Project/Area Number |
23K22910
|
Project/Area Number (Other) |
22H01640 (2022-2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23010:Building structures and materials-related
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
飛田 潤 名古屋大学, 減災連携研究センター, 教授 (90217521)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平井 敬 兵庫県立大学, 減災復興政策研究科, 准教授 (00708373)
護 雅史 名古屋大学, 災害対策室, 教授 (40447842)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2022: ¥10,140,000 (Direct Cost: ¥7,800,000、Indirect Cost: ¥2,340,000)
|
Keywords | 免震 / 振動実験 / 地震観測 / オイルダンパー / 積層ゴム / 常時微動 / MEMSセンサ / 応答解析モデル |
Outline of Research at the Start |
免震構造は、建物の大地震時の安全性と機能維持に有効であり、庁舎や病院などの公的建築、質の高いオフィスや共同住宅などに用いられる。本研究は免震建物と免震装置の大地震被災後および長期使用時の性能を、現地で的確に把握する技術の実験的検討を行う。大振幅の加振装置を備えた免震建物と多様なモニタリング技術を用いて、建物の振動特性と免震装置の特性把握と、それらの実性能を反映したモデル化を行い、特性変化の検出や応答特性への影響を評価しうる一連の手法とシステムを開発する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
主な対象とする免震建物(名古屋大学減災館)について、前年度までに実施した多数の実験・観測データの整理、計測・分析手法の基礎的検討、建物のモデル化やモニタリングシステムの検討着手などに続き、今年度は主に以下4点の成果を得た。 ・免震建物の自由振動実験と強制振動実験、地震観測結果などについて、システム同定手法に基づく振動特性の評価と、それらの詳細な傾向分析を行った。結果として、対象免震建物の固有振動数・減衰定数等について、振幅、実験方法、温度、経年、その他の条件による変動を明らかにした。振幅依存性は明確であり、温度の影響も若干みられる。経年の影響は竣工から現在までの10年間ではわずかであった。また常時微動に基づく上部構造の特性の詳細評価を行い、やはり変化は小さいことを確認した。 ・免震装置の個別の特性評価方法の検討を進めた。特にオイルダンパーの減衰力を振動実験時に直接計測する観測・分析手法を検討し、その非線形特性や個体差を詳細に明らかにするとともに、地震応答に及ぼす影響をモデル応答解析により明らかにした。 ・対象建物とは異なる免震装置を有する他の免震建物について、同様の振動実験や地震・常時微動観測を行った結果から、モニタリング手法の検討と、免震建物特性の傾向の相違を検討した。結果として、異なる免震装置による特徴的な振動特性を評価しうることを示した。 ・実際的なモニタリングに使用しうるシステムの開発を継続して実施した。結果として、実際の地震による観測結果の蓄積、データ分析と結果表示などを行うプロトタイプシステムを構築し、試験運用を開始した。また遠隔地でのモニタリングに向けて、安価なMEMSセンサと携帯電話ネットワークの利用によるシステムの検討にも着手した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・免震建物の振動特性を多様な振動実験の効果的な実施により詳細に検討できることを示した。このことは、免震建物の被災時モニタリングに向けて有用な成果と言える。 ・個別の免震装置の特性、特にオイルダンパーの減衰力を直接計測することで、非線形特性や個体差を詳細に検討できることを示すとともに、その特性をモデル化して応答解析による影響も検討できた。このことは免震建物の現状の特性に基づく応答評価の可能性を示している。 ・多様な条件で稼働するモニタリングのプロトタイプシステムを構築し、試験運用を開始でき、実際の観測データも蓄積されつつある。この点は、将来の実用的なモニタリングシステムの開発につながる成果と言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策について簡潔に入力してください。 ・免震建物のモニタリングにむけて、多様な建物特性考慮した実験・観測、分析手法、免震装置の特性把握手法などをまとめる。 ・多数の免震建物の地震観測体制や観測結果について、上記の観点から分析を加え、適用性を検討する。 ・実際的なモニタリングシステム構築に向けて、効果的なセンサ、データ集約・分析システム、情報表示インタフェイス、オンラインデータ共有などの方策を検討する。
|