Project/Area Number |
23K22948
|
Project/Area Number (Other) |
22H01678 (2022-2023)
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 24010:Aerospace engineering-related
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
高橋 周平 岐阜大学, 工学部, 教授 (40293542)
|
Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
|
Budget Amount *help |
¥16,900,000 (Direct Cost: ¥13,000,000、Indirect Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥12,610,000 (Direct Cost: ¥9,700,000、Indirect Cost: ¥2,910,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
|
Keywords | 固体燃焼 / 可燃限界 / 低重力環境 / 限界酸素濃度 / 微小重力環境 |
Outline of Research at the Start |
本研究では航空機を用いて低重力環境を作成し,雰囲気圧力や酸素濃度を変えた中で固体材料の可燃性にどのような違いが生じるかを調べます.これにより,軌道上,月面,火星など地球と異なる環境において有人活動を行う際の固体材料の燃焼性を予測するモデルを提案し,宇宙居住環境における火災安全性向上のための知見を得ることを目的としています.
|
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度においては,ISSにおいて固体試料の燃え拡がり実験が実施された.そこでまず,実施された宇宙実験結果を解析することで,固体試料の燃え拡がり限界に与える周囲流速および酸素濃度の影響を詳細に調べた.実験に用いた固体材料はろ紙であり,地上における下方燃え拡がりの酸素指数(OI)は16.58%,高流速域(1000mm/s)における酸素指数(HOI1000)は20.71である.このデータを用いてろ紙に対するスケール解析を行い,微小重力環境における対向流速条件における最低限界酸素濃度を14.01%と予測した.軌道上実験で得られた結果を精査したところ,最低限界限界酸素濃度は15.0%となり,スケール解析による予測式はやや実験値より低い値を示すことが分かった.また,スケール解析においては,対向流速6cm/s以下の条件においては,限界酸素濃度が急激に上昇し,燃え拡がりが困難であることが示唆されていたが,軌道上実験においては火炎が3次元的な丸い形状(flamelet)を取ることにより,2次元モデルで推算される限界を超えてもロバストな火炎として比較的長時間にわたって存在する現象が見られた.この時の,火炎直径と限界曲線からの逸脱の程度には相関があり,2次元モデルにおける限界酸素曲線に達すると火炎がまず曲率を持ち始め,逸脱の程度が大きくなるにつ入れて火炎半径が減少し,5mm程度となると消炎することが分かった.これは火炎形状が丸くなることにより試料予熱部分が小さくなり,ふく射損失が低減することが要因になっていると考えられた.これらを踏まえて,航空機実験の準備として,低重力環境における低速度域における詳細な速度場計測機構の実装と,実験条件の選定を進めた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
航空機実験(低重力環境での燃焼実験)のための準備を進める一方で,ISSで行われた宇宙実験の解析を進めた.解析の中で,火炎周りの流れ場,特に試料上に発達する境界層が燃え拡がり挙動に大きく影響を及ぼすことが示唆された.このため,航空機実験の装置にパーティクル混入による流速場のレーザー計測が可能な機構を導入することとなり,実験装置の作成を2023年度に一部繰越すこととなったが,研究遂行上の大きな後れとはならず,ほぼ順調に進展している.ISSで得られた軌道上実験の解析結果は,第60回燃焼シンポジウムにてKeynote Lectureとして発表した.
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度は,引き続き航空機実験の準備を進めつつ,2022年度に得られた軌道上実験の解析を行い,特に予測限界曲線が実験結果よりやや低い限界酸素濃度を示した原因の特定に努める.これらの知見は,低周囲流速環境における固体燃え拡がり挙動の予測精度向上に資するだけでなく,航空機実験を行う際の実験条件選定の有益な情報となる.具体的には,火炎周りの境界層の影響をモデル化して,スケール解析に導入し,実験結果と比較することで適切なモデルの選定を行う.また,低重力環境における自然対流の影響と等価となる強制対流速度推算のための基礎データとして,軌道上実験での境界層速度分布の特定を行う.
|