Development of an analytical evaluation method for fire protection performance of wooden buildings using combustible insulation materials
Project/Area Number |
23K22926
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Project/Area Number (Other) |
22H01656 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23020:Architectural environment and building equipment-related
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Research Institution | Hokkaido Research Organization |
Principal Investigator |
糸毛 治 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 建築研究本部 北方建築総合研究所, 研究主幹 (50462346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 淳一 国立研究開発法人建築研究所, 防火研究グループ, 主任研究員 (10453846)
王 兪翔 東京理科大学, 創域理工学部建築学科, 助教 (20897706)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,890,000 (Direct Cost: ¥5,300,000、Indirect Cost: ¥1,590,000)
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Keywords | 防火性能 / 数値解析 / 木造外壁 / 断熱工法 / 断熱材 / 熱・水分同時移動計算 / 中空層 / 高温性状 / 柱内部 / 温度分布 |
Outline of Research at the Start |
本年度は、(2)断熱材・建材の高温時における実効的な熱物性の定式化に取り組み、昨年度までに実施した(1)中空層の熱伝達・熱収支のモデル、(3)柱の残存耐力の推定法と併せて、木造外壁の材料構成から防火性能を評価する数値解析手法を完成させる。 (2)については被覆材および断熱材を対象に、各種材料ごとに高温下に曝された際の入射熱量および非加熱側への熱損失量を実験的に把握して、各種材料に生じる変化をすべて包含した実効的な熱物性について定式化を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、環境負荷を低減し安全性の高い木造建築の普及に貢献するため、木造外壁の対象に、その材料構成から防火性能を評価する数値解析手法を開発することを目的としている。数値解析に用いる計算モデルは、木造外壁の水平断面を対象にした二次元の熱・水分同時移動計算モデルとした。本研究では、既往研究で製作した計算モデルのプロトタイプをもとに、次に示す(1)~(3)の課題を、火災加熱実験による検証を行いながら解決し、計算モデルの構築を行う計画としている。以下、課題ごとに研究実績を示す。 「(1)中空層の熱伝達・熱収支のモデル化」では、火災加熱実験により木造外壁の中空層内の温度分布および熱流束を測定し、壁体内に炉内からの高温ガスが侵入しない場合には中空層内の上下方向にほとんど温度差が生じないことを確認した。計算モデルは中空層の熱収支を閉じた系と仮定し、中空層の放射熱伝達は、中空層に面する各点においてモンテカルロ法により求めた形態係数を用いて算定すると、実験結果と良い相関を示すことがわかり、モデル化に目途がついた。 「(2)断熱材・建材の高温時における実効的な熱物性の定式化」では、外装材に窯業系サイディングを選定し、その高温時性状を把握した。内装材はせっこうボードとし、火災加熱時の材料の劣化性状を実験により確認した。火災加熱を受けるせっこうボードは、面内収縮による破断によりひび割れが生じるため、熱抵抗値は既往の物性値に収縮率に応じた低減を見込んで定式化すればよい見通しを得た。 「(3)柱の残存耐力の推定法構築」では火災加熱実験を行い、壁内柱の内部温度を測定した。これらの実験結果に対し、プロトタイプに(1)のモデルを組み込んだ計算モデルで計算すると良い相関を示した。柱内部の温度分布・推移は数値予測が可能となり、残存耐力の推定はこの温度による影響を考慮して進めていけばよい方針を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、木造外壁の材料構成から防火性能を評価する数値解析手法を開発するため、次に示す(1)~(3)の課題に取り組んでいる。 「(1)中空層の熱伝達・熱収支のモデル化」では、実験結果と良い相関を得られる計算モデルを構築できており、モデル化に目途がついている。 「(2)断熱材・建材の高温時における実効的な熱物性の定式化」では、外装材に窯業系サイディング、内装材にせっこうボードを選定し、これらの高温時性状を実験的に把握し、熱物性の定式化に向けて検討方針の見通しが得られている。 「(3)柱の残存耐力の推定法構築」では、壁内柱の内部温度分布について、実験結果と良い相関を得られる計算モデルを構築できている。柱の残存耐力の推定は、この柱内部の温度分布に基づき、温度による影響を考慮して進めていけばよい方針が得られている。 以上、(1)~(3)の進捗状況を踏まえ、「(2)おおむね順調に進展している」と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では、(1)~(3)の課題について次に示す方針で取り組んで解決を図り、これらをとりまとめて計算モデルの構築を行う。 「(1)中空層の熱伝達・熱収支のモデル化」では、現時点で得られている計算モデルが、木造外壁の多種多様な仕様構成に対し適用可能か検証し、必要に応じて計算モデルを改良していく。 「(2)断熱材・建材の高温時における実効的な熱物性の定式化」では、外装材・内装材については、引き続き、火災加熱を受けた際の建材の損傷を踏まえた熱物性値の定式化に向けた検討を進めていく。 断熱材については、火災加熱を受けた際に、溶融・熱分解が生じる断熱材の加熱側および非加熱側の温度推移を実験により計測し、熱物性の変化を現象として捉えて、定式化を検討していく。 「(3)柱の残存耐力の推定法構築」では、現時点で得られている壁内柱の内部温度分布の計算モデルについては、(1)と同様の検証、必要に応じた計算モデルの改良を進めていく。柱の残存耐力の推定は、壁内柱の内部温度分布に基づき、柱の炭化状況、温度による材料の機械特性の変化等を考慮して、推定法の構築を進めていく。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)