Research on safe navigation of a giant ship passing through a narrow canal based on kinematical analysis
Project/Area Number |
23K22972
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Project/Area Number (Other) |
22H01703 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 24020:Marine engineering-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐野 将昭 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (40582763)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 秋彦 国立研究開発法人水産研究・教育機構, 水産技術研究所(神栖), 主幹研究員 (10344334)
安川 宏紀 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (40363022)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,030,000 (Direct Cost: ¥13,100,000、Indirect Cost: ¥3,930,000)
Fiscal Year 2024: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2022: ¥14,820,000 (Direct Cost: ¥11,400,000、Indirect Cost: ¥3,420,000)
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Keywords | 船舶工学 / 操縦運動 / 運河(狭水路) / 側壁影響 / 浅水影響 / 操縦流体力 / 水深影響 / 船速影響 / 縮尺模型実験 / 運動シミュレーション / 水深・側壁影響 / 操船限界 |
Outline of Research at the Start |
2021年に発生したスエズ運河の座礁事故では、巨大船舶が海上交通の要所を塞ぎ、長期に渡って国際物流は停滞した。この事例に限らず、浅くて狭い場所を航行する船舶は、深くて広い大洋航行時には無縁な多くの操船課題に直面する。本研究では、狭い運河を走る巨大船舶を対象に、定量的な運動予測を可能とする運動モデルを構築し、それに基づく分析を踏まえて、安全航行に資する学術的知見の獲得を目指す。具体的には、精密な縮尺模型を用いた実験を実施し、運河を通航する船舶に作用する流体力を調査する。そしてそれを考慮した運動シミュレーション計算を実施し、様々なシナリオに応じた操船限界を評価する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、操縦流体力の船速影響に焦点を当て、昨年度に引き続き本学曳航水槽内に1/128のスエズ運河模型を敷設し、巨大コンテナ船模型(MCS)を用いて運河内曳航水槽試験を実施した。またCFD計算により、運河内を航走する船舶回りの流場や圧力場を可視化し、流場情報に基づき船速影響のメカニズムを考察した。以下、本年度の主な研究実績を記載する。 [1]操縦流体力の船速影響の調査:昨年度は、同運河内の推奨船速8.6ktおよび12kt相当で水槽試験を実施した。本年度は繰返し試験により実験精度を確認すると共に、よりクリティカルな13.5kt相当(座礁事故直前の船速)を試験点に加えた。水深、舵角、斜航角、運河中心からのオフセット距離等のパラメータを変更し、昨年度の結果と合わせて3船速の系統的データを揃える事ができた。またPMM試験を実施し、加速度や旋回運動に関わる流体力特性を明らかとした。13.5kt相当では顕著な造波現象が観察され、船体姿勢変化と合わせて流体力に有意な影響が及ぶ事を明らかとした。 [2]針路安定性の解析:13.5kt相当の流体力データに基づき、定常航行に要する当舵角や斜航角を推定し、運河内の保針の容易さを表す針路安定性解析(固有値解析)を行った。船速が増すと側壁影響が増加する一方、減衰力も増加する事から、船速増加が必ずしも針路不安定化には作用しない事が分かった。 [3]CFDによる流場解析:運河の中心線上で斜航する船体を対象に、複数の船速でCFD計算を実施した。二重模型流れの定常CFD計算と、自由表面と船体姿勢変化を考慮した非定常CFD計算の結果の比較を通じて、斜航流体力に及ぼす船速影響の要因を明らかとした。また流速場・圧力場を解析してメカニズムを考察した。 [4]風圧力の推定:本研究の巨大コンテナ船の上部構造物をデザインし、CFD計算により、同船に作用する風圧力・モーメントを明らかとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、独自のメガコンテナ船(MCS)を対象に、複数機関で大掛かりな水槽実験を実施し、深水域・浅水域・運河におけるMCSの流体力・運動データを網羅的に収集後、解析的ならびに計算的研究へ展開する計画で進めている。 2022年度は、広島大学(深水域・運河内の操縦流体力の計測)、九州大学(浅水域の操縦流体力の計測)、水産技術研究所(深水域の旋回流体力の計測、深水域・浅水域・運河内の操縦運動の計測)の各水槽おいて、一連の貴重な実験データを取得した。 引き続き2023年度は、船速影響(造波現象と船体姿勢変化)に焦点を当て、座礁事故直前に観測されたよりクリティカルな船速を対象に広島大学で追加実験を行った。以上の通り、これまでに研究計画に記載した一連の水槽試験は終えており、多くの実験的研究成果が得られている。また計測流体力のデータに基づき、深水域・浅水域・運河内を操縦運動するMCSの数学モデルを構築し、特に運河内を直進する為に必要な当舵角、その際の針路安定性を評価を通じて、運河内を安定的に航行可能な諸条件について解析的な検討を進めてきた。更にCFD計算により、運河を斜航するMCS回りの流場・圧力場を可視化する事で、流体力に及ぼす水深・岸壁・船速影響のメカニズムの解明に取り組んだ。 最終年度は,運動モデルの精緻化,様々なシナリオでの運動シミュレーションを予定している。そして2022年度に前倒して実施した運河内での自由航走試験データの詳細な運動分析と合わせて、航行環境(風速、水深、岸壁迄の距離)や船舶性能(船速、操舵制御)の各種要因と運河内での操縦運動(操船困難度)との関係性を明らかにする予定である。同時にこれまでの研究成果をとりまとめ、学会発表、論文投稿を積極的に行っていく。 以上より、当初予定の研究項目を順調に消化し、研究成果を蓄積できている事から、「おおむね順調に進展している」と思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度迄に実施したスエズ運河模型を用いた拘束模型試験により、運河水深(水深喫水比1.592)において、3船速(8.6kt、12kt、13.5kt)での操縦流体力のデータを取得した。加えて主要船速では、運河水深よりも若干深いもしくは浅い状況におけるデータも取得済みである。最終年度は、運河内での運動そのものに焦点を当て、[1]運河内の自由航走試験の解析、[2]精緻な運動モデルの構築と検証、そして[3]様々なシナリオを想定した操縦運動シミュレーション計算を通じて操船限界の把握を目指す。 [1]水産技術研究所の水槽で計測した運河内をオートパイロットで保針航行させた時の自由航走試験結果を詳細に解析する。水深、初速、初期オフセット位置、操舵制御ゲインの違いによる運河内での運動パターンの違いを明らかとし、運河内の保針操船について、実験的評価を行う。 [2]MMGの考え方に基づき運河内を航走する供試船の精緻な操縦運動モデルを構築する。[1]の自由航走試験結果との比較を通じて、運動モデルの精度検証を実施する。 [3]スエズ運河座礁事故当時のシナリオ(水深・船速・風速/風向)を含む様々なシナリオを設定し、巨大コンテナ船が、オートパイロット制御により同運河内を航行する際の操縦運動計算を実施する(風圧力はCFDにより推定済み)。操船手腕(操舵の応答速度と応答量)を反映する操舵制御ゲイン毎に、計算で得られる運動時刻歴結果を解析し、針路からの逸脱程度、岸壁までの最接近距離、最大使用舵角(舵角余裕)などを指標に操船困難度を評価する。 最終年度に当たり、研究成果の積極的な学会発表、学術雑誌への投稿を行っていく。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)