Project/Area Number |
23K23016
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Project/Area Number (Other) |
22H01748 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 25030:Disaster prevention engineering-related
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
大窪 健之 立命館大学, 理工学部, 教授 (10252470)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
里深 好文 立命館大学, 理工学部, 教授 (20215875)
牧 紀男 京都大学, 防災研究所, 教授 (40283642)
金 度源 立命館大学, 理工学部, 准教授 (40734794)
藤本 将光 立命館大学, 理工学部, 准教授 (60511508)
室崎 益輝 兵庫県立大学, 減災復興政策研究科, 特任教授 (90026261)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥16,900,000 (Direct Cost: ¥13,000,000、Indirect Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2024: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,670,000 (Direct Cost: ¥5,900,000、Indirect Cost: ¥1,770,000)
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Keywords | 火災対策 / 防災水利 / 木造文化都市 / 水利整備 / 環境再生 / 地震火災 / 歴史都市 / 自然水源 / 地域防災 / 京都 / 減災の知恵 / 地震火災対策 / 防災水利整備計画 / 防火計画 / 地域防災計画 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、木造密集地域の火災脆弱性および都市内水環境の衰退という双方の課題改善へ向けて、近代的なインフラ自体が機能しなくなる地震火災対策のため、貴重な「近代化遺産」といえる都市内の歴史的利水環境を見直し、平時には環境に貢献しつつ有事の防災水利活用を目的に、整備指針とその有効性評価手法を明らかにしようとするものである。各地の歴史的利水環境を対象に防災活用を目指した事例を調査し改善提案を行うとともに、歴史都市・京都を一つのケーススタディとして、①利水環境の現状評価を基に、②地震火災時の防災水利としての有効性評価と改善提案、③他地域で実現するための汎用可能な整備指針と技術的手法の開発を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
1.防災水利としての再生可能性検証:現況調査を基に伝統的な利水環境を防火用水として利活用する提案を行い、有効性を満たすための整備技術を検討した。 (a)現状改善における可能性評価:課題解決へ向けた有効性評価や水理計算等の実証的検証を行った。(b)利活用案における可能性評価:ケーススタディとなる京都においては、「北ルート(琵琶湖疏水分線と堀川)、東ルート(御所水道)、南ルート(本願寺水道)」を主な対象として消防水利の可能性評価に取り組んだ。上記のルート以外にも震災時に消防水利が必要とされる「西ノ川ルート(龍安寺鏡容池から御室川までの水路)と西ルート(西高瀬川)」について検討範囲を拡張することで、他地域への汎用性担保を試みた。利水環境の改善案を策定し、水理学に基づくハードウェア面での検証とともに、既存水利の活用可能性を定量してきた。 2.整備技術の検証とその有効性の評価 市民による防火活動や消防車両による消火活動に資するべく整備指針を検討し。火災シミュレーションにより必要水量と水利拠点を設定し、既存水利の潜在能力の評価を試みた。 (a)整備技術や手法の開発:歴史的水利の文化遺産としての修復技術等の観点と、防火用水としての利活用の観点の双方を満足させるべく、文化的価値を活かしつつ性能や機能を改善するための利水環境整備技術の開発に取り組み、汎用的な検討手順として整理しつつある。(b)整備と改修における有効性の評価:整備による防火用水としての有効性評価は、水利の到達圏解析や火災シミュレーションの結果に照らして検証を行う事で可能となるが、日常活用における利便性や歴史的遺産としての価値への影響については、客観的な評価手法の確立も必要となる。対象の伝統的利水環境の防災活用については、関係者への聞き取り調査による課題抽出にも取り組んでおり、歴史的な水利に対する整備計画案への評価方法を整理しつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記した通り、研究は順調に進展している。 しかしながら、研究計画にある、他都市の調査対象である金沢の用水や白川郷などでの整備事業をはじめ、類する事例の実現に至ったプロセスについての調査が準備中である。 また、地域住民や関連行政に対するソフトウェア面での運用可能性の検証のための、日常活用における利便性や歴史的遺産としての価値への影響については、関係者への聞き取り調査が必要となっており、歴史的な水利に対する整備計画案への評価方法を整理する上で、関連する追加調査が必要なことから、「おおむね」順調と自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
1.ケーススタディにおける提案と評価:研究成果をふまえ、各地の歴史的な運河と管路を対象に、防火用水への適用可能性を高めるケーススタディを構築し、都市整備、文化財、消防担当、住民等への意見収集をすすめ、客観的な評価を行うための要件を整理する。 2.手順整理と普遍的な整備手法の汎用化:以上の研究成果と検討プロセスの整理を通じて、成果の事業化提案と併せて整備手法の汎用化を図る。 3.以上の成果を総合して学術論文を執筆し、成果の公表に努める。
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