Project/Area Number |
23K22881
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Project/Area Number (Other) |
22H01611 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22050:Civil engineering plan and transportation engineering-related
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Research Institution | Institute of Science Tokyo (2024) Kyoto University (2022-2023) |
Principal Investigator |
小谷 仁務 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (30814404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 昭如 東京大学, 未来ビジョン研究センター, 教授 (00401696)
山路 永司 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 名誉教授 (10143405)
岡井 宏文 京都産業大学, 現代社会学部, 准教授 (10704843)
子島 進 東洋大学, 国際学部, 教授 (90335208)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥10,140,000 (Direct Cost: ¥7,800,000、Indirect Cost: ¥2,340,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | ムスリム / モスク / 災害弱者 / 学際的研究 / マイノリティ / 東日本大震災 / 熊本地震 / 能登半島地震 / 技能実習生 / フィールドワーク / 災害 / COVID-19 / ワクチン接種 / イスラーム / 外国籍住民 |
Outline of Research at the Start |
マイノリティ在日外国人は「災害弱者」として捉えられる傾向にある。一方で外国籍住民のコミュニティが支援者として活躍する可能性も秘める。中でもイスラーム教徒の団体は、日本人被災者だけでなく外国籍住民にも支援を行っていたことが断片的に報告されており、その活動の中心には彼らが普段利用する礼拝所「モスク」が存在した。本研究では、土木計画学・防災工学系の研究者らが、国内のモスクの知見を有する人文社会学系の研究者と共同し、モスクがもつ災害時の多様な可能性を学際的に明らかにする。各フェーズ(過去/現在/将来)や各スケール(ミクロ/マクロ)の調査・分析により体系立ててモスクの可能性を探求する。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度は主に次の二つのサブ課題に取り組んだ。 [1. 過去の自然災害時のモスクによる支援活動] 昨年度に実施した2011年東日本大震災の被災地に立地する仙台モスクと福島・いわきモスク、及び2016年熊本地震の被災地に立地する熊本モスクの管理者へのインタビュー調査をとりまとめ、論文出版した。さらに、これらの知見を市民対話型イベントにおいて一般市民へも発信した。一方、直近の巨大災害として2024年能登半島地震に着目し、当該地震の被災地(石川県と富山県)に立地するモスクの応急対応に関する現地調査も実施した。調査した複数のモスクが、ムスリムの避難所となったことや、能登半島へ支援や炊出しに向かったこと―特に技能実習生への支援を行ったこと―などが明らかとなった。 [2. モスクの災害関連活動の報道分析] 国内には約100以上のモスクが存在する。本サブ課題では、それらモスクを対象としたマクロ的分析を行った。具体的には、全国にモスクが建設され始めた1990年代からの、災害とモスクに関する新聞記事を収集し、災害の文脈でモスクの可能性がどのようにあるのか、またそれらがどう語られてきたのかを分析するものである。今年度はシステマティックレビューの手法を参考に主要四紙からの記事収集に専念した。基礎的結果として、阪神・淡路大震災から活動(避難所として機能したことなど)が報告され始めていることや、2011年東日本大震災以降に記事数が増えていることが分かった。 上記二つサブ課題の結果はムスリムマイノリティ社会においてモスクがもつ災害時の可能性やその動向を示すことに貢献している。 上記活動の他にも、各地のモスク(北海道、東京、愛知、京都など)へのヒアリングを行い、在日ムスリムコミュニティの基本情報を収集した。さらに、モスク特有の知見を導出するため、経済的困窮者や仏教関連施設に関する調査・分析を補足的に実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
過去の自然災害におけるモスクの多様な活動について分析できている。また、得られた成果を、共生学、国際協力学、イスラーム学等の多分野の学会・セミナーで口頭発表できており、査読付き論文として災害研究分野の国際誌(Progress in Disaster Science、Journal of Integrated Disaster Risk Management (IDRiM Journal))へ掲載もできている。また、市民対話型イベント(京都大学アカデミックデイ2023)を通じて社会へも知見を還元できている。モスクの役割をフェーズまたはスケールの観点で体系立てて理解することが進められており、知見も多分野へ広く波及出来ているため、順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年能登半島地震の被災地に立地するモスクによる活動内容についての知見を論文としてとりまとめ、国際誌へ投稿する。また、引き続き、多数のモスクを対象としたマクロ的分析(時間的・空間的分析)を進める予定にしている。
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