Project/Area Number |
23K22837
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Project/Area Number (Other) |
22H01567 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22010:Civil engineering material, execution and construction management-related
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
鶴田 浩章 関西大学, 環境都市工学部, 教授 (90253484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原 秀久 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (10234105)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥16,900,000 (Direct Cost: ¥13,000,000、Indirect Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2022: ¥11,310,000 (Direct Cost: ¥8,700,000、Indirect Cost: ¥2,610,000)
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Keywords | コンクリート / 凍害 / 不凍材料 / 凍結融解 / スケーリング / 耐凍害性 / 氷結晶制御剤 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、コンクリート構造物の凍害による被害削減を目指して、これまでの配合や施工による対策、特に空気泡を十分にコンクリートに連行するという技術と異なり、不凍材料という氷結晶制御剤に着目し、それをコンクリートに混入あるいは塗布することで、コンクリート中の水分の凍結時の膨張を制御することにより新設および既設コンクリート構造物の凍害抑制対策ができる技術の開発を目指しているものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
新設コンクリート構造物の耐凍害性改善のための適用法と効果については、特にスケーリング抵抗性について検討を行った。その結果、氷結晶制御剤の混入により無混入の場合のスケーリング量の33~56%程度に低減できることが分かり、特にコラーゲンペプチド+メラノイジンのケースでは、無混入の場合の33%程度にスケーリングを抑制できる結果が得られ有効性が確認できた。 既設コンクリート構造物の耐凍害性改善のための適用法と効果については、接着剤の使用と表面含浸材との併用、コンクリート表層加工などを試し、氷結晶制御剤の浸透深さの増加と接着性の強化を狙ったが、適正な条件での試験ができていないようであり、優れた効果は確認できなかった。しかし、今後の対応の課題は明確となった。 氷結晶制御剤のより効率的な品質評価、品質管理および製造方法の確立の検討では、コンクリートの凍害及びスケーリング抑制に効果を発揮できる天然氷結晶制御エキスの再検討を行った。指標としては、体積膨張に対する効果、さらに、異物(ヨウ化銀)存在下でどれくらい氷核の発生に対する効果があるかの指標によって選択した。その結果、体積膨張抑制においては、各エキス単独使用の場合には、すべて抑制効果は少なかった。そこで、コラーゲンペプチドと併用(各エキスの10倍量を使用)では、メラノイジンと脱塩醤油において抑制効果を再確認できた。また、コラーゲンペプチドとの併用での濃度の影響を調べたところ、脱塩醤油エキス5μg/mlで体積膨張が60%に抑制された。そこで、両エキスのヨウ化銀を異物とする場合での過冷却活性を測定した。その結果、メラノイジン50μg/mlが、5%食塩存在下で脱塩醤油よりも3℃高い活性を示した。このような結果から、脱塩醤油、メラノイジン、コラーゲンペプチドと併用した脱塩醤油の使用が効果を発揮できると判断した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
特に、新設コンクリート構造物を対象とした検討で、スケーリング抵抗性に優れる結果が得られたことが大きな成果であり、スケーリングによる劣化被害が多い現状に対して大きな効果を発揮することが期待できることが明確となった。さらに、そのメカニズムの検討も進めており、その解明に力を注いでいる状況である。AVAによる分析については少し遅れ気味であるが、うまく測定するノウハウが蓄積されている状況であり、今後に期待が持てる結果となっている。 既設コンクリート構造物を対象とした検討では、課題が明らかとなっている状況で、それらに対する対応を効率的に試していくことができそうな状況になっている。新設および既設対象の両方に関して、暴露試験の対応が遅れているが、より絞り込んだ条件での暴露試験を行う必要があるため、やむを得ないことと考えており、効果の高い制御剤が絞り込めてきたと考えている。 氷結晶制御剤のより効率的な品質評価、品質管理および製造方法の確立の検討では、体積膨張に対する効果と異物(ヨウ化銀)存在下でどれくらい氷核の発生に対する効果を発揮するかの指標によって制御剤の選択を行った。細い試験菅内にブランクとして水を使用し、各エキスを分注後、-20℃で24時間緩慢凍結させた後、その界面の高さを測定した。コラーゲンペプチド10μg/mlに対して各エキス1μg/ml混合したエキスについて検討を行った結果、メラノイジンと脱塩醤油エキスの両者ともブランクに比べて、抑制効果(96,72%)を再確認できた。さらに、メラノイジンと脱塩醤油エキスの両者の濃度を1,2.5、5μg/mlと変化させた混合エキスを調製した。その結果、コラーゲンペプチド50μg/mlに脱塩醤油5μg/ml混合エキスは、無添加(水)に比べて、体積膨張率は約60%に抑制された。このように順調に効果的な制御剤の絞り込みが進んでいると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
新設コンクリート構造物の耐凍害性改善のための適用法と効果については、スケーリングに対する優れた効果が確認できたことから、再現性を高めるとともに氷結晶制御剤の濃度が変化した場合のスケーリング抵抗性の変化を明確にする必要性がうかがえた。そのことからスケーリングに対する効果のメカニズムも明確にできるものと考えられる。また、AVAを使用した検討は数をこなして円滑に試験できるように慣れる必要性があり、試験実績を蓄積しながらコンクリート中の空気泡の分布と耐凍害性の関係、氷結晶制御剤との関係を明確にする必要性があることが分かった。また、内部損傷に関する検討も並行して行う必要もある。 既設コンクリート構造物の耐凍害性改善のための適用法と効果については、接着剤の濃度を変化させたり、けい酸塩系表面含浸材との併用を試す必要性が明らかとなり、氷結晶制御剤をコンクリート表面にとどまらせるだけでなく、コンクリート表面から1mmほど浸透させて、コーティングするような方法も検討する予定である。また、この場合も、コラーゲンペプチドと脱塩醤油の混合物、もしくはメラノイジンの単独使用に期待が持てる結果が出ており、その適用方法を確立する必要がある。 氷結晶制御剤のより効率的な品質評価、品質管理および製造方法の確立の検討では、今回の結果から、コンクリート用混和剤として、コラーゲンペプチドと脱塩醤油との併用もしくは、少量の食塩と混合させたメラノイジンエキスの使用のどちらかが、コンクリートの凍害抑制効果があるかどうかを検討する必要があることがわかった。今回、メラノイジンの食塩添加による過冷却活性の上昇の効果は、高分子のメラノイジン分子がアミノ基のイオン化の度合いの調整を行っていると予測できる。そこで、今後は、食塩以外の成分で活性を上昇させる物質を選択することも必要となっている。
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