Project/Area Number |
23K23004
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Project/Area Number (Other) |
22H01736 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 25030:Disaster prevention engineering-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
纐纈 一起 東京大学, 地震研究所, 名誉教授 (90134634)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 弘恵 東京大学, 地震研究所, 准教授 (90401265)
楠 浩一 東京大学, 地震研究所, 教授 (00292748)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,030,000 (Direct Cost: ¥13,100,000、Indirect Cost: ¥3,930,000)
Fiscal Year 2025: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
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Keywords | 長周期地震動 / 地震動シミュレーション / ジョイントインバージョン / シナリオ地震 / ハザードマップ |
Outline of Research at the Start |
全国1次地下構造モデルが構築され,それに基づいて作成された長周期地震動ハザードマップである長周期地震動予測地図とともに地震調査研究推進本部から公表された.多くの研究論文で引用されるなど,両者は広く利用されているが,利用されるにつれていろいろな不具合の報告がなされ,決して完璧なものではないことが明らかになってきた.そのため,全国地下構造モデルは2019年採択の科研費基盤Aにより第2版(全国2次地下構造モデル)が構築され公表されようとしている.本研究は残る次世代の長周期地震動ハザードマップの構築を地震動シミュレーション,シナリオ地震の震源モデル,地震動と建物被害の関係性の研究を通して実現する.
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Outline of Annual Research Achievements |
わが国における次世代の長周期地震動ハザードマップを構築する手法を検討するため,ネパールを対象とした3次元速度構造モデルと地震動ハザードマップの研究を振り返り,検討結果を2編の査読付き論文にまとめた. また,2023年2月のトルコ・シリア地震と2024年1月の能登半島地震において震源断層近傍の長周期地震動が注目されたことを踏まえ,それら地震の震源過程を解析した.特に,後者の地震の解析結果はアメリカ地震学会の年次大会において口頭発表された. 以上の研究実績に基づき,長周期地震動の中でも震源断層近傍の長周期地震動を本研究の研究対象とすることを決定した.さらには,それらに対するシナリオ地震タイプのハザードマップを構築するために必要な地震動シミュレーションや震源モデル化などの解析手法は,2016年の熊本地震などのデータを用いた研究により開発を行うとした. 2023年度は地震動シミュレーションの研究を行い,減衰のみならず地形や海,大気など現実的な構造モデルに対応した,定評あるオープンソースの差分法コードを活用して,震源断層近傍の地震動パルスなどの再現や普遍性に関する研究を行った.この研究成果は日本地球惑星科学連合の年次大会において口頭発表される. そのほか,地震動と建物被害の関係性を明らかにすることを目標に,歴史地震を研究することとしており,本年度は発生日時の面から研究にとりかかった.この研究成果は日本地震学会の秋季大会で口頭発表された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目標を震源断層近傍の長周期地震動のハザードマップに定められたことが,研究の進展には大きく貢献した.さらには,目標のハザードマップを検証するために,2016年熊本地震を中心としたデータを用いると定められたことも大きい.2024年度から始まる研究期間の後半には,定められたこれらに基づいて地震動シミュレーションと震源モデル化の手法開発を行う.また,開発された手法を用いて,震源断層近傍の長周期地震動のハザードマップを実現する予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
地震動シミュレーションに関しては,減衰のみならず地形や海,大気など現実的な構造モデルに対応した,定評あるオープンソースの差分法コードを活用した上で,中村・宮武(2000)などの現実的な震源時間関数を導入して,震源断層近傍の長周期地震動にも耐えるものとする.また,それを用いて震源断層の近傍における地震動パルスの再現や普遍性に関する研究を行う. 次に,震源断層近傍の長周期地震動がかなりの数の観測点で観測されている2016年熊本地震に対して,複数データセットをジョイントで用いた震源インバージョンを行い,詳細な震源過程モデルを作成する.その際,これまで検討されることがなかった震源断層上端の深さには特に注意を払ってモデル作成を行う.得られた震源過程モデルから,内陸のシナリオ地震のための震源モデル構築方法を提案する. 本研究のまとめとして,内陸の活断層の中から例となるべきものを選び,得られた構築法を用いてその活断層におけるシナリオ地震の震源モデルを構築する.この震源モデルと全国2次地下構造モデル,および上記の新しい地震動シミュレーションコードを用いて,シナリオ地震タイプの長周期地震動ハザードマップを実現する. さらに本研究では,長周期地震動ハザードを的確に表わす,新たな表現方法を探索する.地震動災害の中で人的被害の多くは建物の倒壊などにより発生するので,地震動と建物被害の関係性を明らかにすることが重要である.歴史地震による建物被害と震度の関係性を明らかにする研究を行う. これら主要研究課題に加えて,国内外の各地において,長周期地震動に対する地下構造の影響の調査や,被害地震による建物被害の調査などを行い,研究の進展に役立てる.また,研究期間の後半に入るので,研究成果を国内外の学会などにおいて発表して議論を行い,研究の完成度を高めるために役立てる.その上で,研究成果を論文などとして出版する.
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