その場測定による高分子材料の宇宙軌道上紫外線劣化に関する基礎的研究
Project/Area Number |
23K22997
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Project/Area Number (Other) |
22H01729 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 25020:Safety engineering-related
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
岩田 稔 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (80396762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田川 雅人 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (10216806)
太刀川 純孝 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 研究開発部門, 主任研究開発員 (90470070)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2026: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
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Keywords | 劣化 / 紫外線 / 地上模擬試験 / 軌道上曝露試験 / 材料劣化 / 宇宙環境 / その場測定 / 劣化の回復 |
Outline of Research at the Start |
人工衛星に用いられている材料は必ず劣化する。実宇宙での劣化との質的同一性を確保した地上模擬試験を実施する上で、①実宇宙環境要因はブロードなエネルギースペクトルかつ、様々な宇宙環境要因の複合による相乗効果で劣化が複雑となり、劣化を地上で再現することが難しいこと、②宇宙環境による劣化は、地上で模擬する時にやはり真空中でなければ劣化を正しく定量できないこと、などにより地上模擬試験は未だ困難さを抱えている。本研究課題は、申請者がこれまでに独自に開発を進めてきた宇宙材料劣化研究拠点のシステムを用いて学術研究を進め、実宇宙環境における紫外線劣化の地上模擬試験方法論の構築に迫ろうとする研究である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では地球を周回するあらゆる人工衛星の材料劣化で問題となる紫外線に注目し、地上とは異なる真空紫外線を含む実宇宙環境の紫外線劣化模擬の基盤となる学術的知見を得ることを目的としている。 クラスター型「その場測定」設備の特徴を生かし、各種高分子材料の紫外線劣化が空気中での評価によってどのくらい結果がかき乱されるか検討を行い、劣化回復メカニズムについて探求した。この結果、かき乱される度合いは材料により大きく異なることが示唆された。照射波長領域の異なる2種類のランプ(重水素ランプおよびキセノンランプ)による劣化の影響を評価し、材料の違いによる劣化の差について知見の蓄積を進めた。また紫外線と熱を複合して負荷できる設備を構築した。熱と紫外線の複合劣化を、温度と加速率のパラメータを変えて試験を実施・評価して劣化量を評価し、加速試験実施によって生じる劣化現象の差について探求すると共に、加速試験の妥当性の範囲を評価するための知見の蓄積を進めた。国際宇宙ステーションの軌道では紫外線の他に、放射線・熱サイクル・原子状酸素による劣化が生じると考えられる。本研究では光学窓を用いて放射線と原子状酸素を遮蔽・遮断することで、複合した宇宙環境要因の中から紫外線および熱サイクルの影響を抽出して軌道上曝露試験を実施する手法について検討した。地上模擬試験による紫外線劣化評価の妥当性を検証するため、軌道上曝露試験において実宇宙環境における紫外線以外の環境要因を分離するために使用する光学窓候補材料の必要最小板厚について、安全要求の観点から検討を行った。また同窓材料の軌道上における放射線被ばく量を模擬する地上模擬試験方法について検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
紫外線と熱との相乗効果の理解や劣化の支配的要因の抽出のためにはさらなるケーススタディの蓄積と分析が必要とされるため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き「その場測定」と従来の空気中での評価手法での劣化を比較し、劣化回復挙動およびメカニズムを探究し、「その場測定」相当の正しい劣化量の評価に要求される周囲雰囲気について探究する。波長領域の異なる2種類のランプとフィルターを用いて照射試験を実施し、紫外線劣化に支配的な要因と劣化メカニズムを探究すると共に、熱が紫外線劣化に果たす影響について探求することで加速試験の成立性や軌道上劣化ダイナミクスのメカニズムを解明するための学術的知見を蓄積する。光学窓により複合した宇宙環境要因の中から紫外線および熱の影響を抽出して軌道上曝露試験を実施する手法について、光学窓の劣化と安全審査上の様々な要求事項について引き続き検討する。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)