Extremely Low-Power Half-Flux-Quantum Circuits using Novel, Large Inductance Induced by Magnetic Josephson Junctions
Project/Area Number |
23K22818
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Project/Area Number (Other) |
22H01548 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 21060:Electron device and electronic equipment-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
田中 雅光 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (10377864)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥16,770,000 (Direct Cost: ¥12,900,000、Indirect Cost: ¥3,870,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥8,190,000 (Direct Cost: ¥6,300,000、Indirect Cost: ¥1,890,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
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Keywords | 磁性ジョセフソン接合 / 超伝導 / 超低消費電力回路 / 半磁束量子 / 量子干渉 |
Outline of Research at the Start |
磁性ジョセフソン接合を含む小さな超伝導ループでは、磁性体によるπシフトと量子干渉により、巨大なインダクタンス効果を誘起することができる。本研究では、磁束量子の1/2を情報担体とする半磁束量子回路において、この効果を取り入れ、スイッチ動作時のダイナミクスや時間領域に現れる影響を明らかにすることで、超伝導デバイスを用いた超低消費電力大規模集積回路を実現する学理を構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、磁性ジョセフソン接合を含む量子干渉素子を用いて得られる巨大なインダクタンス効果を用いることで、半磁束量子回路の更なるの低電力化と大規模集積化を可能にすることを目的としている。磁束量子の1/2を情報担体とする半磁束量子回路は、従来の磁束量子に基づく超伝導回路と同程度の速度で、2桁以上の電力削減ができるデジタル回路技術として有望である。また、高速性と低エネルギー性の両方を追求してはじめて近づくことのできる、量子極限に迫る論理回路の学術的探索においても有力なツールとなる。 今年度は、磁性ジョセフソン接合を含む量子干渉素子の回路内での振る舞いについて詳細な解析を行った。実際の回路においては、周囲に存在する超伝導ループとの量子干渉効果も起きるため、巨大インダクタンス効果の発現は複雑になる。電流-超伝導位相の関係など定式化し、数値解析による静特性解析を実施した上で、PdNiを磁性体層に用いたπシフト磁性ジョセフソン接合を作製した。まず、外部電流をかけない状態で磁性ジョセフソン接合の位相差がπシフトしていることを確認した後、このπ接合と通常の接合(0接合)から構成した量子干渉素子を超伝導ループ内に複数配置して自己インダクタンスの変化を観察した。液体ヘリウム温度で実施した実験では、π接合を含む量子干渉素子を複数有する超伝導ループが、非線形のインダクタンス特性を示すことが示唆された。0接合の臨界電流値35μAに対し、数マイクロアンペア程度の微小な電流入力に対して、1桁のインダクタンス増大効果があることが見込まれることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
事前の検討で期待していた巨大インダクタンス効果について、定量的な計算や実験に基づく結果が得られている。モデルに基づく計算では、磁性ジョセフソン接合を導入する前の元の自己インダクタンスに比べ、50倍の増大効果があると見積もられた。実回路ではレイアウト設計等の制約も受けることになるため、実際の効果がどの程度現れるのかは自明ではなかったが、実験でも約10倍の増大効果を示唆する結果が得られており、順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
巨大インダクタンス効果に関する静特性の解析は順調に進んでいる。今後は、実回路での使用を想定した動特性の調査、理解を進める。これまでのところ、自己インダクタンスの増加効果が、入力信号の振幅や周波数に依存することが明らかとなっている。応答速度の決定の要因を進める。また、半磁束量子回路で扱う信号はインパルス状であり、広い周波数帯域をもっているため、インパルス信号に対し、磁性ジョセフソン接合を含む量子干渉素子がどう振る舞うのか、詳細に解析する。 素子作製については、これまでのところ、PdNiを磁性体として用いたジョセフソン接合でπシフト効果を安定して得ることができているため、これを取り入れた回路の試作を行う。まずはこれまでに実績があり、回路動作の理解が容易な単一磁束量子回路に対して、データ保持の役割を担う超伝導ループへ適用することを次年度の実施計画としている。 本研究で目指す、半磁束量子回路の低消費電力化、大規模集積化に向けては、典型的な回路について、低電流動作を目指して詳細レイアウトの設計を具体的に行い、省面積化への寄与を評価することを進める。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)