Project/Area Number |
23K22863
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Project/Area Number (Other) |
22H01593 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22030:Geotechnical engineering-related
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
西浦 泰介 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 付加価値情報創生部門(数理科学・先端技術研究開発センター), グループリーダー代理 (60509719)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 瞬 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (20705701)
大島 逸平 東北大学, 流体科学研究所, 助教 (40851845)
古市 幹人 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 付加価値情報創生部門(数理科学・先端技術研究開発センター), グループリーダー (50415981)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,760,000 (Direct Cost: ¥5,200,000、Indirect Cost: ¥1,560,000)
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Keywords | 地盤災害 / 可視化技術 / 数値解析 / 地盤工学 / 防災 / 大規模計算 / 地盤の安定性 / 進行性破壊 / 可視化技術開発 / 大規模シミュレーション |
Outline of Research at the Start |
本研究では高解像透明地盤試験と数値シミュレーション技術を武器として、局所的に発生した水みちが発達し堤防崩壊を誘発するプロセスを、地盤と水理のマルチフィジックス的知見に基づき科学的に解明する。 研究では、①屈折率整合法による高解像透明地盤実験技術を確立し、②浸透破壊現象の基礎実験により水みちの生成・成長過程を明かにする。 次に、③実験を再現する数値シミュレーションにより地盤内部の応力や浸透状態を把握する。以上、水みち発生・成長の基礎過程の理解をもとに、④水みち生成から崩壊に至る過程を透明地盤実験と大規模数値解析により明らかにすることで堤防域における地盤浸透破壊メカニズムの解明と定量化に挑戦する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では高解像透明地盤試験と数値シミュレーション技術を武器として、局所的に発生した水みちが発達し堤防崩壊を誘発するプロセスを、地盤と水理のマルチフィジックス的知見に基づき科学的に解明する。 研究では、①屈折率整合法による高解像透明地盤実験技術を確立し、②浸透破壊現象の基礎実験により水みちの生成・成長過程を明かにする。 次に、③実験を再現する数値シミュレーションにより地盤内部の応力や浸透状態を把握する。以上、水みち発生・成長の基礎過程の理解をもとに、④水みち生成から崩壊に至る過程を透明地盤実験と大規模数値解析により明らかにすることで堤防域における地盤浸透破壊メカニズムの解明と定量化に挑戦する。 本年度は、光学的な実験装置の準備とその環境整備を整え、地盤内の時空間的な可視化技術の高度化(時間解像度数um,空間解像度数十~百um)を実現した。また噴砂の可視化実験を実施するための試験装置の概略設計を行うとともに、試験装置の設計・製作を行った。別途計測に必要な機器や各種治具、試料の選定も完了し、翌年度以降に実施する実験環境を整備することができた。 また各種実験結果の解釈に用いる数値解析コードの高度化を進めた。具体的には①高速化のための並列化アルゴリズムの検討、②粘性の影響を考慮した地盤の構成モデルの選定、③入出力におけるUI環境の利便性・簡便度の改良等である。 併せて、実現象との比較を視野に入れた文献調査等も進めており、次年度以降に進める研究の方針整備を進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、地盤の可視化実験と大規模数値シミュレーションにより、「ミクロな水みちの発生がマクロな大規模破壊を引き起こすマルチスケールな地盤浸透破壊メカニズム」を解明することである。 急激な水理環境変化に伴う地盤の内部構造の変化や、噴砂の要因となる土粒子の削剥・運搬現象の理解は、地盤内部の詳細な観察が重要であり、模型実験が伝統的に用いられる。特に、地盤の内部構造の変化と粒子の流動現象の双方を可視化するためには、複雑な光学計測ではなく直接観察できることが望ましい。 地盤透明化技術と光学計測技術の融合により、スケールをまたぐ地盤内部挙動を可視化できる可能性を見出し、水みちの出現を静的に解釈するのではなく、水みちの発生から成長に至る動的プロセスを3次元的な可視化情報に基づいて直接理解するための準備を整えた。 また、混相流問題に対し、億単位の粒子数を扱える大規模粒子法計算技術を確立し、噴砂やパイピングの再現に必要な大規模計算が可能な状況にあることを確認している。
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Strategy for Future Research Activity |
地盤の浸透破壊現象に伴う地盤構造の変化と地盤流動の直接観察を可能とする「大規模透明地盤実験技術」の高度化に引き続き取り組む。特に、レーザー機器等の光学機器の導入や間隙流体の混合による屈折率の高精度整合技術により領域の高精度可視化がどの程度実現されるか定量化を進める(大島・西浦)。また、設計の最終段階にある地盤内の浸透破壊試験装置を製作し、透明地盤を用いた浸透試験を実施することで、水みちによる地盤内部の浸食メカニズムの解明を試みる。特に、地盤の境界部から面的に与えた水圧により、局所的に間隙水が浸透する過程で、3次元的に拡大する水みちの成長プロセスを可視化する(野村・大島)。 光学機器による可視化が完了した際には、PIV (Particle Image Velocimetry)やPTV (Particle Tracking Velocimetry)などの流体計測技術の導入により、地盤内部流動や粒子流動の定量的評価を進める(野村)。 また、得られた地盤内部の観測データの再現解析にも挑戦する。模型地盤の内部状態の再現に向けて、地盤粒子の摩擦や流体抵抗などのモデル因子を精査する。その上で、浸透実験で扱う地盤粒子数(~数億粒子)と同等の規模で粒子法コードを用いた直接シミュレーションに挑戦し、実験と整合性のとれたシミュレーション結果の出力が可能か検討する(西浦・古市)。
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