Project/Area Number |
23K23014
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Project/Area Number (Other) |
22H01746 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 25030:Disaster prevention engineering-related
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
中村 いずみ 東京都市大学, 理工学部, 教授 (90414408)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 治 東京電機大学, 理工学部, 教授 (00290726)
奥田 幸彦 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 安全研究・防災支援部門 安全研究センター, 研究副主幹 (60895944)
滝藤 聖崇 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 安全研究・防災支援部門 安全研究センター, 研究職 (70966431)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥16,770,000 (Direct Cost: ¥12,900,000、Indirect Cost: ¥3,870,000)
Fiscal Year 2024: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
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Keywords | Natech / 地震 / 配管系 / 損傷モード / 機能維持 / エルボ配管 / ティ配管 / 静的載荷試験 / 破損モード / 弾塑性有限要素法解析 |
Outline of Research at the Start |
自然災害起因の産業事故はNatechと呼ばれ、近年その重要性が認識されつつある。しかし、産業施設で使用される機械設備類は破損モードに関するデータが少なく、また破損モードと維持機能とを対応づけた損傷状態が定義できていないため適切なNatechリスク評価が難しい。 本研究では自然災害として地震を、構造物として配管系を対象に、維持すべき機能を定義し、試験により破損モードを明らかにする。また試験結果と詳細解析から、維持機能と破損モードを関連付けて損傷状態を定義する。さらに、損傷状態を評価するための物理的指標を地震時損傷度評価指標として提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
自然災害起因の産業事故はNatechと呼ばれ、近年その重要性が認識されつつある。しかし、産業施設で使用される機械設備類は破損モードに関するデータが少なく、また破損モードと維持機能とを対応づけた損傷状態が定義できていないため適切なNatechリスク評価が難しい。本研究では地震時の鋼製配管系を対象とし、機能評価に基づくNatechリスク評価の実現を目的としている。3ヶ年で破損モード取得のための試験、弾塑性有限要素法(FEM)解析の実施、損傷度評価指標の提案を行う計画である。 1年目である令和4年度には、配管系の中で地震時に変形が集中しやすいエルボ配管、ティ配管に対する静的載荷試験(配管要素試験)を実施し、破損モードを調査した。配管要素試験では50Asch40(外径:60.5 mm、肉厚:3.9 mm)の炭素鋼配管の試験体を使用し、大きな弾塑性領域の繰り返し載荷試験と、地盤等の移動により一方向の大きな変位が加わることを想定した単調載荷試験を実施した。単調載荷試験の結果、配管口径の閉塞が一方向変位に対する破損モードになりうることが確認された。繰り返し載荷試験の結果からは、エルボ配管では脇部軸方向の疲労き裂、ティ配管では分岐管部分での座屈またはき裂が破損モードとして確認された。 配管要素試験と並行し試験体の弾塑性FEM解析モデルを作成し、試験装置との取り合い部分の強度評価を行い試験体設計に反映した。また、配管要素試験の事前解析を行うとともに、配管系の機能を配管口径の変形程度(閉塞率)で評価することを想定し、解析結果から閉塞率を算出するプログラムを作成した。 また、2年目以降に実施する振動荷重下における配管系の破損モード取得に向け、加振試験に使用する装置の性能確認、試験体の基本形状検討を実施した。 これらの検討と並行し、既往文献の調査を行い配管系の損傷状態の定義に関する知見を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目には配管要素試験を実施し大規模な弾塑性領域における破損モードを取得する計画としていたが、計画通り破損の想定される代表的な箇所であるエルボ配管及びティ配管の破損モードを取得した。配管要素試験では既往研究よりも大きな弾塑性領域での負荷を与え、発生したき裂の規模や配管の変形状況を確認できた。これらの試験データは今後の機能評価の検討に活用できる。また、2年目以降の加振試験に向けた検討を開始するとともに、弾塑性FEM解析モデルを構築し、配管断面の閉塞率などの指標に対し解析による定量評価を行うための環境を整えている。以上の点から現在までの進捗は概ね順調であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度には配管要素試験を追加で行い、令和4年度とは異なる条件での破損モードを確認する。配管要素試験に加え、振動荷重下での破損モードを調査するため、1つ程度の配管継手で構成される小規模な配管系試験体を使用した加振試験を実施する。 また、令和4年度に構築した弾塑性FEM解析モデルについて、試験の再現解析を行い、解析モデルの信頼性評価と、必要に応じてモデルの改善を図る。 これらの結果や既往研究の文献調査結果から、配管系の地震時における損傷状態の定義及びその評価指標の検討を進める。
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