Project/Area Number |
23K22894
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Project/Area Number (Other) |
22H01624 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22060:Environmental systems for civil engineering-related
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
倉光 英樹 富山大学, 学術研究部理学系, 教授 (70397165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 一晴 前橋工科大学, 工学部, 教授 (30271753)
田口 明 富山大学, 学術研究部理学系, 講師 (40401799)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,940,000 (Direct Cost: ¥13,800,000、Indirect Cost: ¥4,140,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2022: ¥12,220,000 (Direct Cost: ¥9,400,000、Indirect Cost: ¥2,820,000)
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Keywords | 光ファイバー / LSPR / 分光電気化学 / ペプチド / 抗生物質 |
Outline of Research at the Start |
光ファイバーセンサーは遠隔、多点、リアルタイム計測への応用が容易であるといった利点を有するため、今後の発展が期待されている。センサーの選択性は極めて重要な技術要素であるため、様々な試みが研究され、報告されている。我々の研究室では、光ファイバーの1部を透明な半導体を被覆することで電極化した光ファイバーを作製し、センサー化するこに成功した。このセンサーでは、光の波長と掃引電位に由来する選択性を同時に発現させることが可能であるため、選択性の高い検出ができる。この技術を利用し、環境水中の抗生物質のモニタリングに挑戦している。
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Outline of Annual Research Achievements |
抗生物質の一種であるテトラサイクリン(TC)の過剰な使用は環境中の薬剤耐性菌の蔓延に繋がる危険性がある。そのため,水環境におけるTCの計測は社会的に重要課題である。バイオアッセイやHPLCを使用したTCの測定法が利用されているが,それぞれ定性・定量性に欠けていることや,操作が煩雑であるなどの課題がある。そこで本研究では,簡便かつリアルタイム計測が可能な,分光電気化学光ファイバーアプタマーセンサーの開発を目的とした。本センサーは,ITOを被覆した光ファイバーに金ナノ粒子(AuNPs)を修飾し,TCに親和性を有するペプチドアプタマーを表面に修飾することで作製した。TCとセンサーとの結合に伴う屈折率応答をAuNPsに由来する局在表面プラズモン共鳴(LSPR)の電位掃引に伴う極大吸収波長の変化から分光器を必要としない単一波長での測定を試みた。 ペプチドアプタマー修飾前後でLSPR吸収のピークが7 nm長波長側へシフトしていたことから,アプタマーが修飾されていると考えられる。センサーに電位を掃引することでLSPR吸収帯のピークが+1.0 Vあたり約21.5 nm長波長側にシフトした。これは,電位掃引によってLSPR吸収波長帯が制御できることを意味しており,単一波長計測の可能性を示す。TC溶液に対するセンサー応答を測定した結果,TC濃度の増加に伴うLSPR吸収帯のピークシフトは確認できなかった。TCと結合することで生じることを期待したアプタマーの立体構造の変化が,本センサーで計測可能な屈折率応答を与えるのに十分なものではなかった可能性があると考えている。今後,センサーの屈折率感度を向上させ,TCのセンサーへの反応に基づく屈折率応答を検出し,電位を掃引した際の電位とピーク波長シフトから単一波長によるTCの検出を試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
センサー母体となるITO修飾光ファイバーとアスペクト比の異なる金ナノロットを作製、最適化を実施し、高い屈折率感度を得ることに成功した。また、本研究で分析対象物質としたテトラサイクリンに親和性を有するDNAアプタマーとペプチドアプタマーを合成し、センサーへの修飾も最適化した。
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Strategy for Future Research Activity |
アプタマーと電子伝達メディエーター分子を化学修飾することで、3 つの機能(目的物質の認識、シグナルの発生と増幅)を有するキメラ金ナノコンポジットの創製を完成させる。昨年度の研究結果から、バレルスパッタ装置により、ITOをコア径100 μm~1000 μmのマルチモード光ファイバーに被覆し、金ナノロッド(アスペクト比=2~9)を修飾することで、増大したプラズモン共鳴吸収を得ることに成功し、その共鳴波長は電位の掃引によりシフトすることが明らかになった。この現象を利用して、上述の目的を満たすPharmaceuticals and Personal Care Products (PPCPs)」センサーの完成を目指す。
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