誘電体特性を利用したノーマリーオフ動作の実証、κ-Ga2O3の基礎物性の解明の検討を進める。 二次元電子ガスの実証に向けて、κ-Ga2O3/κ-(InxGa1-x)2O3とκ-(AlxGa1-x)2O3/κ-Ga2O3の積層構造を形成し、コヒーレント成長することに成功した。コヒーレント成長したものの電気特性評価がまだできていない。これは電極のオーミック特性などが十分でないためである。また、ε-GaFeO3基板からのFeの拡散の影響を低減するために格子整合するκ-(InxGa1-x)2O3の厚膜化の検討を行った。格子整合するため厚膜化してもクラックなどが導入されないことが分かった。現在はこの厚膜化したκ-(InxGa1-x)2O3の電気特性の評価や積層膜の形成の検討を行っている。 また、κ-Ga2O3はGa2O3の準安定相の一つであるが、他の準安定相のδ-Ga2O3の形成を行い、その物性評価を進めている。そのバンドギャップは4.9~5.0 eV程度であることがPLE測定などから明らかにした。また、フォトディテクタ動作の検討を行い、このδ-Ga2O3が半導体であることを初めて実証した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヘテロ接合の形成まで達成したものの、まだ電気特性評価ができていない。電気特性評価を妨げているのは、十分なオーミック特性が取れていないことなとが考えられるため、今後RTAによるオーミック特性の改善などを行い、二次元電子ガスの検証を進めていく。 一方でκ-Ga2O3の基礎物性評価は順調に進んでいる。単一ドメインのラマン測定やPL/PLE測定などを国外の研究機関と共同研究しており、従来の回転ドメインがある結晶では得られなかった結果が得られてきている。また、ε-GaFeO3上のGa2O3の欠陥評価も進めており、臨界膜厚の評価や転位評価も進めている。これらの結果は単一ドメインのκ-Ga2O3しか行うことができず、本研究によって明らかにできている。さらにε-GaFeO3上のMBE成長したGa2O3の検討なども国外の研究機関と共同研究で行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
κ-(InxGa1-x)2O3の厚膜を形成することでFeの拡散の影響を低減することに成功しているため、このκ-(InxGa1-x)2O3を利用して、ヘテロ接合を形成し、まずは二次元電子ガスの実証を進めていく。二次元電子ガスが実証できれば、その後高電子移動度トランジスタの作製を行い、その動作実証、評価を進めていく。 また、κ-(InxGa1-x)2O3の厚膜化によって、単一ドメインのκ-Ga2O3の導電性の評価も可能となった。κ-Ga2O3系の物性評価としてドナー添加による導電性の制御の検討も進め、その電気的特性評価を また、基礎物性の解明について、転位評価では平面TEM評価を行うことで転位の同定を進めていく。また、ε-GaFeO3上のκ-Ga2O3の臨界膜厚の評価、ラマン分光評価、PL/PLE評価なども継続評価していく。
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