Project/Area Number |
23K23019
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Project/Area Number (Other) |
22H01751 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 25030:Disaster prevention engineering-related
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
松本 浩幸 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(地震津波予測研究開発センター), 主任研究員 (80360759)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有吉 慶介 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 海域地震火山部門(地震津波予測研究開発センター), グループリーダー (20436075)
永野 憲 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 地球環境部門(大気海洋相互作用研究センター), 主任研究員 (40421888)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥7,280,000 (Direct Cost: ¥5,600,000、Indirect Cost: ¥1,680,000)
Fiscal Year 2022: ¥8,710,000 (Direct Cost: ¥6,700,000、Indirect Cost: ¥2,010,000)
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Keywords | 光ファイバ / DAS / 海底ケーブル / 津波 / 海底圧力計 / 環境温度 / 分散型音響センシング / 台風 / 圧力 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、光ファイバセンシング技術のひとつである光ファイバ分散型音響センシング(DAS)を海底ケーブルに適用して、高密度かつ高感度に津波の検知を試みる。日本周辺に展開されている海底ケーブルが海底津波計と同等の性能を有することを実証できれば、現在よりも格段に沖合の津波観測の空間分解能が向上し、津波予測技術の高度化が期待できる。科学観測目的で敷設された海底ケーブルを利用して、光ファイバ技術により津波監視体制を強化することを目指す研究である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、光ファイバセンシング技術のひとつである光ファイバ分散型音響センシング(DAS)を海底ケーブルに適用して、高分解能かつ高感度に津波の検知を試みる。本年度は、海底ケーブルの近傍で波浪と海底圧力の連続観測を実施している室戸岬沖の光ファイバを利用して、ファイバ長120 kmのDAS観測を実施した。そして台風接近時のDASと海底圧力計の観測データを比較することにより、長周期の海底圧力変動に対するDASの検知性能について考察した。 2022 年に発生した台風のうち、室戸岬に接近した2 つの台風(14号ならびに15号)を対象として、DAS観測データを精査した。海底ケーブルの近傍にはNOWPHASとDONETの観測点があり、それぞれ波浪と海底圧力の連続観測データを利用した。相対的に室戸岬での影響が大きかった台風14号が接近していた間、海底ケーブル全線にわたりひずみ変動が顕著に観測され、これはNOWPHAS の波浪観測と調和的であった。 台風接近時に観測されたDASと海底圧力計の同時解析を行って得られた研究成果は以下のの通りである。(1) DASを海底ケーブルに適用して台風接近時のデータ解析を行い、海底圧力計と同じ周波数帯域でひずみエネルギーが卓越する知見を得た。(2) DASは光ファイバのひずみ変化を観測するので、DAS で観測される内部重力波が海底面のひずみなのか、海底現場の圧力変動なのかをさらに検証する必要がある。(3) DASによる台風接近にともなう長周期波の観測は、光ファイバセンシング技術による津波検知の可能性を示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
台風にともなう周期が概ね5分以上の長周期波をDASで観測できることを検証できた。2022 年に発生した台風のうち、室戸岬に接近した2つの台風(14号および15号)を対象として、DAS観測データを精査することができた。DASで長周期の圧力変動を観測することを実証でき、国内誌において発表した。 さらに2023年10月に鳥島近海で発生した地震活動と津波について、南海トラフのDASならびに光ファイバひずみ計のデータ解析に着手している。予備的な考察では光ファイバ技術を応用した海底観測機器で津波だけでなく水中音波も観測されていることを確認した。これらの事象について、今後国内外の研究者と連携して精査を進める予定である。 これらのことから、本研究はおおむね順調に進展していると判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年10月に鳥島近海で発生した地震は、マグニチュードが不明なまま津波を発生させた。日本の沿岸で津波が観測されており、室戸岬沖の海底ケーブル近傍のDONETの海底圧力計でも観測されていることがわかっている。したがって、光ファイバで観測される津波(圧力変動)を精査して、近傍の海底圧力計との整合性を評価するとともに、効果的に津波検知できる手法を考案する。 また本研究で提案する津波予測手法はリアルタイム性を重視するので、適切なフィルタ設計やデータ・デシメーションの技術の開発が不可欠である。DASは観測の空間分解能とゲージ長(ひずみの基線長)の組み合わせで周期依存があるので、DASによる長周期水圧変動(津波)を抽出のための観測パラメータの最適化と観測項目の抽出を行う。
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