Project/Area Number |
23K23042
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Project/Area Number (Other) |
22H01774 (2022-2023)
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Multi-year Fund (2024) Single-year Grants (2022-2023) |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26020:Inorganic materials and properties-related
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
木村 耕治 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20772875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 真 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40262886)
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Project Period (FY) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥14,820,000 (Direct Cost: ¥11,400,000、Indirect Cost: ¥3,420,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,890,000 (Direct Cost: ¥5,300,000、Indirect Cost: ¥1,590,000)
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Keywords | 蛍光X線ホログラフィー / 圧電材料 / 放射光X線 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、高い圧電特性を有する従来型のPb含有圧電体及び次世代のPbフリー圧電材料の電圧印加時における構成元素の変位を原子レベルで解明する。電圧印加その場測定技術と特定元素周りの3次元原子配列を可視化できる蛍光X線ホログラフィーとを掛け合わせ、精密な構造解析を実施する。特に、Pbを含む圧電体と含まない圧電体の電場応答の共通点から両物質が示す高い圧電性能の起源を理解するとともに、両者の相違点から有害元素であるPbの圧電性への寄与を理解する。これにより、高い性能を誘起する元素の効率的探索やPbフリー圧電材料開発に資する構造的知見を提供する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、特定元素周りの原子配列を3次元的に可視化できる蛍光X線ホログラフィー(XFH)を圧電材料に適用し、電圧印加時の原子変位のその場観測に取り組んでいる。これにより、圧電性の微視的な起源解明を図っている。2023年度は、高い圧電性を有するPb(Mg1/3Nb2/3)O3-PbTiO3 (PMN-PT)をターゲットとして、電圧印加XFHを実施し、特に、Nb周りの原子像変化に着目して解析を行った。 PMN-PT試料は、0.1 mmの厚みにカットし、両面に電極を蒸着した上で、銀ペーストで導線を固定した。XFH実験は放射光施設SPring-8で実施した。印加電圧は、0Vおよび400V (40 keV/cm)に設定し、NbのKa線のホログラムを記録した。 実験結果を解析し質の高いホログラムが得られたことを確認した。ホログラムから原子像を再生したところ、明瞭なPbの原子像を観測することができた。0Vおよび400Vで再生した原子像を比較したところ、顕著な変化は確認できなかった。別途、電圧印加X線回折測定を実施したところ、結晶構造には変化が見られていることから、Nb周りでは電圧印加に対して元の構造を保ちやすい性質を有することが示唆される。このことから、Nbと同じサイトを占有するTiの周りで構造変化が生じている可能性が浮かび上がった。現在、次年度に向けてTiについても電圧印加XFH実験を進めている。Photon Factory において予備実験を行ったところ、Ti周りでは電圧印加によって局所構造が変化している様子が捉えられた。2024年度にはSPring-8で実験を予定しており、圧電性発現におけるNbとTi各々の役割理解を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では当初は、広く使用されているPb(Zr,Ti)O3圧電体を対象に、電圧印加蛍光X線ホログラフィー(XFH)を適用していたが、放射光照射による絶縁性の低下により電圧印加が困難であることが判明した。そこで、試料をPb(Mg1/3Nb2/3)O3-PbTiO3バルク単結晶に置き換える対応を取った。2023年度は、電圧印加XFH実験にも成功し、現在は概ね順調に進展している状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
Pb(Mg1/3Nb2/3)O3-PbTiO3の圧電性発現機構の理解には、同サイト異価数元素を区別した構造解析がカギとなる。これまでは、Nb周りの電圧印加蛍光X線ホログラフィーに取り組んできたが、同じサイトを占めるTiについても同様の計測を進める。Nbとは異なる電場応答を示すことが期待され、それぞれの元素の役割理解につながると考えている。
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