デジタルツイン・機械学習・確率理論を融合した自動港内操船制御則に関する研究
Project/Area Number |
23K22970
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Project/Area Number (Other) |
22H01701 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 24020:Marine engineering-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
牧 敦生 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (50556496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋本 洋平 筑波大学, システム情報系, 准教授 (20709654)
白川 真一 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 准教授 (90633272)
梅田 直哉 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (20314370)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥16,250,000 (Direct Cost: ¥12,500,000、Indirect Cost: ¥3,750,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
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Keywords | 自動離着桟技術 / 港内操船 / デジタルツイン / 確率過程 / 機械学習 / 自動離着桟 / 確率理論 / 自動港内操船制御則 / 自動離着桟制御 |
Outline of Research at the Start |
船の自動化の中でも、特に港内操船の自動化は技術的ハードルの高い課題であり、船の動的システムのモデリング、オフライン離着桟航路計画、オンライン修正航路計画、オンライン制御というそれぞれの個別技術課題を全て解決し、不確定性が存在する中でも確実な離着桟が行えるシステムとすることが必要です。本研究では、機械学習や最適化技術を用い、運動システムをデジタルツインとしてサイバー空間上に生成します。その上で、不確実性や確率外乱を考慮しつつ、個船ごとのロバストな制御システムをモデルベースで開発する方法論を確立することを目的としています。この研究により、自動運航技術の将来の飛躍を切り拓く、新たな方法論を導きます。
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Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、本研究課題のメイントピックである船舶の操縦運動モデル同定手法・オンライン軌道計画と修正手法の開発・オンライン制御について研究と開発を実施した。 船舶の操縦運動モデル同定手法の目標については、現在状態量と入力に対し、実船の動きを正確に予測できるシミュレータが必要である。当該年度は、模型船の操縦流体力微係数を初期値とし、実際の船の運動軌跡から実船の操縦流体力微係数をファインチューニングする方法を開発した。それにより、模型試験の知見を基に、レイノルズ数が大きな実船の運動を精度よくシミュレートできる運動モデルを逆算することが可能となった。 オンライン軌道計画と修正手法については、数理計画問題の枠組みで、短時間で航路計画を行う手法にフォーカスして研究を行った。ここでは特に、実船の離着桟軌道データより、船舶の入港時の速度変化等を統計的に整理し、それを軌道計画に反映した。その結果、実船が行う離着桟に近い軌道の自動生成が可能となった。また、トラッキング軌道の修正についての基礎検討も実施した。 オンライン制御については、机上検討や数値検討に加え、模型船を用いた実験的検証までをも行った。オートパイロットについては、入力とそのレートの制約を考慮した制御手法を確立し、数値検討によりその妥当性を検証した。トラッキング制御手法について、バックステッピング法により得られた制御則に含まれるパラメータのチューニングを大域的最適化に基づき行う方法を開発し、併せて最適化に用いるシナリオについても検討した。また、それとは別に、PID制御に基づく方法については、数値検討に加え、実験的検討も行い、その妥当性の検証を行った。 上記いずれの成果についても、国際英文論文に投稿中もしくは投稿予定となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
船舶の操縦運動モデル同定手法・オンライン軌道計画と修正手法の開発・オンライン制御の3件について、計画通り順調に研究が進展し、それらの結果を取りまとめた論文投稿も、ほぼ予定通り実施できている。加えて、当初予定になかった、ポートハミルトン系の受動性に基づく制御手法についても検討を行い、船舶制御への適用について一定の目途もついた。これらを総合的に加味し、当初の計画以上に研究が進展しているものと判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後についても、本研究課題のメイントピックである船舶の操縦運動モデル同定手法・オンライン軌道計画と修正手法の開発・オンライン制御について研究と開発を実施する。 まず、船舶の操縦モデルの同定手法については、不確かさを考慮し、一意のモデルとして操縦モデルを定めるのではなく、各種パラメータを確率的に揺らぎを持つものとして同定する全く新しい手法を確立する。 オンライン軌道計画については、高速で経路をオンラインで探索する手法をより深化させる。その際には、大量の実船の離着桟操船軌道を統計解析することにより実務的な拘束条件を定め、それを基にあたかも人間の船長が行うような現実的かつ安全な軌道を高速で計算するアルゴリズムを確立する。 トラッキング制御については、入力とレートの制約を考慮し、場合によっては追従経路を作り変えることも考慮に入れたアルゴリズムを提案する。その上で、模型船実験を行う、提案するアルゴリズムの検証も行うことを視野に入れている。 さらには、研究開始時点では考慮していなかった舵による減揺制御などについても検討できる体制が整ったことから、港内操船にとどまらない、幅広い領域までをも自動化の対象とするような船舶制御理論の展開も視野に入っている。
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Report
(2 results)
Research Products
(31 results)